第1-1話~学校の怪談は迷路への入り口?
第1-1話~学校の怪談は迷路への入り口?
転入生という滅多に無いイベント?はあったけれどそれも一週間足らずで落ち着いて、今では良きクラスの一員として彼はみんなと過ごしている様に見える。
「みずみず~今日さぁ~暇?。」
そういって私の前に現れたのは竹下 千里、165cm位の背で何時も私を後ろから抱きしめてくる、古い付き合いの友人だ、唯一つ言わせて欲しいことがある、背中に何時も
くっつけるそのマシュマロを少しで良いからくれないだろうか結構切実にお願いしたいです。
「まぁ、暇と言えば暇かな。」
「じゃあさ、ちょっと一緒に冒険しない?。」
「冒険?。」
いっつも唐突に訳の分からないことを言う友人に私は胡乱気な視線を投げかけた。
「そ、「「「我ら怪異調査隊、りゃくして怪隊」」」と共に不思議に立ち向かおうではないか!。」
どっから沸いていてきたお前ら、と言いたいのを抑えて私はちーちゃん(千里)の隣に現れた二人を見た。
メガネをかけた私と同じくらいの背の自称天才と言っているあだ名は博士の、木村 悟。ちーちゃんより少し背が高く何時も髪の毛をいじくっているあだ名はナルミーの、宮野 陸。この3人は放課後にいつも図書室で集まり怪異について調べているらしい。
「怪異ねぇ~。」
「それと今日はこの子も誘って見ました~。」
「えっと、翼ですよろしく。」
「あ、うん、よろしくね。」
「翼君とみずみず、そして我ら怪隊で今日はこの学校の不思議を解き明かしたいと思いま~す。」
「え?この学校にそんなのあったけ。」
学校といえば色々な噂話があると思うけれど、私はここに入学してから今まで一度も耳にしたことは無いんだよね~。
「それについては僕が説明しよう。」
そう言って博士はメガネを右の中指で押し上げ抱えた本を抱きなおした。
本は置いても良いと思うんだけどなぁ。
「僕達が調べた限りこの学校には五つの不思議が有る事が分かった。」
「七つじゃないんだ。」
「いや、今の所は五つだけしか判明していないと言うだけなんだよ、残り幾つあるかは僕達も調査中というわけだ。」
「五つの怪談?」
「そう、我ら怪異調査隊が調べた限り五つ判明する事ができた。
一つ、逆回転の大時計
二つ、無限階段
三つ、鏡の中の黒魔女
四つ、食人調理師
五つ、幽閉なんとか
この五つが今のところ我々が調べて分かったことだ。」
「幽閉なんとかってなによ。」
「それだけは字がかすれて分からなかったんだよ。」
「そうなんだよ子猫ちゃん、僕らも頑張ったんだけれどね。」
うっ、ナルミーの発言で背筋に悪寒が…。
「と言うわけで、今日の放課後二人ともよろしくね~」
嵐の様に過ぎ去っていった三人組を見つめ私は溜息をこぼす事しか出来なかった。
「はぁ~。」
「水無さん、がんばろっか。」
「うん、気は乗らないけれどね。」
そうして私はあるはずが無いと思っていた不思議の数々と出会う羽目になるのであった。
今日の漢字字典
胡乱ーう・ろんーあやしく疑わしい。
怪談ーかい・だんーばけものばなし。