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Chap.8

 翌朝五時少し前。ロバートの書斎に降り立って身体を起こした由に、茶色とブルーの塊が飛びついてきた。

「うわっ」

 よろけながらも由はなんとか踏みとどまった。

「…ソフィ。久しぶりだね」

 勿忘草色のワンピースを着た少女は、由の首にぶら下がったまま離れようとしない。

「ちょっと、ソフィ…。ここに居ちゃ危ないよ」

 絵の真前に突っ立っているわけにはいかないのだ。それでもソフィは動こうとしない。由は仕方なく、小柄で華奢ながら、覚えているよりは背も伸びて重くなったソフィをよいしょと引きずるようにして絵の前を離れた。

 ロバートの机のそばまで来て足を止めると、ソフィはようやく顔を上げた。薄いそばかすがいくつか浮いている日に焼けた顔から、賢そうなグレイの瞳が由を見上げている。

「おかえり、由」

「ただいま、ソフィ」

 いつもしていた挨拶が済むと。ソフィは一歩後ろに下がり、気難しそうに腕組みをしてみせた。

「一言も言わないでいなくなるなんて」

「…ごめん」

「すごく悲しかったんだから」

 もう一度ごめんと言いかけた由をソフィが遮った。

「でも由もすごく悲しかったの知ってるから。だから特別に許してあげる」

 精一杯生意気な態度をとりながら、灰色の目は今にも雨降りになりそうだった。

 由は微笑んで心から言った。

「…ありがとう」

 そこへ結花がふわりと現れた。ソフィがパッと笑顔になって駆け寄る。

「結花!」

「ソフィ!焼けたね。楽しかった?」

「うん、とっても!毎日すごいいいお天気だったの。湖でいっぱいボートに乗った」

 ハグを解くと、ソフィがふふっと笑って、わざとらしい内緒声で言った。

「カイル、もう来てるよ」

「え、ほんと」 

 結花は嬉しそうに言って、急いで隅の棚から自分の靴を出して履くと、足早に部屋を出ていった。

 カイルはドゥマ魔法大学の学生で、実習も兼ねて週に何回かエレインの仕事を手伝いに来ている。物静かで生真面目な、男の由も惚れ惚れするようなイケメンで、結花が密かに、しかしかなり熱烈に片思いをしていたのを由は思い出した。 

 進展はいかに?

 ソフィに目で問いかけると、ソフィは片目をつぶって思わせぶりに頷いてみせた。

 由はへえーと目を丸くした。

「もしかして、付き合ってるの?」

「そう。結花の誕生日の少し前からね」

 結花の誕生日は十二月だ。

「へええー」

 やっぱり結花からコクハクってやつをしたんだろうか…。

「突然愛の告白をされて、結花はびっくり仰天。失神しかけてカイルが大慌てしたみたい」

「えっ。カイルがコクハクしたの?結花じゃなくて?」

 そこへ今度は雅代が絵から飛び出してきた。

「あらソフィ、おいしそうな色に焼けたわね。トーストみたい。エレイン達は?」

「表。もう車に荷物積んでる」

「了解。じゃ、行きましょ」

「いいなあ。私もフランス行ってみたい」

 ソフィはジャンの手紙のことを知らされていない。三人がロバートの仕事のサポートとしてフランスに行くのだと聞かされている。雅代が微笑んで、

「いつか仕事じゃない時に一緒に行きましょう。その時は、そうねえ、少なくとも一週間は欲しいわね。フランスには素敵なところがいっぱいあるわ…」

 ソフィの肩を抱いて歩き出す。

 由も慌てて靴を履いて、二人に続いて書斎を出た。ロバートに石のことを話さなくちゃ。

 玄関から外に出て、夏の朝らしいひんやりした爽やかな空気を胸いっぱい吸い込む。あたりの木々と、野生のラベンダーと、エレインの薬草畑の香り。小鳥たちがあちこちで朝の歌を歌っている。

