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ガロスト

「そういや話が逸れたけど何が『それなのだけど』なんだ?」


 赤西先輩が忘れてたとばかりに能登さんに訪ねた、私も何だっけと思ったけど確かにそういえば今日は何のゲームで対戦するかという話をしてたところで能登さんが話かけてきたのだった。


「そうよ、今年の高闘祭の種目が決まったの。それが……ガロストなのよ」


「……マジかよ」


 能登さんの言葉に、何の話かわからずにオロオロしている響ちゃん以外は私達は凍り付いてしまう。

 その響ちゃんの『何ですかガロストって?』という質問に猿渡先輩が説明を始める。

 響ちゃんの質問そのものに八代ちゃん以外の聖八代の面々が驚いていた。

 私も逆の立場なら何で知らないのって思っちゃったと思う。


「んーと、格闘ゲームが流行だしたころにいっぱい格闘ゲームを出してた二つの会社があって。その二つの会社のキャラクターが一緒になって戦うゲームなのよ。ネズミーとキチーちゃんが一緒に出てくるみたいな感じ」


 知識の全くない響ちゃんもその例えだと理解できたのか『最強じゃないですか!』とキャラを忘れたような声をあげてしまう。

 そこにファンシーグッズにお熱をあげる一般的な女の子の代表みたいな響ちゃんの面影はない、どうなのさ響きちゃん……。


「家庭用が出るのが来月なのよね。高闘祭の予選が七月半頃を考えるとしっかり練習できるのは一ヶ月ちょっとかしら」


 青山先輩が困ったように首をかしげながらブツブツと『部費のやりくりが……』と世知辛い事を言ってる。

 でも、そうなると


「そうなると今からゲーセンに行くのか?」


 赤西先輩が私と同じく思った疑問を口にすると、八代ちゃんが『クククク』と小さく笑い、自信満々に反り返って筐体を指さした。


「八代の財力を持ってすれば、課題ゲームを導入する事もわけない事なのよ!!」


 そのタイミングを待っていたように、ってか八門さんの待ちくたびれたという顔をみる限り実際待ってたのだと思うけど、電源が入った筐体にはおそらくガロストの起動画面が移った。


「ちょっと、なんで音が鳴らないのよ!」


 黒バック画面には『System OK』というような表示、八代ちゃんは思ったのと違うという流れに慌てている。

 たぶん言った瞬間に音楽が流れるとか、そういうのを期待したんだと思う。

 業務用ゲームの起動画面っていうのは思いのほか地味なんだよね。


「だから言ったじゃないですか、部長が言うようにはならないですよって」


 八門さんがため息混じりにそう言うと、すっごい怖い目で中丸さんが八門さんを睨んで八門さんが短く悲鳴をあげる。


「気にしないで、いつもこんな感じだから。さて、起動したら早速始めましょう。どういう割り振りなのかしら、うちは部長が大将だから、できればその子を大将にしてくれると嬉しいんだけど」

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