阿鼻叫喚
徐々に室内気温が低下していく教室に閉じ込められてしまった一行。このままでは凍死してしまうぞ!どうする、どうするんだ!!!!
第3章
「えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええっ!!!!!!!!!!」と、一同銀魂のように。
「タナたそそれほんまに言うてんの!?」(ケンティグロス?)
「ほんとだよぉ」
「みんな、僕は今すごく弱音を吐きたい気分だよ。」
「いちいち報告せんでええ」
「こじ開けるんしかないんじゃね?じゃね?」
「どうやってよフォレスト」
「そりゃ、体当たりで」
「ほんまに言うてんの!?」
「それなんやねん」
「ケンティグロス」
「まじでなんやねん」
「そんなことより!ここを出る方法を見つけないと!!!」
「なんか窓を壊せるものはないか!?」
カオス。まさに絵に描いたような地獄絵図だった。人は突然密室空間に閉じ込められたらこうも発狂するものなんだなと改めて実感した。そして深く反省し、自分を戒めた。
とにかく、私たちは閉じ込められている。まずい。どうにかしなくては。
何か脱出に使えるものはないか、あたりを見渡した。消化器があった。珍しい。
「あ!消化器あんじゃん!」「オラオラオラぁ!!!!!!!」
森特攻隊長は、消化器で引き戸のガラス部分を例によって必死に叩き始めた。
「はあ、はあ、なんだこれ、全然割れねえんだけど」
「傷ひとつついてないなんて、、」
「てかなんか寒くね?」
「確かに」
「君たち、そこをどけ!!!」
怒号が後方から聞こえて来たと思い振り向くと、机の両足を脇に挟み、ひなかない引き戸に向かって猪突猛進していく村上の姿を私たちは捉えた。
「うぉおおおおおお!!!!!!!!!!!うぐっはっっっ、、」「むらかみ〜!!!!(一同)」彼の勇姿はかなしきかな、眩しいものとは言えなかった。彼は端っこでうずくまっていた。
しかし、轟音は引き続きなっている。鳴り止まない。それに伴い、教室内の気温は未だ下がり続けており、だんだん、この建物自体が揺れ始めているのを感じた。
「なんか揺れてね?、、てかもううち結構限界よろしくかも、、」「絶望的だ、、、、」
「なあ、て、てか、今何度なんだよ、、、寒すぎんだろ、、、おい、おいおい、ヘイ、タナちん、今何度か教えて」
Siriみたいに聞くな。彼の近くには温度計があるけども。
「、、、、8度」
ありがとう。tasiri。
「寒い、もう、ダメかもしれん」「寒さで死ぬのはダサすぎる、、」「さむいので死ぬなんてやだ」「、、、、、」「本当にまずいね、不味すぎるよ、ありえない」
「助けて、、誰か、、」その瞬間、私の横で三浦さんが床に倒れた。「三浦さん!?」
「ダメだ!寝たらダメだ!寝るんじゃない!本当に終わるぞ!」
村上が強く彼女に声がけするも、反応を示さない。
「どうしてこんなことに、、」「三浦さん!しっかりして!」
彼女の肌に触れると、その体温は生体反応が接触によって確認できるか出来ないかの瀬戸際のものだった。ダメだ。かくいう私も、限界に近い。
「おっと、君もしっかりしたまえ!」
「あ、、ありがと、」
「三浦!起きろ!起きろ!俺を置いて逝くな!」
気付かぬうちに私は村上に体を支えられていた。余談だが、有象無象たちが想像する展開を、私は保証したくはない。例え天地がひっくり返っても、インドの名物がきゅうりになろうと、歴史が改竄されようと、私はその期待には決して応えない。ゼッタイに。まじで。
「みんな、がんばれ」
「村上も、がんばれ」
「君も、踏ん張るんだ。」
「三浦、起きろって!まじで!」
「田中くん、正気に戻ってくれ!」
「しょうきってなあに?」
「ほんと寒い、、オエッ、、気持ちわる。、、こいつ、、、急死に一生というのに。。」
「ああ、神の御慈悲を」
すると今度はこの教室全体が揺れ始め、ありとあらゆる物体が倒れに倒れ、私たちは立ったままでいることすら困難になっていた。天井と壁にヒビが入り、今にもこの教室だけ崩れると言わんばかりの状況だった。
「うわあああああああああああああああああああああああああああ!!!まじでやばい泣いていい?いいよね?いいよね?泣くよ?ほんとうに泣くよ!?あ〜あ、うち、ここで死ぬんだ。そもそもこんなよくわからんところに入ったことがやばかったんだ。いけないことだったんだ。てかさ、実はここは地獄で、うちらもう全員死んでたりして、、、これは閻魔大王様がうちらに見せてる幻覚であり試練なんじゃ!?きゃーーーー!!もう無理〜〜てか私なんか悪いことした?腹いたくてトイレに2日こもってた時は神様ごめんなさいって念じてたら治ったけど、これはどうにもならないでしょ〜〜〜!!!!!うわ〜ん!!誰か助けて!!!!!」
私以外にも腹痛の時神頼みする奴いたんだ。
「うっるっせえ!!そんな喚くな!!!」
「みんな!落ち着くんだ!阿鼻叫喚の魔法陣を作るのはよくない!」
「おい、ベル、お前は大丈夫なのかよ」
「え、うん大丈夫じゃない。てかドア逆にh」
「みんな!!!窓から離れろ!!!!!!」
その怒号とほぼ同時に、一瞬にして教室全体の窓ガラスが粉々に割れた。私たちは体を寄せ合いながら、床に倒れ込んでしまった。その間にもそれはそれは大きな揺れのおかげで、床にもひびが大きく入っているのがわかった。もうダメなのか、私たちは。
「ドアに体を近づけろ!頭を守れ!」
私たちは必死になって自分たちの身を守るために努力した。わかりきった結果を受け入れたくなかったために。ああ、もうだめなのか、私たちは。
スパっっっ!!!!!!!
「ウオォ!!」(一同)
私たちが背にしていた引き戸がいきなり開いた。
そのおかげで私たちは床に思いっきり尻餅をついた。そして、何が起こったのか理解が追いつかなかった。まるで競りに出されたマグロの陳列のように床に横たわってしまった私たちの目の前に現れたのは、水色の優しい光だった。それはそれは、優しかった。
「この扉、黒板側に引くんだよ?」




