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第十二話 パートナー誕生&初めての………

美稀に刀を消す様に促す。静かに話を聞いていた姐さんが、口を開く。


「とりあえずの経緯は分かったわ。それで…颯?美稀さんをどうするつもりか考えてるの?」


「それなんだけど…とりあえずこの件が片付くまでは保留にしようと思ってる。雨宮の話だと、今回のターゲットは葉山一族らしいんだ。葉山社長には向こうの要望は伝えられてるらしい。美稀が危険な状況なのは変わらないし、先ずはそれを解決させる。その後は本人の意思に任せようと思ってるけど、出来れば力が使える事を隠し通したい…かな。そうすれば日常に戻れるだろ?」


「目撃者は居ないのね?」


「恐らくね…。確証はないけど、さっきの闘いは誰にも見られてないはず。雨宮が負けるなんて向こうさん考えてもなかったのだろう、監視されてる感じはなかった。白群色の刀で雨宮の刀を破壊したから、雨宮から秘密が洩れる心配もないから」


2人で話を進めていると…美稀が横から口を挟む。


「ちょっと‼︎勝手に話を進めないでよ。私…刀を使える事、隠すなんて嫌よ‼︎さっきは突然の事で無理だったけど…今度からは闘うわよ‼︎」


「いや…だからお前には、こっちの世界にきて欲しくないんだって。遊びじゃないんだ…命の危険があるんだって」


「そんなの言われなくても分かってるわよ。でも…でも…私はあんたに守られるだけなんて嫌なの。対等でいたいの、パートナーになりたいの。それに…『必要』な事だとしても、もうこれ以上あんたに他の誰かとキスして欲しくなんかない。だって…そんな願いを実現する事が出来る力を手に入れたんだもん」


両手を握っては開き、握っては開きを繰り返しながらそう呟く美稀。


「それに…刀がね?私に訴えかけてくるの…直接には無理になっちゃったけど…私と一緒に闘う事で、あんたの力になりたいって。その想いに私は応えたい」


美稀の言葉に…颯は返事が出来ずにいた。

見かねた渚が口を開く。


「颯…あんたの負けよ。美稀さんは本気で覚悟を決めてるわ。諦めなさい…」


「姐さん…でも俺…」


「あ〜もう。うるさいわね…惚れた女の願いぐらい叶えてあげなさいよ。だいたいあんたがちゃんと守ってあげたら何も問題ないでしょうが」


「ちょっ……姐さん、惚れてないから」


「もう…いい加減認めなさい。その子の話が正しければ、あんたベタ惚れじゃない。傍目から見てても、あんたがその子に惚れてるのは分かるから…」


姐さんからの思わぬ『口撃』にたじろぐ。横目で美稀を見ると…うわっ…期待に目を輝かせてやがる。この場で告白してもらえるとか思ってるんじゃないだろうな?冗談じゃない。


「と、とりあえず…美稀と2人で話してから決めるよ。姐さんにはちゃんと報告する。今日の夜話し合うから…明日必ず連絡する。それでいいかな?」


「分かったわ。それじゃ、決まったら連絡してちょうだい」


話が纏まった。まだ一つだけ知っておきたい事が残ってるので姐さんに続けて質問する。


「それで…雨宮の事なんだけど…どうするつもりで考えてる?」


「そうね…雨宮はもう何も覚えてないだろうから…私としてはどうでもいいんだけど…。保護しないと恐らく組織に消されるでしょうね。保護してもらうとなると、凪野さんには白群の話はしないといけなくなるわね。ちなみに聞くけどあんたはどうしたいの?」


「俺としては…保護してもらえるならその方がいい。敵とはいえ、見捨てるのは気分が悪いから。白群の情報が洩れるのを姐さんが許してくれるなら…だけど」


「あんたならそう言うと思った。いつまでも隠し通せるなんて甘い考えなかったから…別にいいわ。雨宮を保護してもらう方向で動くわ。ただ、あんたには今以上に危険が増えるかもしれないから、警戒だけしっかりしておきなさい。分かってると思うけど、こんなところであんたに潰れてもらう訳にはいかないんだから…」


「ありがとう、姐さん。それと、迷惑かけてごめん。自分のやるべき事はちゃんと理解してる。だから…心配しないで。俺は絶対にあいつともう一度対峙する。次は絶対負けないから」


