EPISODE:02「異世界で人生のやり直し」
僕は、しっかりと頭を下げて苦笑いしながら小さめの声で返事させてもらう。
「申し訳ございませんでした。大変失礼しました。僕がいた世界では18歳になるまでは電話子どもといいますか大人ではないんです。あの、僕はこれからどうさせてもらったら、よろしいのでしょうか?マリカ様。」
マリカ様は1台のスマートフォンのような機械を渡してから簡単に説明してもらえる。
「そっちの世界とこっちの世界では、そう言う基準ががちがうなら仕方ないのかな。ほな、これ渡しておくから。これで冒険に必要な解説書ソフトやステータスが確認できるソフトが収録されている。どういう冒険をするのかは良太次第だから。うちからは特に何も言わない。ちなみにソーラー式だから外にいたら自然と充電されるからバッテリーなくなっても慌てたらアカンで!それじゃあと最低限必要な金貨を袋で渡しておくから、まぁ、新しい世界で自分が思うようにやり直してみたら良いんじゃない?」
僕はマリカ様から金貨の入った袋を受け取らせてもらいながらこう言う。
「ありがとうございます。全くよく分かりませんが、自分なりにさせてもらいたいと思います」
それからは、マリカ様の住んでいるお城を出てすぐのところに小さな街があったので来て少し歩いてみることにした。
しかしこの街では都会なのは良いのだが、一人で歩いている人がおらず少なくとも2人・3人集まって行動されている様子を見てなんだかさみしい気持ちになってしまい、とりあえず冒険解説書を人通りが少ないところに移動してから確認してみる。
『そっか、この地区では人口が多い上にパーティ(仲間)で行動することが多いのか。1人で冒険は、なんだか寂しすぎるし、、でも声かけしてもどこかのパーティに所属しているだろうな。これは困ったな‥』
僕は小さくそうつぶやいてから違う地区に移動することも検討した。
だがしかし解説書には移動手段については記されていない上に必要な交通費すら分からない状況にある。
そしてこの時、僕はマリカ様の事を思ってしまい、もし自分のパーティに加入してもらうことができれば世界は違えど、自分の人生は逆転出来るのではないかと考えてしまい、小さくつぶやく。
『よし、ここは異世界なわけで、僕は一度死んでるんだから最悪2回死ぬことになっても怖くない。マリカ様を僕のパーティメンバーに入ってもらえるか交渉させてもらおう」
そうつぶやいてから僕はマリカ様のお城まで戻っていって2度ほどノックさせてもらう。
すると少しテンション低めの声で、お城のドアが開いていたのだがこの際、マリカ様は巻かれていたバスタオルが完全に下に落下してしまい本人は、それに気づかずに返事をしてくれる。
「‥誰、こんな時にノックしてくるなんて。って良太、何かあったん?戻ってきちゃって‥ 」
「こんな時にノックしてくるなんて。って良太、何かあったん戻ってきてしまって」