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ヴァニタス  作者: 都築
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同情と意思

私は幼い時の経験からは1人ぼっちは寂しい、可哀想という認識があった。

同じクラスに軽音部では活発なのにクラス内では親しい人がいないから物静かな男子がいた。

その人が面白くて優しい人だと知っていたから、暇な時は声をかけて音楽の話をすることがよくあった。

隣のクラスにはモバゲーで仲良くなったバスケ部の男子がいた。

その人は優しくて物腰柔らかくていい人だと知っていた。

だからバスケがやっていたことやその人がBUMP OF CHIKENが好きだからそういう話題をしたこともあった。

私は内気だけど仲良くなれればそれなりに会話もするし、明るく振る舞うことだってある。

正直女子と話すよりも男子と話す方が楽だったりもする。

そのせいか内気だと思われている私が親しげに異性と話すのが物珍しかったのか、最初はクラスメイトの男子、次に隣のクラスの男子と付き合っているんじゃないかと噂されているようだった。

私はそんなこともつゆ知らず友達から風の噂で聞いた。そんなことどうでも良かった。

男女の関係よりも私が私でいて、それをよく思ってくれる人がいてくれるだけで良かったから。


女子と話すのが昔から苦手だった。気づきはしなかったけど、歳を重ねるごとに沢山の違和感に襲われることが増えた。

まず母に「〇〇してあげたのに、どうしてあんたは」と言われた時。私は一度もそれをやってほしいと頼んだことはない。母の意思で勝手にやっておいて、どうして恩着せがましくそんなことを言われないといけないんだろう。勝手にやっておいて見返りを求めるのはどうなんだろうと思った。

次に女子と話している時とにかく共感だけが求められているような感覚があった。

ある友人が「お腹が痛い〜〜〜!」ということがあった。「大丈夫?」と声をかけると、「う〜〜ん、大丈夫じゃないけど、大丈夫!」と言われた。

「本当にお腹痛かったら保健室行くとか、生理痛なら薬飲むとかした方がいいんじゃない?」と言ってひとまず落ち着いた。

その5分後くらいに「お腹が痛い!!!」との訴えがある。私としては痛さの程度はわからないし、理由もわかない。

共感して解決するわけでもないし、共感して何になるかわかりもしないからとりあえず「大丈夫?」と返す。「大丈夫!」と返ってくる。

この不毛なやり取りの結末はなんなんだろうと思ったし、時間と工数が無駄で仕方ないなと思った。

私はこれに気づいてから女子と話すのが苦手になってしまった。

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