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第1-2話
黄昏に照らされながら私は思う、制服って何だっけと…。
「みーずみずーつかまえた~。」
背に当たるマシュマロを感じながら私は抱き上げられてちーちゃんの膝の上へとポジションチェンジをさせられた、母性が溢れるってすばらしいと実感する今日この頃。
「ナルミーあれできた~。」
「もちろんさリーダー、家の者に作らせた我らのエンブレムを得とご覧あれ。」
そういってナルミーが小箱を取り出して蓋を開けた、中には銀の丸いプレートに五つの手が組み合わさり五亡星を作り上げその真ん中に瞳が掘られた物があった。
私達はソレを各々好きな場所にピンで留めていった。
「あっ、ソレと水奈さん用の制服も持ってきたよ。」
「さっすがナルミー仕事が速いわね。」
ちーちゃんがナルミーから手提げ袋を受け取り、私を抱えたまま女子トイレへと連れて行った。
「さぁ、みずみず~お着替えしましょうね~。」
ちーちゃんが取り出したのはお人形さんが着る様な白とピンクのレースがあしらわれたゴスロリミニドレスだった。
「いやぁ…ちーちゃん…。」
「なーにみ・ず・なちゃん。」
ちーちゃんの手を掴もうとするのだけれどするりと解けてしまい次々と私の衣服は脱がされていってしまった。
蓋をした洋式のトイレの上の私はまるでお人形のようにちーちゃんに着せ替えられていった。
彼女の細く長い指が制服のボタンを外し、ワイシャツを外し、スカートを下ろされ頭から被るようにドレスを着せられていった。
ソックスも白いフリルつきに変えられ頭の両端を淡いピンクのボンボンで止められてしまった。
「はいこれ持って。」
小さな白兎のぬいぐるみ首元にはリボンが結ばれ蝶々結びされた真ん中をエンブレムで止められていた。
ソレを手に取りちーちゃんを見上げると、ちーちゃんは私を見つめ顔を赤くし私をお姫様抱っこして走り出した。
(私、結構重いと思うけれどよくだきあげられるなー)
そんな事を思っているとちーちゃんは立ち止まり教室のドアを開いた。
ガラガラ、ドンッ!
「みんな事件よ!」
ちーちゃんの叫びに教室内にいた人たちがこちらを振り向いた、放課後とは言えクラスの半数くらいの人がいたのでそれなりの注目を集めてしまった。
「あれって…水奈か…ぐっは。」
「ロリータ&ウサギさん最高です…ぐはっ。」
訳が分からない叫びを上げ倒れた彼らを廊下にポイッして今日の本来の作業に取り掛かった。
「さて、ロリコンほいほいで教室の清掃が終わったところで今日の本来の目的に移りたいと思います、博士よろしく。」
ちーちゃん…鼻血拭いてあげるね、駄目だ止まらないやティッシュを丸めてっと良しOKかな。
「でわこれより儀式に入りたいと思います。」
博士がまた中指で押し上げながら喋り始めた、メガネおおきいのかな?。
「怪異というのは突発的に起こるものではなく一定の条件下で起こるというのが私の調べで分かりました。そして我ら怪異調査隊は自発的にそのフィールドを作る方法を解明したのです。」
「「おおぉー」」(翼・水奈)
「その方法がコレです」
博士が私達に見せてくれたのは五枚の御札だったそれぞれに抽象的な文字が書かれておりとても読めるものではなかった。
「僕達がなぜお二人を誘ったのかそれはこの御札を起動させる条件に関わってきます。」
「条件?」
「はい、この御札の起動法は一定の距離を離れた五人が御札を手にし同時にお札を破ることによって起動いたします、起動する場所なのですがこの校舎は市内の三つの校舎が合併し出来たマンモス校で真ん中には円を描くように出来たグラウンド、その周りを囲む巨大な網そしてそれを取り囲むように出来た五角形の校舎その校舎のそれぞれの角に行きコレを破ります。」
「みんな離れるの?危なくない。」
私が疑問を投げかけるとナルミーが答えてくれました。
「そのためのコレさ。」
ナルミーが髪を掻き上げながら指差したのは先ほど私達に配られたエンブレムでした。
「いいかいベイビー、このエンブレムには最新のトランシーバーが内蔵されていて遠距離でも会話が可能なのさ、この豆電池一つで約10時間起動しっぱなしでOKなのさ。それにエンブレムには少量ながら銀を混ぜてあってね多少の魔を払う効果も期待できるのさ。」
以外にすごいんだね、このエンブレム。
「僕からも良いかい?。」
「えぇどうぞ。」
「御札の解除方法について教えてくれないか。」
「御札の解除の仕方はコレさ。」
今度は博士がエンブレムを指差し話し始めた。
「このエンブレムの絵が実は解除方法でね、五人の右手を交互に重ね合わせ呪文を唱えるのさ。」
「呪文?」
「あぁ呪文はこう言えば良い「裏の裏、陰の裏、月の裏、陽の光、其処が我らを照らす世界」てね。」
(どうしよう何だか本当に恐くなってきちゃった。)
「みずみず、大丈夫だよ私達五人はみんなコレで繋がっているんですもの恐くなったらコレが私達を…いいえ、これで私達が守ってあげるから。」
「ちーちゃん。」
ちーちゃんがエンブレムを指差し微笑むから私も自然と笑う事が出来るように戻っていた。
「それじゃみんな私達は一人じゃ無い、見えない絆で結ばれた仲間。怪異を解明し不思議の紐を解くものよ、怪異調査隊の初任務、気合を入れていくぞーーー!。」
「「「「おおおぉー!。」」」」
ついに私たち五人は不思議へ一歩を踏み出し始めたのだ。
誤字あったらごめんね^_<