 少し離れたところにカステラが停まっていた。リース家の小さな直方体めいたたまご色と茶色の、小型のヴァンのような車だ。どう見てもおいしそうなカステラの色なので、由と結花はこの車をいつも「カステラ」と呼んでいた。

「おはよう!」

 ロバートがにこにこして手をあげる。そばにエレインはいない。チャンスだ!由は小走りに雅代とソフィを追い越して、ロバートに近づいた。

「ロバート、石は持っていかないの?」

 小声で訊くと、ロバートはちょっと慌てたようにシッと言った。

「そのことは後で」

 由は構わず追及した。

「持っていくよね?」

 ロバートは微かに頷いた。そこへ、庭の方からエレインが出てきた。

「おはよう!汽車で食べられるようにサンドウィッチを作ったわ。朝ごはんまだでしょ?足りるといいけど」

「エレインには内緒に」

 口の端からロバートが早口で囁いて、由は目で頷いてみせた。  

 エレインが包みを掲げてみせて、由にウィンクする。

「ちゃあんと胡瓜のピクルスも入れといたわ」

「ありがとう、あれ大好きなんだ」

 由はあの川岸の小屋での夜食を思い出した。

 暖炉の藤色の火。汗に濡れた額を冷やしてくれた夜風。立ち上がって火加減を調節しに暖炉に向かうジャンの揺れる影。サンドウィッチの中身はトマトとレタスとローストポーク。

 

 駅のプラットフォームは結構広くて大きくて、いかにも村の駅というような小さな場所をなんとなく思い描いていた由は驚いた。思っていたより人もいる。

「…ロバート、石のことだけど」

 ヒソヒソ言うと、ロバートは首を振って低い声で言った。

「そのことは海の上で話そう。個室をとってあるし、ダンも揃ったところで話したいから」

「…了解」

 訊かずにはいられなかった。うんと声をひそめる。

「そんなに危ない秘密なの?これって」

 ロバートは苦笑してみせた。

「まあ、念には念をというところかな。手紙の出どころがわからない以上、気をつけるに越したことはないということだよ」

 手紙の出どころ…。

「ジャンから来たとは思わないの?」

 低い声でそっと訊くと、ロバートは優しい目をした。

「その可能性が全くないとは、僕は思っていないよ」

「でも、希望が持てると言うには少なすぎるって言いたいんでしょ」

「…それでも希望を持ってしまうのが、家族であり友人だよ。当然のことだ」

 胸の奥がぐっとなって、思わず目が潤んでしまった。そんな由を見て、ロバートは小さく微笑んで続けた。

「エレインだって同じだよ。ただ…希望が失望に終わるのは辛いからね」

 目をしばたたかせながら由は黙って頷いた。

「なんだかお腹が空いちゃった」

 寄ってきた結花が言った。

「汽車が来るまでまだ時間があるんでしょ?ここでサンドウィッチ食べちゃだめ?」

 ロバートが腕時計を見る。

「いいけど、それじゃ随分急いで食べなきゃいけないことになるよ」

「汽車の中で食べる方が快適よ。ちゃんとテーブルもあるし」

 雅代が言う。

「雅代伯母さん、乗ったことあるの?」

「もちろん。最近はあまり乗ってないけど。今もあの車内販売のレモネードあるかしら」

「あるよ。あれはおいしいよね」

「おいしいわよね!あれ、どうやって作るのかしらと思って、日本でも真似してみようとしたんだけど、同じ味にならないのよね。やっぱりレモンが違うんでしょうね」

「あれはリ・サリーのレモンだと思うよ。あそこは果物で有名だからね」

「行ってみたいな。カイルが、あそこは楽園パラダイスだって言ってた」

 三人が口々に言うのを聞きながら、ふと気づいたことがあって、由は心の中でうーんと唸った。

 そういえば、僕はこの世界のことをあんまり知らないんだな…。リ・サリーのことなんて、確か地図の下の方にある島国だったかなというくらいで、あとはなんにも知らない。

 ジャンと実験やってるだけで十分楽しかったから、他のことに気が向かなかった。

 他のことなんか、ちっとも必要じゃなかったんだ。

 

