魔王の一日
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この世界で魔界と呼ばれる人類の生活を脅かす存在あった。そこには魔界にある魔王城の住人魔王ともう一人?の勇者?がいた。
「魔王、今日こそ俺達は貴様を倒す」
「ふん!何度来たって結果は同じさ」
彼等の戦いはこれが一度ではない。何度も何度と挑戦者(笑)は挑み敗北してきた。だがそれでもなお挑み続けるのは仲間のため。その心だけが彼を動かす。揺らがないその決意は周りから見れば彼を勇者と呼んでもおかしくないだろう。しかし彼には欠点があった。
「お前たちはこの強力洗剤キランキラン✨でまとめて消し飛ばしてやろう」
そう彼等は人ではない。魔王城に住むいや勝手に移住してきたバイ菌であった。ただのバイ菌ならよかったのだが、こいつはデカい。もう一度言おう、デカいのだ。体調1メートルを超える丸い彼等が毎日倒してもやってくるのだ。はっきり言って悪夢でしかないこの状況。流石の魔王さんも焦る。初めてその存在を見たのは一年前。あれはトイレをしているときだった。
魔王様の一日。朝6時朝に弱いダメダメな彼はメイドに叩き起こされ、まず行くのがトイレ。基本夜10時間睡眠の彼は起きた直後はヤバいのです。何がとは彼の尊厳のために控えさせていただきます。そしてスッキリした彼は股の間から便器の中を覗いて「うむ、今日も快便だな」と言うのです。しかしその彼の日常はある時によって崩されるのです。それが「うぎゃああアアアア!しぬぅぅううう!」こいつです。いつものように用を足してる時に彼等は現れた。,,,便器の中から。それを初めて見た時の魔王である彼の表情とはいうと……無。便器の底から「やぁ、今日もいい出だね」。奴とのファーストコンタクトで無意識に浄化の魔法を放ってしまったとしてもしょうがないだろう。
だが彼等は怒った。ただ挨拶をしただけなのにいきなり父親が殺されたのだから。「いやぁ~さっきのは効いたよ。一瞬三途の川が見えたよ」生き返ったが。
倒した瞬間に残ったわすがな一部分から急速に増殖し再生する消し飛ばされたはずの身体。その時の再生音はぐちゅぐちゅ、ボコボコという音を鳴らしながら黒い物体が元の姿に戻っていくのは、見ている側としては最高に気分が悪くなるだろう。
話を戻すが彼等は怒った。そこからが魔王と彼等の戦いが始まった。毎日律儀に現れては消されその繰り返し。どんなに浄化しても蘇ってくる黒い集団。もう駄目かと思ったとき、彼、いや彼女が現れた。「魔王様これをお使いください」そう言って渡されたのが強力洗剤キランキラン✨。これを使ったとき彼等は再生しなかった。その時の喜びと驚きは凄かっただろう。そして今いる奴等を全て駆除した。
そうして彼の日常は元に戻ると思われた…。
数日後、椅子でくつろいでる時、扉がひらかれた。それは黒かった。もうわかっただらうか。奴等だ。ただその顔つきは違う。まるで親の敵を撃ちにきたときの表情だ。そしてもっと驚くのが彼等が世界中の便器からやってきたこと。もう驚きでしかない。便器仲間の彼等は特殊なネットワークがあるのか?と疑問に思うくらい、今までの駆除してきたもの達のことを話していく。そうしてあれやこれやと言葉をかわしていって戦闘に入るが案の定消される。また次の日に別の便器の住人が来る。また地獄の日常が始まった。
そして今日ちょうど100人目の勇者(笑)を倒し終える。その時間1秒……。
「もう勘弁してくれ」呟かれた言葉はよく響いた。
今日も彼の平和は保たれた。
END
読んでくださりありがとうございました。