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【完結済】あなたが、ユリを望むなら。  作者: Ni:
あなたが、ユリを望むなら。1

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フラッグ・スタンズ!

「よ〜し、じゃあ手早くやっていこうか」


 浅田さんは到着するとすぐに、マユさんと打ち合わせを始めた。

 しかし流石は、カメラマンチーム。

 二人が打ち合わせをしている間にも、必要な機材を取り出し組み立て作業を行なっている。

 そんな中、真希さんが重そうなアルミのケースを両手で持ちながら、近寄ってくる。


「浅田さんとマユさんが外で撮影している間に、モッチーと私は中で準備だね!」

「はい、そうですね。物撮りを先に終わらせたいみたいです」

「あぁ〜機材、邪魔なるもんね。開店までにセットをバラす感じで?」

「です。急な予約が入っちゃったみたいです」


 うんうん、と真希さんが頷く。

 入社して二年とは思えないほど、頼り甲斐がある人だ。

 というか、貫禄?


「真希さん。カクテルの撮影、バック紙とか使うんですか?」

「使う使う。あとで、切り抜きするし。カクテルの色を出すにはちゃんとした照明が必要で、グラスの向こうが透けてもいいように白バックも使わないと……トレペもいるかな〜」


 カウンターを眺めながら、考える素振りを見せる真希さん。

 やがてラップのような物を取り出し、カウンターテーブルの上に敷き始めた。


「傷防止ですか?」

「そだよー。撮影で傷つけたら弁償とかなっちゃうし、商品とかだと買取とかなっちゃう。機材ってぶつけやすいから、けっこう怖いんだよ!」


 そう言われると、いきなり緊張感が高まる。


「私、めっちゃ高いグラス割ったことあるし!」


 それはそれで、別の意味で緊張してきた。


「真希さん、それ盛大なフラグ……」

「やめてよー、そういうのー。もれなく回収しちゃうー」

「それはほんとに、やめてください」


 私たちのせいでマユさんが頭をさげる、そんな最悪の未来予想図が浮かんでしまった。

 マユさんにそんな迷惑だけは、かけたくないのだ。

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