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ヴァニタス  作者: 都築
8/22

呪い②

小学生の時はよくインフルエンザ、嘔吐下痢症にかかることが多かった。

小学3〜6年までは毎年冬にかかっていたような記憶がある。

それより気になっていたことがあった。

私はいつからか何を食べてもすぐお腹を痛くしたり、急に下すことが多かった。

それは周囲の友達と比較してもかなり顕著だった。

いつかの冬、インフルエンザの診察のついでに母が病院の先生に「この子よくお腹下したり、お腹痛くして長時間トイレに篭ったりするんですけど、病気なんでしょうか?」と相談したことがあった。

それは私も良く覚えていて、ピンク色の建物にエアコンから出る暖房の空調で白いカーテンが揺れていたような気がする。

「それは多分、過敏性大腸炎だと思いますね。」と告げた。

母もよく分かっておらず詳細を聞くとストレスによる胃腸炎のようなもので、私のような子供が発症するのはかなり珍しいとのことだった。

私は「ちゃんとしなきゃ」「しっかりしなきゃ」「いい子でいなきゃ」「誰にも迷惑かけたくない」と言った自分と誰かにかけられた呪いでいつの間にかがんじがらめになっていたらしい。

母も驚いたようで「それって治るんでしょうか?」と聞くと、「まぁストレスなのでなんとも言えないですね・・・」とのことだった。


私は大人にも呪いをかけられていたけど、同級生にも無意識にかけられていたことがあった。

そこまで親しくない子に突然話したいことがあると言われ、「誰にも話してないんだけど実は転校することになって」と告げられて、本当に引越し前日まで私と担任の先生以外知らなかったり、「〇〇くんのこと好きなんだけど協力してくれる?」言われたり、なぜか他人から謎の信頼を得ていることが多かった。


嫌いでも好きでもない人に頼られていたけど、義務感と生真面目だった私は断ることはできなかったから結局それも「いい人」になって受け入れていた。

必要とされているならまだ私は価値がある、生きていて良いんだ、許されてるんだって思えたから。

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