 汽車は、まるで幻の汽車か何かのように静かに駅にやってきた。すうーっと滑るように入ってきて緩やかに速度を落とし、そしてぴたりと停まった白い車体をあっけに取られて眺めている由と結花を見て、雅代がくすくす笑った。

「静かでびっくりした?」

「…うん」

「中に入ったらもっとびっくりするわよ」

 その通りだった。

 薄緑のふかふかの絨毯が敷き詰められた車内には、座席の代わりにライトベージュのゆったりとしたひとり掛けソファが広い通路を挟んで二つずつ並んでいる。外からは窓が全くないように見えたのに、サイドの上半分と天井が全てガラス張りだ。

 示されるままに、結花と並んで腰を下ろした由は、ソファの座り心地のよさにまたびっくりした。前後の席とも十分な間隔が空いていて、それぞれのソファの前には一本脚の小さな銀色の丸テーブルが立っている。

「はい、サンドウィッチ。車内販売のカートが来たら、飲み物を買いましょ」

 後ろの席から雅代がサンドウィッチの包みを二人に渡してくれる。

「ありがとう。これ、座席回転させられないの?」

「できないようよ。まあ、景色でも見てゆっくりしなさい。眠ってもいいわ。ちゃんと起こしてあげるから」

 そんなことを話しているうちに、急に窓の外の景色がふうっと流れたので、由はぎょっとした。汽車が動き出したのだ。騒音も振動もないので、まるで景色だけが動いているように見える。

「すっごいね…」

 さっきまでお腹が空いたと言っていた結花も、サンドウィッチの包みはそっちのけで辺りを見回している。

「こういうの見るとさ、」

 声をひそめる。

「ここってほんとに違う世界なんだなあって実感するよね。魔法のある世界なんだ、って」

「ほんとほんと」

 しばらくリクライニングだのソファの下の部分にある収納場所だのを試してみてから、さて、とサンドウィッチの包みに手を伸ばしかけたところで、車内販売のカートがやってきた。

 銀色のカートだ。人はいない。カートだけが静かにやってくる。ピカピカ光るガラスの瓶に入った何種類かの飲み物や、香ばしい匂いをさせているパンやサンドウィッチが並べられている。

 見るとその後ろからもう一つ銀色のカートがゆるゆるとついてきていて、そちらにはお菓子やケーキ、コーヒーや紅茶やホットチョコレートなどがあるようだ。欲しい人は立っていって、各自でポットからカートの上に並んでいる真っ白なマグカップに飲み物を注いでいる。もちろんその間カートは行儀よく停まって待っている。

 結花と由は一つ目のカートからレモネードの瓶を取った。瓶はひんやりと気持ちよく冷たいのに、よく乾いていて水滴の気配すらない。不思議な感覚だ。

 結花が後ろの席の雅代を振り返る。

「これ、お金は?」

「テーブルの脚の真ん中あたりにお金を入れるところがあるでしょ。そこに入れるの。はい」

 渡された銀色の硬貨をスリットに入れる。

「そうそう、手を洗うのを忘れないで」

 雅代が後ろから二人の間に顔を突き出す。

「手を洗う?」

「テーブルの下に手を入れて。グリーンの光が出てくるでしょ…そうそう。消えるまでそのままにして。…はいおしまい。Bon appetit!」

「へえーえ」

「すごーい…」

 きれいになったらしい両手を矯めつ眇めつ眺めた後、ガサガサとサンドウィッチの包みを開く。懐かしい、おいしそうな匂いが漂う。エレインの言葉通り、ちゃんといくつかの小さなきゅうりのピクルスが、サンドウィッチとは別の透明なパックに入っていた。

