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潜入、聖八代女学院

 聖矢代女学院。

 漫画やアニメでお嬢様学校っていうのを見るけど、普通はそういうのってそういうフィクションだけの世界だけだと思ってたんだけど。


「「え~~~!?」」


 私と響ちゃんが揃いも揃って校門前で驚きの声をあげてしまった、だって門がレンガでできててロータリーまでものすごい距離があって、校門が白塗りの柵なんだよ。

 うぁわー……壁が高いなー。


「えっと、本当にここでいいんですか?」


 私も響ちゃんも凄くビビっているけど、赤西先輩は私達とは逆に興奮して『ヴォー、デケー!!』って大はしゃぎ。

 何だか場違い感としては私達と赤西先輩は一緒のような気がするけど、飲まれてる私達と違って赤西先輩はワクワクしてるって感じ。

 余裕があるって事なんだろうな、凄いなぁ。

 凄いっていえば、こんなお嬢様学校とどうして練習試合なんて組めたんだろう?

 というか……こういうお嬢様って格闘ゲームとかやるのだろうか。

 リリアンを編んで、紅茶をたしなんでるようなイメージしかないんだけど。


「しっかし、イサミちゃんスゲェけどどういう繋がりでこんな学校と対戦する事なったんだ? 私も高校にあがる時の候補だったけどさー場違い感が凄くね?」


 ナイス赤西先輩、私もそこが気になってた。

 って、ちょっと待って。

 いま、赤西先輩ってば聞き流せない事を言ってなかった?


「三日前に部活連絡網で今週の日曜に練習試合ができる学校はって事で連絡が来てね、対応したのは私達だかえだったみたいだけど」


「随分と計画性がないってか……普通は思いついてもそんな連絡しないんじゃないか?」


「そうなのよね、それでなくてもこんなしっかりしてそうな学校なのに」


「あ、あのー」


 『どったん楓ちゃん』と赤西先輩は軽い反応。

 二人の話を聞いていて、本当に規律の厳しそうなお嬢様学校なガバガバな思いつきみkたいな予定を立てたんだろうってのは私も気になるんだけど、どうしても私は赤西先輩に聞いてみたかった。


「あの、赤西先輩ってこの学校が候補にあがってたんですか?」


 私の質問に赤西先輩は不思議そうな顔をしつつ、質問の意図がよくわからないっていう感じで『そうだよ』と答えた。

 どうやら聞き間違いじゃなかったらしい。

 え、この赤西先輩が?

 髪も金髪で、女らしいっていうか男らしい感じの赤西先輩が、登校にスポーツ自転車で毎朝ガチ漕ぎしてる赤西先輩がこのお嬢様学校に?


「タイガーちゃん、楓ちゃんってば『こんな学校に赤西先輩みたいなガサツなクルクルパーが通えるはずがないんじゃね』って思ってるみたいよ」


 猿渡先輩が心を読んだような的確な説明を赤西先輩にしちゃう、やたら私の声と似てるのが凄いけど、私はそんな口調じゃない。

 あわあわと言葉を失う私だったけど、当の赤西先輩は気にもしてない様子である。


「んーと、信じられないかもしれないけど琥珀さんは県下でもトップクラスの成績で全国模試でも結構上位なのよ」


 そういう青山さんはちょっと悔しそうな感じだった。

 穏やかな人かと思ったけどそういうところでライバル視してるんだ、ちょっと以外。

 『私は見た目がこんなだしね。慣れたもんだよ』と動じないあたり赤西さんはやっぱり男らしい。


 校門の詰所みたいなところの警備員のおじさんに門をあけてもらって校内に入ると、気のせいだろうけど何か良い匂いがする気がする。

 こんなところからプレッシャーを感じてどうする、今から対戦をするんだよ。

 『なんか庭もとってもキレイだね』『庭ってかロータリーね』響ちゃんが猿渡にいつの間にか懐いてる。

 ……というか響ちゃんを猿渡さんが慈しんでるような。

 私の知らない部活の人間関係が構築されているな。


「本日は遠いところをよくお越しくださいました。私、電子対戦部の副部長をしております。中丸咲(なかまるさき)と申します」


「今日はよろしくお願いします、三年の蝶城花子(ちょうじょうはなこ)です」


 少し待つと、これぞお嬢様って感じのスラッ、キリッって感じの副部長さんと厚い眼鏡をかけたおしとやか系の部長の蝶城さんが迎えてくれる。


「急な招待に対応にしていただきまして重ねてお礼を申し上げます」


「ああっ、別にこちらも予定がなかっただけですから。それに遠いっていっても電車で一時間の同じ県内ですし」 


 中丸さんの反応に青山先輩が慌てて頭をあげるように促すと、中丸さんが『それでは早速ですが』と案内をしてくれる。

 キレイな廊下を進んだ先には電子対戦部という聞きなれない教室表札が刺さっている部屋に案内された。

 部屋はなんと上履きを脱いであがる造りになっていて、おまけに絨毯がしいてあってフカフカ、壁には高そうな油絵まで飾ってある。

 本当に漫画みたいな部屋だけど、その部屋の真ん中に筐体が置いてあるのがかなりシュールで世界観がまるであっていない。

 私達があっけにとられていると、小等部の子がヨチヨチと近づいてくる。


「ご機嫌よう、よく来たわね。私がこの格闘ゲーム部の部長、矢代翔子よ。今日はよろしくお願いするわ」


 部長?

 あれ、部長って蝶城さんじゃないの、この小さい子が三年生なの。

 お嬢様学校は庶民の私には理解をするのが大変である。




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