表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
52/58

52:運動会(1)

第52話です。ここから最終章です。よろしくお願いいたします。

 秋と言えば読書の秋、食欲の秋、そして────────スポーツの秋。

 毎年恒例の運動会の季節がやってきました。


「今年は俺達緑組が勝つぜぇぇええッ!!」


「「「「オォーッ!!」」」」


 謙輔を筆頭に、男子達は燃えていた。


 私達の学校ではチームはクラスごとに4つに分けられる。

 1組が赤組、2組が青組、3組が緑組、4組が黄組だ。

 これが、1年生から6年生まで全てに適用される。


「みんなもわかってると思うが、運動会で勝つためにはそれぞれの適性の分析を行い、最適な競技への振り分けが重要となってくる!」


 委員長の竹内君は、熱く語る。


「そこで今回、データの分析を我らが誇る5年3組の頭脳(ブレイン)、沢木君にお願いすることにした!」


「僕に任せていただければ、緑組の勝利は確定したも同然です」


 沸き起こる拍手と喝采。

 大島先生もスタンディングオベーションを決める。

 順はメガネをクイッと上げる。

 私達ががんばったとしても、他の学年ががんばってくれなかったら意味が無いような気がするんだけど。


「実は既にわかっていることがあります」


「沢木君、それは何だい?」


「誠に申し上げにくいのですが…………スポーツにおいては僕は役に立ちません!! だから借り物競走に出ます!!」


「さすがだぜ、沢木は」

「自分をよくわかっている」

「できるメガネは何か違うぜ……」


 ざわつく教室内。

 みんな何気に順のこと馬鹿にしてるよね?

 あと、メガネは関係ないと思う。


「沢木、もう一つ決まっていることがあるだろ?」


 謙輔が自信満々に立ち上がった。


「ええ……わかってますよ。渡辺君は王様です。適性を考えても、出る競技は決まっています」


「言ってみろよ」


「それは────────────────騎馬戦です!!」


 再び巻き起こる拍手。


「「「「キ・ン・グ!! キ・ン・グ!!」」」」


 よくわからないコールまで起こっている。

 何このハイテンション。


「キ・ン・グ!! キ・ン・グ!!」


 大島先生まで何言ってんだ。


「ですが、騎馬戦とはキングを支える馬選びも重要になってきます」


「わかってるじゃねえか」


「そこで、僕は考えました。 心・技・体、この3つを兼ね備えた最高の馬を準備するにはどのように采配すべきか」


 固唾をのんで見守る中、順からその最高の馬は発表された。


「前衛に西田君、左後方に坂本君、右後方に江藤君……これでどうでしょう」


「悪くねえ」


 そして、謙輔を含む4人は、早速騎馬戦の体制に入る。


「俺と渡辺が組むんだ。負けは許さねえぞ」

「右からの攻撃は俺に任せてください!」

「謙輔さんと組めれば、誰にも負けないぜ!」


 4人はそのまま闊歩し始めた。

 鳴りやまぬキングコール。

 私も参加した方がいいんだろうか。


 そして、チャイムが鳴り響いた。



******



「……てことがあってさぁ」


「何だそれ……」


 悠太郎も呆れていた。

 結局、出場競技が決まったのは、謙輔達4人と順だけだ。

 1時間もかけて何やってんだか。


「悠太郎は何に出るの?」


「オレも騎馬戦には出るよ。あとは徒競争とリレーかな」

 

「あら、じゃあ騎馬戦で謙輔達と戦うね」


 悠太郎は絶対負けないって言ってる。

 そういえばこの人負けず嫌いだったな。


「玲美は何に出るつもりだ?」


「今年は楽したいから、順と一緒で借り物競走にでも出ようかな」


「お前せっかく足早いんだから、リレーでも出たらいいのに。そしたらオレと勝負できるじゃん」


「悠太郎と勝負してどうすんの。今年は楽をするって決めてるの」


 あとは適当に楽そうなの選べばいいやと、この時は気楽に考えていました。



******



 そして、次の学級会。


 私は無事、借り物競走をゲットし喜んでいた。

 もう一個出るなら、恵利佳と二人三脚でもいいかなとか思ってみたり。

 しかし、次の瞬間、竹内君から衝撃的な言葉が発せられた。


「日高、お前はあとリレーな」


「……はい?」


「沢木君の分析の結果、去年のデータからも日高は欠かせないと出た。要望を聞いてやったんだから今年も頼む」


 私の“楽したい”という野望は脆くも崩れ去った。

 しかも、アンカーに私の名前が書かれていた。

 何が悲しくて、彼氏と同じ競技で戦わなくてはいけないのか。

 せめて悠太郎がアンカーでは無いことを祈ろう。


 恵利佳はパン食い競争と二人三脚に決まった。

 去年までのデータが未知数なため、この2種目での様子見らしい。

 私も恵利佳と二人三脚したかった……。

 恵利佳のパートナーは森山さんに決まってしまった。


 リレーのメンバーは走る順で、加藤純一君、杉本真紗美さん、高橋信二君、そして私の4人だ。

 このメンバーだったら高橋君がアンカーでいいんじゃないかと思うんだけど、順のデータ分析の結果こうなったらしい。



 運動会本番まで、学年の出し物の練習などが延々と続く。

 私達5年生は、よくわかんないダンスの曲に決まった。

 アニメの曲よりは良かったけど、ところどころ組体操的なものが混じってて無駄に難易度は高い。

 ただの出し物なんだから、もっと単純なのにしてよ……。


 そして、いよいよ運動会本番を迎える。

何気に徒競争が一番楽で好きでした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