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第一章 誕生編 第9話 【鑑定の儀】 ②

覚醒って興奮しますね

「本当なんですか?」


「あくまで可能性じゃがな そうするには世界中の鑑定の儀の会場に魔族を潜り込ませる必要がある」


「そうするには労力がかかりすぎるってことですね」


「そうじゃ、そんなに数を用意するとなるとおそらく、実際に現場に出向くのはせいぜい下っ端じゃろう 正体がわかれば対処は可能じゃ」


「そうだ! 僕が片っ端から鑑定をすれば…」


「もしかしたら鑑定偽造を使って油断させることも考えられる 見破るしか方法はないじゃろう」


「じゃあもし会場に魔族が紛れていたら自力で見破るしかないんですね?」


「その通りじゃ」


すると僕の体が透け始める


「何だこりゃ?」


「どうやらもう時間のようじゃ」


つまりもう現実世界に戻るってことか


「次はいつ会えるんですか?」


「それも分からん この瞬間もなんとか繋いだからの そうすぐにはできん 」


どんどん体が薄くなっていく


「ぼ、僕は一体どうすれば?」


「戻ったら一応会場にいる魔族を探せ! 絶対に何か手がかりはあるはずじゃ!」


次の瞬間いつのまにかあの祈った状態に戻っていた


(戻ってきたのか! くそっリリのスキルがわかるまでに探さなくちゃ)


思考を巡らせながら鑑定のおじいさんのところに行き手を当ててもらう


「ほほ〜 お主のスキルは【剣召喚】じゃ! 大いなる可能性を秘めたスキルじゃ しっかり励むのじゃぞ〜」


会場が少しどよめくが今はそれどころじゃない

席まで戻り思考を続ける


(この会場に魔族がいるとすると一体誰だ? あのムカつく貴族はある意味で魔族っぽいがそんなこともないだろう もしかして…)


…ン…レン 


「アレン!!」


「うわっ!」


思考に集中するあまりリリの声が聞こえていなかったらしい


「アレン!すごいね!みんなうおお〜って言ってたよ!」


「あ、ありがとうリリ きっとリリのもすごいスキルだよ」


ほんとに凄すぎるスキルだ 何せ魔族から命を狙われるおまけ付きだ


(くそっこんな小さな子が魔族に狙われるなんて)


思わずリリの手を握ってしまう


「わっ アレンどうしたの? なんか怖い顔してるよ?」


「リリ」


「なーに?」


「僕が絶対リリを守って見せるからね」


リリは一瞬驚いた顔をしたがすぐににぱっと笑った


「うん! じゃあアレンはその【けんしょうかん】?で守ってね!」


「そのつもりだよ」


そう言って僕らは笑いあった


(絶対に見つけ出してやる)


…………



そしてついに…


「次の子は リリクシールさん」


「あ、私呼ばれた! 行ってくるねアレン!」


(ついに来た! リリの番だ)


リリが前にいきお祈りを済ませ、おじいさんのところに行く


「な、なんということじゃ! お主のスキルは【魔導王】じゃ!! 伝説のスキル、かの英雄が持っていたとされるスキルじゃ お主に神の加護あらんことを!!」


会場が一番今日のざわめきに包まれるが、僕は席に座ったまま考え続けていた


(魔族と決定できる手がかり…… 何か見落としている気がする…… そうか!!)


