EPISODE:10 「武器の購入」
異世界であるベツハナイム王国に来て2日目、ついに女神様であるマリカ様がパーティメンバーに加入してもらえた。
そのため一緒に冒険することが出来るように2人で僕の武器を買いに近くの街にある武器屋に出かけている。
そしてマリカ様が言っていた【あの武器】と言うのがまさかのエロスターであることが判明した。
少しなんだか気まずい感じになっていた。
しかし非常に強い武器には変わりないため僕はマリカ様に苦笑いしながら小さな声で尋ねてみる。
「金貨2枚で他の武器みたいに9枚や10枚必要なわけではありませんから購入した方が良いですか?」
マリカ様は金貨が安い理由について恥ずかしそうにしながらも答えてくれる。
「エロスターが安い理由というのがあるねん。この世界は男性少数化というものが進んでるの。女性冒険者が約8.5割いるのに対して男性冒険者は約1.5割ほどしかいないねん。1人ではこの武器は何の役にも立たないから激安で販売されるわけ。」
思わね理由に僕はものすごく驚きが止まらないまま、マリカ様は説明を続ける。
「一応、言っておくけど1人えっちではパワーの充電は全くできへんから。まぁ、良太の場合うちがいるから購入しても良いと思う。うちは一応所持してるから。あとは、良太は光属性だから光鉄砲、9枚金貨必要だけどあったほうが絶対有利だと思うから。」
僕はマリカ様の意見を聞いた上でその2点を購入することに決めた。
少し笑顔でマリカ様にお礼の言葉を伝える。
「そうなんですね。すごく勉強になります。それではこの2点を買わせてもらいますね!教えてくださってありがとうございます。」
するとマリカ様は、真剣な表情で少し腕組みをしながらこう言ってくれる。
「ぜんぜん良いって。冒険はレベルの低い高い関係なく、最初が重要って言うからなぁ。武器の選択も簡単ではないし。武器があってないだけでも勝てる戦いを落としてしまうことに繋がりかねませんからね。」
その後武器屋で必要な金貨を支払ってから店の外に出て飲食店が少しあったりして5分ほど2人で一緒に歩いていた。
突然周りに何もなくて細くて狭い道を僕は発見し、そこで1人、やや背が低めの女性冒険者が倒れていたのを見つける。
思わず僕は生きているのか不安になり大きな声で呼びかける。
「すいません!大丈夫ですかー!?」
しかしその女性冒険者に応答はなく、ただ息はしているのが確認出来たためマリカ様に相談する。
「これってマリカ様、軽く背中をさするか叩くかしたほうが良いんでしょうか?」
マリカ様は落ち着いた感じで返事をしてくれる。
「良太がパーティメンバーのリーダーだから、どうするかは良太に任せるわ。これも冒険で必要になってくる判断力の部分だから。」
僕は、マリカ様の意見を確認した上で放置できないと判断し、その女性冒険者の背中を軽く叩いてみることにした。