 サンドウィッチには、やっぱりレタスやトマトと一緒にローストポークが挟んであった——あの夜と同じように。

「これ大好き。エレインのローストポーク。いただきまーす」

 結花が嬉々としてかぶりつく。

「…いただきます」

 そっと手にとり、懐かしい匂いを吸い込んでから、由もかぶりついた。

 おいしくて懐かしくて、眩暈がした。

 きゅうりのピクルスをつまんで齧る。

 もうなんだか泣き出しそうで、由は必死に他の話題を探した。

 中三の男子がこんなところでサンドウィッチをパクつきながらめそめそするわけにはいかない。…あ、そうだ。

「結花、」

 口の中のものを急いで飲み込んでからニヤリとして話しかける。

「カイルと付き合ってるんだって?」

 もぐもぐとやりながら結花はちょっと頬を染めて、うんうんと頷いた。

「しかもカイルからコクハクしてきたんだって?」

 うんうん。

「んで、結花が失神しかけて、カイルが大慌てだったんだって?」

 縦に振りたいのか横に振りたいのか、動きが混ざって首がくねくねしている。顔が赤い。

「…早く食べちゃって教えてよ」

 ちょっと待って、と結花が人差し指を立てる。まだもぐもぐしている。

「…焦らしてんの?後学のためにも色々教えて欲しいんだけど」

「焦らしてなんかないよ」

 ようやくサンドウィッチを飲み込んで結花は言い、レモネードを一口飲んだ。

「じゃ、教えてよ。なんて言われたの?っていうか、どうしてコクハクされたの?」

「どうしてって…。そんなの私だってわかんないよ」

 赤い顔で結花はひそひそ言った。

「カイルが私のことを、その、好きだったなんて、私だって全然、これっぽっちも知らなかったんだもの。完全に片想いだと思ってたし。そしたら…」

「そしたら?」

 思わず真剣な顔をして身を乗り出す。結花の顔がさらに赤くなった。

「…いきなり言われてびっくりしてドキドキしてクラクラして息ができなくなってパニックになっちゃったの!それだけ!一生の不覚!せっかく、せっかく、カイルが…、最高にロマンティックなシーンになったはずだったのにっ」

 ひそひそ声で叫び、完熟トマトのようになった顔を両手で覆って身悶えしている。由は目を丸くした。一体何があったんだ。訊いていいものなのかどうか、ちょっとためらいながら、

「パニックになったって…つまり?」

 結花が呻き声を上げた。

「…パニックアタック。息がちゃんとできなくなって大騒ぎになっちゃったの。ほんっとにもう…信じられない…あんな…恥ずかしすぎる…」

 ううーとまた呻いてさらに深く顔を両手に埋める。

 パニックアタックの経験のない身には想像もつかないが、何かよっぽどひどいシーンが展開されたらしいことだけはよくわかった。

「……でもまあ、よかったじゃん。ハッピーエンドで。おめでとう」

「…うん。ありがと」

 詳しいことは、また絶対に日を改めて聞かせてもらおう、と完熟トマトの横顔を見ながら由は心に決めた。こんな静かな汽車の中でわあわあ言うのはちょっと憚られるから今は諦めるとしても、是非何があったのか聞かなくては。非常に、非常に興味がある。