「すごいじゃないリリちゃん! 【魔導王】なんて! 偉大なスキルよ! あら?肩にゴミがついてるわよ? 取ってあげるわ」


修道女のお姉さんがその手をリリに伸ばす………がその手は触れる寸前で止められた


「何のつもり? アレンくん?」


「リリから離れろ!!」


会場がさっきとは違うざわめきに包まれる  

それもそうだいきなり子供が修道女がゴミを取ろうとした手を掴み離れろと言ったのだ


「私はゴミを取ろうとしただけよ? 何もしないわよ」


「黙れ!魔族!!」


「何を言い出すの!? 一体何を根拠にそんなことを? こんなの名誉毀損だわ!」


上のテラスから


「何してるのアレン!! そんなことしちゃダメよ!」


と母さんの声が聞こえるが僕は目の前の女から目を離さない


「違和感まみれだったんだよ その身のこなしといい少しの違和感はたくさんあった」


「そんなの証拠なわけないじゃない!! それだけで魔族なんて言われちゃ この街は魔族まみれよ!」


「名前だよ」


「名前?なんのこと?」


「なんで喧嘩を仲裁した時俺の名前だけ知ってたんだよ? 一言も俺はアレンなんて名乗った覚えはないぞ?」


「ぐ、 で、でも名簿があったのよ! それであなたの名前を…」


「じゃあなんでキュエルの名前を呼ばなかった? キュエルはこの街を治める貴族の息子だぞ 俺の名前を知らないならまだしもなんで名前を呼ばなかった?」


そういうと彼女は下を向いてくくっと笑い出す


「何がおかしい?」


「まさか私が五歳児に見破られるなんてと思ってね…」


そう言った瞬間、彼女からのプレッシャーが跳ね上がる 思わず手を離しバックステップで距離を取りながらリリを抱き寄せる 



「アレン! 何が起こってるの?」


「説明してる暇はない! 絶対に離れるなよ!」



彼女の体が変化を始める 修道着を内側から破りながら蝙蝠のような大きな羽が出てくる そして爪は長く鋭く伸び、目は猫科の猛獣のように鋭くなる


「うふふ 残念だよアレンくん 君みたいな逸材も一緒に殺すことになっちゃうなんて」


「なぜ僕の名を知っていた!!」


「世界を渡った男がアレンという名で生まれるってある邪神から聞いたのよ! その近くで【魔導王】のスキルが出る確率が高いから私が来たのよ!!」


邪神だと? そいつがこの事態を引き起こした黒幕ってことか?


会場はもう大騒ぎになっている 僕の周りの子供達は我先と逃げ出して行き上の大人達もドタバタと逃げている



「アレン! リリちゃん! 離れて!!

根源たる光よ 今その聖なる輝きを示せ 我が道を照らしたまえ ホーリースピア!!!」


いつのまにか母さんが降りてきていたみたいだ

僕はリリを抱えてその場を離れる


次の瞬間母さんのホーリースピアが亜音速で魔族に放たれる


ズゴンッとすごい音がして魔族が壁まで吹っ飛んでいきガラガラと壁の中に埋まる


「やっつけた!!」


リリ!それはフラグっていうもんだ!!



「ふふふっ久々にいい攻撃もらっちゃった〜♡」



瓦礫の中から無傷の状態で出てくる


「ありえないわ! 私のホーリースピアを無傷で耐えるなんて! 下級魔族じゃないのね?」


何?ストゥルドの予測だと下級魔族って…


「一番確率の高いとこに下級魔族なんて雑魚派遣させるわけないじゃ〜ん 私は上級魔族のサテラ どうせみんな殺すから覚えなくてもいいよ」


「上級魔族なんて特A級じゃない! なんてことなの…」


なんかやばそうな単語が聞こえてきたぞ 特A級ってどんだけの強さなんだろう


僕はサテラに鑑定を使った

「なっ!」



サテラ (532) レベル 112


体力: 10100

速さ: 11230

防御: 9230

攻撃: 9820

魔力: 23500

運 : 38


固有スキル

【真理眼】 レベル7


スキル


魔力操作 レベル9 火魔法 レベル8

暗黒魔法 レベル3 毒爪 レベル4

鞭聖術 レベル2 暗殺術 レベル8


称号

【殺戮者】 【上級魔族】 【邪神縺輔◆縺ェ縺ヲ縺?≧縺の期待】



出鱈目だ! なんというステータスだ 


「アレン! リリちゃんを連れて逃げて!!」


「そんなことできないよ母さん!」


「いいから逃げるの!! こいつは母さんが止めておくから早く逃げなさい!!!」


「うふふっ私が逃すとでも思うの? あなたなんか瞬きの間に細切れにできるよ〜」


「やってみなさいよ!その瞬きの間にアレンは逃げ切れるわ! だって私とグランが育てたんだもの!」


(くそ!このままだと母さんが死んでしまう)


「早くするのよ!アレン!!」


迷ってる間にもジリジリとサテラが近づいてくる


(どうすればいいんだ!?)


すると体の内側から声が聞こえた


(……かえ ………かえ!)


(なんだ?誰の声だ)


その声はおそらく大人の男性の声だ


(使え! 【剣召喚】を使え!)


どういうことだ?体の内側から響く声が【剣召喚】 を使えと訴えてくる


「アレン! どうしよ! ララおばさんがやられちゃうよ!」


ハッとして母さんの方を見ると サテラが右手に巨大な闇魔法を展開している

どうやらあれが暗黒魔法のようだ


母さんの顔が目に見えて青くなる


(あの野郎!! 母さんを目の前で殺す気だ!)



頭に血が上った僕は思わず【剣召喚】を唱える


「顕現せよ!!我が心剣!! 力を示せ!!!」


そして召喚する剣をセレクトしようとすると見たこともない剣があったのだ





読んでいただきありがとうございます!!

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