俺の言葉に納得したのか、姐さんは優しく微笑みかけてくる。

とりあえず、話はここまでにしておく。

美稀が…不貞腐れてるから…


「姐さん、報告出来る事はもうないから…そろそろ帰るよ。また明日連絡する。それじゃ…。行くぞ美稀」


そう告げて、歩きだす。美稀が…ちゃんとついてきてるか確認も忘れない。


少し離れた所で…美稀に話しかける。


「散々な事になったな。話し合うのは家でゆっくりしよう。それで…まだ日が暮れるまで時間があるんだが…。で、で、デートするんだったよな…初デート楽しみにしてたんだろ?それとも、もうそんな気分じゃないか?」


俺の言葉を聞いた途端、美稀は嬉しさを隠そうともせず腕にしがみついてくる。

それから…街に移動してショッピングを楽しんだ…ってなれば良かったんだけど。残念ながら現実とは厳しいものである。


美稀よ…行きたい場所が下着ショップのみっておかしいだろ。しかも俺に選ばせようとするのは、勘弁してくれ。

しかも、『颯はセクシーなのが好きでしょ?』とか…店員や周りの客に聞こえる様に大声で言うのはやめてくれ。

だいたい、いつお前とそんな話をしたのか…俺に教えて欲しい。


捏造だ…冤罪だ…って、大声で叫びたかったけど、流石にそこまでするほど非常識ではない。

結局逃げ出すことも出来ず、周りからの侮蔑の視線・好奇の視線に耐えつつ、下着を一緒に選んだ。


どんな下着を美稀は買ったかだって?そりゃ、当然セクシーなのを買わせましたよ…それが何か…?





ショッピングを終え、その後近くのカフェで簡単に夕食を取り帰宅した。


ゆっくり話したいので、先に風呂をすませてしまう事にした。美稀に先に入るよう促し、リビングでテレビを見て時間を潰す。

美稀と入れ替わり風呂へ。手短にすまして、部屋に戻っているであろう美稀の元に向かう。



今夜の美稀は…赤のベビードール姿(もちろんシースルー仕様で胸の先端はバッチリ見えている)でベッドに腰かけていた。両手を膝の上で強く握り締め…モジモジしながら俺を凝視している。


昼間の事があるから、気恥ずかしくて美稀の事を正面から見れなくて、ついつい目を逸らしてしまう。

美稀を横目で見ると…目を逸らされたのがショックだったのか、絶望感に包まれていた。

不穏な空気を察知して、急いで美稀の隣に腰を降ろす。


とりあえず、美稀に自分の事を伝えないと…


説明すべき事を、頭の中で整理して口を開こうとしたタイミングで美稀の方が先に語り始める。


「えっと…颯が話そうとしてること、多分私分かってる。あと…颯の知らない事も知ってると思う。だから私の話を先に聞いて欲しい」


首肯して先を促す。


「颯、前に自分の事話したよね?それ…私に嘘ついて…違うな。勘違いする様な言い方したよね。颯さ…ペナルティーが力を使ったら、って言ってたけど、これは…刀を具現化する力って意味じゃない。本当は他の力を指すんでしょ?颯の動きが目で追えなくなるぐらい速くなる時がある。あれは普通じゃない。身体能力向上…って効果の力だよね?それを使うからキスしないといけなくなる。どうかな…正しいかな?」


驚いた…なんでそんなに詳しいんだ。話した事なんてないのに…推測?それにしては的確過ぎる。美稀は俺の事を『分かってる』素振りだったから…これは恐らく…


「刀の意思ってのに教えてもらったたのか?」


「そうだよ。聞いてないのに説明してくれた」


「・・・・・・・・」


俺の元相棒…けっこう話したがりなんだな。


「それで、話を続けるけど…颯、刀の事ちゃんと分かってる?自分がなんで属性の優劣ひっくり返せるか説明できる?」


「多分…俺が刀を使いこなせているから…そういう事だろ?」


「違うわよ、馬鹿。あんたの場合、身体能力向上のおかげよ。具現者の力関係には、属性の優劣が最重要…これね、嘘ではないんだけど正しくないの。あんた、火属性でも水属性の刀といい勝負出来たわよね?あれ…刀同士の対抗関係で負けてる分を身体能力向上の力でカバーしてたわけ。だから、圧倒的に不利な水属性ともやり合える。あんたはイレギュラーな存在なの。さっき、嘘ではないけど正しくないって言ったのは、属性が最重要っていうのは少なくともあなたにはあてはまらないからなのよ」


