↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR

書きたいシーン書くだけシリーズ

ビッグバンとは

掲載日:2026/10/07

 いつも通りに喫茶店でマスターに愚痴を言われてから、いつも通り他愛ない話をする。


「最終的に、もう解明することは出来ないけれど、と付けるのを忘れられては困る」

「それは失礼しやしたね。こういう話は、どこから話しても前提や結論は後からになるものさ。その不備をどうこう言うってなら、会話ってシステムをアップグレードしてくれないと困るよ」

 お互いか。とはいえ、向こうはお互い様なんて思ってないだろうが。会話がアップグレード出来るような物ではないのだ、生体部品ってのは。

 そして、こちらはそれを超克した存在であるから、どうしても会話が下手になる。話したいことが一杯で、順序立てて説明するのが大変なのだ。会話の開始時点で議事録が作ってあるんだが、それをそのまま読むというのは会話、コミュニケーションにならないのだから。

……ん? それも向こうの都合では? いやいや、それを考えたらおしまいか。


「ともあれビッグバンってのはイメージ通りの物じゃないんだ。どうしても巨大な爆発という話から大きな爆弾の印象を受ける。でもそんな物ではないんだよ」

 顔の前で両の手を組み、ぼかんっ。腕も使って大きく振りかぶる。この場合の地球の縮尺は、目にも見えないというか、原子1個もあるんだろうか。

「宇宙という領域を作り出している幕。それが上がっていく状態。幕の内側に隠されていたものがあ(・)ら(・)わ(・)になり、その結果として力、物質の元が必要なだけ作られて原初宇宙が生み出された」

「そうして生まれたカオスに付随する物として引力や重力も生まれて嵐が起きた。からこそ爆発している様に感じるんだ。でもそれは本当の爆発じゃない。幕が上がった所で役者が好き勝手暴れてるだけさ。そのうち疲れてそれも落ち着くがね」

「そうすると、あちこちで銀河が生まれると。秩序だった惑星の回転運動、条件が整うことで生まれる知的生命体」

「人間ってやつは直ぐソレだ。どうしてそんなにお友だちが欲しい。同じ人類にだって、お前に友達って付箋を貼れる奴がどれだけ居るってんだよ」

 睨むな睨むな。別に突かれても痛くないのに一般から逸脱してると言われて痛むのはどこなんだよ。

「別に。人間がこれだけ外に出ようとしていて、他の生命体がそうしない理由は無いなって、それだけのこと。宇宙が出来て130億年以上、地球は46億年生まれで人類はその後ろ数万年程度の年数しか存在してない。なら80億年ぐらいは後発ってことでしょ? それだけあれば地球人類のウン倍ぐらいの知的生命体が居たっていいじゃないって話」

「その程度の進化で銀河の外に出れるはずがないだろ。そもそも数億光年の移動が必要なら移動方法は数百世代が生活できる規模で移動していくしかない。その移動大陸みたいなのがこの地球方向に来る確率考えろよ」

 地球が原子1個もないような小ささの縮尺なのに、同程度の大きさのビリヤードがゲームになるとでも思ってるのかね。

「ワープしたって良いじゃない」

 ビュンっと。なんて言ってテーブル上の角砂糖入れを移動させている。

「ワープにはね。そいつはね。ロマンがない」

「逆張りすぎない?」

「たまにはね」

「頻繁にね」


「でもさ本当に来ることなんてある? なにが必要で人間のいる場所に来るんだ?」

「えっ、労働力確保とか?」

「異星人が両手両足あって頭が1つで指が5本で目が2つである必要があるな。あと関節の動きとか平均身長とか」

「その程度の違いは直ぐに吸収できる技術力があるとする」

「その場合に労働力確保のため100年も生きないし労働力として力を発揮するまで年単位で時間がかかる労働力よりロボットのほうが良くね?」

「……征服欲?」

「労働力確保の前提みたいな欲求出てきたな。なんか人間が適合出来る惑星にでも突っ込んで開拓させるか?」

「まぁ、それもロボットとか機械で良いか」

「最終的に知的生命体って興味無くなると種として終了するんだよな。惑星なんて同じ銀河内を探せば大抵の種類はコンプリート出来る。未知の風景や動物や物質は1つの銀河で事足りるどころじゃない。銀河は知的生命体を好奇心の器にはならないのさ」

「となると、人は人を楽しむしか無くなっていくのね」

「それだけは人が持っている必要がある。そこをアウトソーシングし始めたら全ての終わりさ」

「となると」

 辛島が喫茶店の入口に顔を向けると、


「どうもー! いつもの事件を持ってきましたよー!」


 とても都合の良い女が、都合よく現れる。あーあ、得意げな顔してらー。

「あれがいる間は、私たちは大丈夫ってことね」

「それはそうかも。いやーあれがビッグバンってことだ。あいつが通っていく場所全ては観測される。幕が開いてしまえば不思議はいずれ無くなる」

「あぁ……観測者としては一流ね。なんて都合の良い」

「そういう装置なのかね?」

「あんたが言う?」

 言ったって良いだろ。悪くないとも言わないけど。


瀬戸:なんか超常現象に詳しいらしい

辛島:なんか超常現象が好きらしい

筒木島:なんか超常現象が関わる事件に遭遇するらしい

喫茶店:常連が3人と奥の一角に占い師が居るらしい。閑古鳥が泣いているのをマスターは気にしている。気にしているのは1人。かわいそ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。