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ヴァニタス  作者: 都築
16/23

上部だけで

高校2年生になっても私を取り巻く環境は変わらないようだった。

高校1年生の時しんどかったことを3学期末に勇気を出して担任の先生に伝えたが、あまり真剣に取り持ってくれなかったようでサッカー部男子からの嫌がらせに近い何かはふと思い出した時に起こることがあった。

ただ唯一良かったのは私が似ていると言われた男子が違うクラスになったことだけだった。


私は顔も可愛くないし頭も良くないし愛想もいいわけでもない。友達が多いわけでもない。

でも好きなこと(音楽)に時間をかけて他の誰よりも、この学校中でも1番詳しいくらいの自信だけはあった。誇りだけがあった。

テレビで流行っている音楽がつまらないわけではなくて、誰かが決めた、世間が決めたいいねじゃなくて、自分の感性でちゃんと好きだと思えることを見出せることだけは誇りだった。

それを誰かに知ってもらったわけではないから、何も変わってはいない。


高校生になってから球技大会というイベントが発生するようになった。

私はお世辞にも運動ができそうと思われるような容姿ではなく、痩せ型、色白、細身、猫背だった。

ただ小学6年生にミニバス、中学では少しだけバスケをやっていたこともあり、球技大会はバスケに参加するように立候補していた。

というのもバレーボールは3回という枠の中で協力しなければならないことが苦痛で、サッカーは小学生の頃ちゃんと参加していたのにちゃんとしなさい!と担任の先生に叱られたこと、嫌がらせをしてくる男子がサッカー部であることでサッカーという何かに触れることをとにかく毛嫌いしていた。

球技大会ではボールが回ってきてしまうことがあり、私はドリブルもシュートもそこそこできたから、そこでクラスメイトが驚いていることが愉快だった。見下していた人間が何かをできるというのは悔しくて面白くてたまらないだろうなと思った。

私に嫌がらせをしていた男子の取り巻きが、外野から頑張れ〜!と応援してくることに吐き気を覚えることがあった。

結局この人たちは私の見た目で、本質を見ずに嫌がらせをしていたんだなと思うと酷くくだらなくて、この人たちが全員死んじゃえばいいのになって思った。

球技大会を境に嫌がらせは減っていった。結局私の見た目が、性格が悪かっただけの話だったのかと思った。

そこから私はいまだに自分の容姿に自信が持てない。

SNSで仲良くなった人と直接会うことになっても、私の性格をいくらよく評価してくれても、私に会えばいらないと切り捨てられるんだろうなと思う。


高校2年生では修学旅行があった。小学生の時みたいに仲良くない人と班になって、とてもくだらないイベントだった。

修学旅行の学年説明で栞が配布された。栞には1学年分班ごとに生徒の名前が綴られていた。

いろんな人の名前を見ていたとき、隣のクラスから「〇〇って苗字のやつ誰?」という声が聞こえた。

こっそりその人を見るとサッカー部とは別の人で純粋に興味本位だったようだが、またあの時と同じことが繰り返されるんじゃないかとビクビクしていた。

でもその人の友達が「しらね、誰でもよくない?」と返してくれたことで、特に何も起こらず平穏に過ごせた。

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