「なるほど…そういう事か。刀をそれなりに使いこなせている上に、身体能力向上の力がプラスされてるってから、対抗出来たんだな」


「全然分かってないじゃない‼︎それなりに使いこなせてる?そんな訳ないでしょ…あんた全然使いこなせてないし…厚かましいのも大概にしときなさいね」


美稀の物言いに軽く目眩がする。俺が使いこなせてないだと…


「それで次の話ね。さっき言った適合率の話なんだけど…これって、あんたの身体能力向上と同じくらい重要なの。適合率が上がるとね…刀のポテンシャルを引き出せる様になるのよ。ねぇ、颯は大した鍛錬もなく刀を振るえる事を疑問に思ったことない?これって…分かりやすく言うと、刀が闘い方を『教えてくれる』の。その教えに従ってどこまで動けるかを決めるのが適合率。要は、颯は身体能力向上の力で100%の適合率と同じ効果を出してるわけ。分かりやすく火属性の緋色の刀を例にして説明するね。仮に相手が適合率100%の水属性なら、あんたは勝てない。身体能力向上と100%の適合率、そこには優劣はない。でも…刀の属性の対抗関係で火が負けてる。普通なら…あんたの刀との適合率分の力がそこに加わるから、勝てないとおかしいんだけど、あんたの適合率…皆無とは言わないけど…10%とかそんぐらい、要は低すぎるの。そして、あんた以外の能力者の身体能力を仮に数値で言えば、10%もあればいい方なの。だから、あんたの低い適合率は相手の身体能力分と綺麗に相殺。だから、水の適合率100%には絶対に勝てないの。刀の対抗関係で直接関係のない他の属性の100%だといい勝負出来るでしょうね。適合率100%以下ならあんたは恐らく負けない。水だけは100%以下でも負ける可能性はある。雨宮の攻撃をあんたは殺しきれなかった。あんたの攻撃に雨宮は態勢を崩した。どのぐらいかは分からないけど…水属性だと雨宮ぐらいの適合率と互角ぐらいよ。なんとなくでも、適合率100%がどれぐらい凄いか理解できた?」


理屈はある程度知っていたが、こうやって改めて説明されると…俺の身体能力向上の力の凄さを実感すると共に、適合率100%の凄さも理解する。

俺の身体能力向上と同じ様な感じなんだ…そりゃ凄い。

そして俺…そんなに刀との適合率低かったんだ。

泣いてなんか…ない。いいよ別に…

俺には身体能力向上の力があるし…。


「で…その適合率100%が…私」


「・・・・・・・・・」


えっ?


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はっ?」


なんて言いました、この人⁉︎


「だから…私が緋色の刀と適合率100%なの。だから、刀の意思を知ることができる。颯には分からない感覚だろうけど、意識を集中して語りかけると頭の中で刀と話が出来るの」


驚いた…色々詳しいとは思っていたが…そういうカラクリだったのか…

でも、美稀が適合率100%ってのは悔しい、凄い悔しい。


「悔しいの?苦虫を噛み潰した様な顔してるけど」


顔に出ていたらしい…


「それで…次はもう一つ。あんたの白群色の刀の件だけど、これも聞いている。凄いね…3属性持ちの刀とか。私はこれには深く追求しないけど、一つだけ聞かせて。隠しておかないで大丈夫なの?」


「隠さないでいい。知ってると思うけど、ある男と闘う時の切り札だったんだ。向こうが存在を知らなければ…不意打ち出来るかな…ってつもりで、使わない様にしていただけ。絶対に使っちゃいけないとかじゃないから。だから問題ない」


「そう…」


美稀が一言ポツリと呟いた。

さて…この辺りが頃合いだな。話している間…ずっと考えてた事を美稀に伝えよう…


「もう、俺が教えないといけない事ないみたいだな。美稀…お前、強いのか…。話を聞いて、俺が守ってやるってのは違うのかもしれないと思ったけど、お前を絶対に死なせない、俺が守るから。今回の件が終わってからとも考えたけど…別にそれを待つ必要ないな。美稀、俺とパートナー組んでくれるか?」


「先ずは仕事のパートナーからって事ね。望むならいつでも人生のパートナーにしてあげるから‼︎遠慮しないで言うのよ。ちゃんと待ってるから…言わないと許さないからね♪」


嬉しそうに、そんな事を言う美稀に…抱きしめられる。

頭が胸にあたってる。しかも口が…先端に…甘噛みとか舐めたり…はしてませんよ。

暫くすると、抱きしめていた手を緩められる。名残惜しいとか、思っていると…


いきなりキスしてきた。しかも舌を入れてきた…あれ?これ初めてのディープキスだ。

意識が朦朧としてくる。霞みゆく意識の中で美稀の…


「颯、愛してるよ♪ついに…エッチなキスしちゃったね‼︎」


と言う声が…聞こえた気がする。

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