EPISODE:11「相性の悪さ」
僕は、マリカ様の意見を確認した上で放置できないと判断し、その女性冒険者の背中を軽く叩いてみることにした。
そして再度、マリカ様に返事させてもらってから大きめの声で声かけをしてみる。
「分かりました。ありがとうございます。すいませーん!倒れておられるようですが大丈夫ですか?」
ここでその女性冒険者は、ゆっくりと目を覚ましてから起き上がっていく。
近くの地面に落下していたピンクのヘルメットをしっかり装着してから、すごくしんどそうな表情をしながら僕に返事をしてくれる。
「あっ、すいません。ちょっと1人で敵のダーク・タランチュラと戦っていたんだけど、トドメの一撃を食らってしまって倒れて動けなくなってたの。ちなみにあたしはメイ、君は?」
僕は名前を尋ねられたので簡単に自己紹介を済ませ、マリカ様のことも一緒に紹介する。
「そうですね。はじめまして、僕は良太と言います。左におられる方は女神様のマリカ様です。」
するとマリカ様とメイさんが怒った表情になって、メイさんがマリカ様の方を見ながら僕に堂々とこう言ってくる。
「あっ、知ってる。おっぱい見るといつも腹立つの。あたしなんて自分で毎日おっぱい揉んでるけどなかなか大きくならなくてBしかないんだよ。なのにマリカはHもあるんだよ!悩みを聞いてほしくてお城まで訪問しても毎回早く帰るように言ってくるの。」
そしてマリカ様がメイさんにイライラした表情をしながら僕にこう言ってくる。
「ちょっと良太聞いて。うちは女神で相談事とか他の冒険者からもあったりするから真剣な悩みならある程度聞くよ。でもメイの場合、毎回どうしたらおっぱいが大きくなるのですか?ばっかり聞いてくるから、そんなの知らないって思ってるわけ。だから相手にしないねん。だってメイはまだ10歳だから大きくなる可能性は十分あるのに、これやねんで!うちは今のメイのままパーティメンバーに加入させるのは正直、不快。良太と2人で十分だし」
ここでメイさんが、マリカ様に大きな声で直接ハッキリと言ってしまう。
「あたしも良太さんとならパーティメンバーに入りたいけどマリカと一緒なのはやだね。だってあたしは真剣におっぱいについて悩んでるんだから」
僕はメイさんとマリカ様の言い合いに挟まれている状態で困っていた。
それでも2人に苦笑いしながらも僕は自分の考えを話していく。
「マリカ様の言いたいことも、メイさんの言いたいこともわかります。僕は思うのですがメイさんは胸が小さくて困っているみたいですね。まぁ、この世界では男性少数化が進んでいますから何とも言えない部分もあるかもしれません。ですが僕がいた世界の男性には胸が小さい人が好きっていう方もいます。ですからそこまで落ち込んだり悩む必要はないと思います。」
すると軽くうなづいてからメイさんが僕に質問をしてくる。
「そうなんだ。良太さんはおっぱいが大きい女と小さい女どちらがすき?なんだったら目の前で見せてもいいよ。」
なぜかマリカ様も僕の方をじっと注目してくる。
それに対して僕は少し困った表情をしながらも自分の意見をしっかりと伝えていく。
「見せなくて大丈夫ですよ。僕は正直なところ大きいのも小さいのも好きです。なぜならどちらも同じくらいの良さがあると思っているからです!」