 やがて大きく息をついて、結花はまだうっすら赤い顔を上げた。

「でね、大学は、ドゥマに行こうと思ってるの」

「えっ」

 世界がひっくり返ったような気がした。手にしたサンドウィッチを取り落としそうになる。

「…お母さんたちには?」

「まだ言ってないよ、もちろん」

「…でも言うんでしょ?」

「多分」

「多分、って……、ああ…それでイギリスの大学…」

「そう。ドゥマにつながる『扉』のあるB市の大学。最悪の場合は、そこに行ってるってことにしてB市に住んでドゥマに行く」

「でも…バレるよ絶対」

 無理に決まっている。

「だろうね。だからまあ、最初から正直に話すほうがいいかなとは思ってるけど」

「正直に話すって…どうやって?」

「んー…様子を見て、慎重に、情報を小出しにして…」

「小出しにって…まず『他の世界があるって信じる?』とか『魔法って信じる?』とかいうところから始めるってこと?」

 結花は困った顔をした。

「まだわかんない。具体的なことは後で考えようと思ってる。三年になってからでもいいかなと思って」

「…まあ、そうだね」

 結花がうんと声をひそめる。

「雅代伯母さんもね、ちょっと…どうしたらいいかじっくり考えなきゃって言ってた」

「だろうなあ…」

 お父さんはともかく、お母さんがどんなふうに反応するか。あんなに仲が良くて慕っている大好きな「お姉さん」が今までずっと自分に隠し事を——しかもこんな大きな隠し事を——してきたなんてわかったら、どうなるんだろう。あっさりと受け入れるような気もするし、「もう絶交よ!」なんてなるような気もする。あのお母さんだから、ちょっと予測がつかない。

「ねえ、由は高校どうするの」

「え?」

 いきなりめちゃくちゃつまらない話になって鼻白む。

「…まあ、北かなあと思ってるけど。一応私立もどっか滑り止めに受けるけど」

「カッサだったら、魔法高等学校あるよ」

「……」

 結花の言った言葉の意味を頭が理解した瞬間、目の前に一気に地平線が広がったのが見えたような気がした。夜明け前の美しい大草原。薄紅と金色の空。しかし一瞬後には、ディスプレイのスイッチが切られたように、プツンと消えた。 

「…無理だよそんなの」

「なんで?」

「だって…そんな」

「なんで無理?」

「だって…もう夏だし…」

「こっちは欧米と同じで学校は秋に始まるんだもの。まだ一年あるよ。入学試験は六月だって」

「こっちの世界出身じゃなくても入れるの?」

「もちろん。多くはないらしいけど、学年に何人かは常にいるらしいよ、向こうの世界から来てる生徒が」

 由はまじまじと結花を見た。

「…なんでそんなこと知ってるの」

「ロバートに聞いたの」

 由はぼんやりと思い出した。そういえば、ジャンがロバートはカッサ魔法高等学校に行ったって言ってたっけ…。

 一瞬、月明かりの差し込む川岸の小屋に意識が引き戻された。

「でもなんで?結花、行きたかったの?」

「ううん。中学の時は考えてもみなかった。でもね、高校入ってから気づいたんだ。ああ、そういう選択肢もあったのに、って。残念で悔しくて、編入とかできないのかなって思って、それでロバートに色々訊いてみたの。でも編入はやっぱりちょっと難しいみたいでさ。由なら入試にまだ間に合うから、言っとこうと思って」

「…ありがと」

「my pleasure」

 カッサ魔法高等学校か…。

 サンドウィッチときゅうりのピクルスを食べながら、由は考え込んだ。

 由がこれまでに学んできた魔法というのは、ちっとも系統立っていない。言うまでもなく、ジャンとやってきた薬作りの実験——つまりあれは魔法化学ということになるのだろう——がメインで、そのために必要な本、例えば様々な原材料とその効用、いろいろな薬についての理論、異なる材料を混ぜ合わせるときの法則やそれに関連した魔法数学についての本などはたくさん読んだし、毒消しや取り消し薬の仕組みについて学んだ際、魔法医学もかじった。あとは、エレインから教わった魔法薬草学の断片的な知識、そして記憶の封じ込めと解放の魔法をやる前に学んだ、実際に魔法を行う場合のいくつかの基本的な理論や意識を集中する方法など。

 魔法高等学校で魔法を学ぶ…。

 ジャンはそんなこと何も言ってなかったな、と由はふと思った。あんなに魔法実験が好きなジャンなのに、どうしてだろう?

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