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第二章 冒険者編 第22話 最終試練

未来を見る魔法で株で大儲けしたいです

次の日………


「行くわよアレン 3階層に!」


「どんな試練かな〜 不安だ…」


「アレンくん 私の方がやばいよ〜! あー!緊張してきた」


僕らは3階層に続く扉の前に立っていた


意を決して扉を開けると、やはり職員のお姉さんが立っていた


「あら、久しぶりお客さんですね 3階層の知識をお求めなのですね?」


「はい そうです」


「それでは一人ずつ謎を出して行きますね まずはどなたからでしょう?」


「私よ」


クリスが前に出る

がんばれ! きっといける!


「では始めますね 

水魔法、火魔法、氷魔法の順で魔法を行使すると、何が起こりますか?」


「えっ? えーっと… あ!霧よ!霧が発生するわ!」

 

「では、それを散らすには?」


まさかの二段構えか! 負けるなクリス!


「もう一度火魔法を行使するわ 」


「正解です どうぞ、3階層の通行証です

それではお通りください 豊かな知識を持つものよ…」


よっしゃ!クリスは合格だ!


「やったわ! じゃあ、みんな私は先に行ってるわね みんなも早く来てね!」


クリスは3階層に進んだ よし、まずは一人


「お次はどなたでしょうか?」


「はいは〜い 私だよ私!」


リューネちゃんが元気に手をあげる

魔法系の知識ならピカイチのリューネちゃんだ

きっと突破できるさ


「では問います

精霊の始祖、原初の精霊が得意とする魔法はなんでしょうか?」


え?リューネちゃん自身のこと?


「え? 得意なのは家事魔法だよ!」


「残念ですが違います 申し訳ありませんがお通り…」


「違くないよ!? だって私が原初の精霊、リューネだもん! だから、正解は家事魔法だよ?」


そりゃそうだ、まさかのご本人様なんだからな


「? 何をおっしゃっているのか?」


「これで信じてもらえる?」


リューネちゃんが懐から石を取り出して、指を弾くと、その石が金に変わったのだ


「こ、これは!! 元祖魔法!? まさか本当に原初の精霊様とは… 此度の無礼をどうか、どうかお許し下さい!」


そのお姉さんが、床に這いつくばり土下座をする

え?そんなやばいの?リューネちゃん


「いいよ、いいよ〜 試練は合格ってこと?」


「も、もちろんでございます! どうぞ、こちらが通行証でございます! では、お通りいただけますでしょうか? 原初の精霊様…」


「ありがと〜 じゃあアレン先に行くね!」


リューネちゃんがなんでもないように次の扉に進んだ

職員のお姉さんはリューネちゃんの姿が見えなくなるまで土下座し続けていた


今まで普通に接してたけど、普通の原初の精霊ってかなり高位の存在だよな

クリスとか何度も泣かせてるけど…


「お、お次は貴方ですね… 原初の精霊様のお仲間とは知らず、度重なる無礼をお詫びいたします」


「いやいや!全然僕は普通の人ですよ! リューネちゃんも全然気にしてないと思うので、お姉さんもあまり気に病まないでください…」


「あ、ありがとございます! そ、それでは気を取り直しまして、問いますね…

相手が雷魔法を放って来るとします

さて、どうレジストしますか?」


「ウォーターウォールをはります」


「それは何故ですか?」


「雷魔法の正体は電気です そして、水魔法で作った水は純水のため、ほとんど電導性がありません

だから、ウォーターウォールです」


「正解です どうぞ、通行証です それではお通りください 豊かな知識を持つものよ」


ふぅ〜 よかった! 突破できた〜


僕は3階層の扉を開ける


「やっと来たわね〜 安心したわ〜」


「やったね! みんな突破できちゃった!」


とりあえず、一安心だ パーティーみんなで突破できてよかった


「4階層に進みたいのもあるんだけど 純粋に応用魔法への興味もあるから 少し見てっていい?」


「えぇ、私もそのつもりだったわ」


「私も何か新しい魔法出来てないかみたい〜!」


と、一先ず3階層に留まることとなった


もともと魔法の知識を求めてこの世界に来た身としては、応用魔術には心惹かれるものがあるな


どれどれ… 重力魔法!? めっちゃ面白そう!

なになに? 『重力魔法などに代表される応用魔法は、その概念を理解しなくては詠唱を唱えても威力が十分に出ない。 そのため、過去使いこなせた魔法使いは数えるほどしかいない』か…


もしかして、重力についてはこの世界ではあんまり知られてないのかな?


重力は確か、惑星の万有引力と自転による遠心力との合力だよな

もしかして僕、重力魔法使えんじゃね?

夢が広がりんぐだな 


ここでは危険だから、外に出た時に試してみよっと


そこから僕は応用魔法についての知識を貪った

あの、知識ビュッフェを思い出すなぁ…


そして、多くの応用魔法について存在を知ることができた


存在がわかったのは次の魔法についてだ


・重力魔法 ・時空魔法 ・熱魔法 ・毒魔法


熱魔法とか、重力魔法はなんとか使えそうだな

時空とか、毒はイマイチだけどね


そんなこんなで時間を過ごしていると、そろそろ閉館の時間くらいになってきた


「じゃあそろそろ4階層に挑戦してみよっか

どんな謎か知るだけでも収穫だろうし」


「そうね 早いとこ行きましょ」


「最後の謎か〜 すっごく難しそう〜」


緊張しながら最後の層、4階層への扉をあけた


中にいたのは、見た目18歳くらいの銀髪の女の子だ

った 無表情だな〜


「確認、ようこそいらっしゃいませ 貪欲な知識の探求者達よ ここに辿り着いたのは実に5年8ヶ月と12日2時間18分42秒ぶりです ちなみに私の問いに答えられた人はここ238年7ヶ月と23日4時間42分53秒居ません それでも挑戦するのでしょうか?」


「はい! そのためにきたんですから」


「了承、この問いは挑戦者全員に同じものを出しています そのため一人ずつではなく、このまま聞いていてくださいませ」


「ん? わかりました…」


流石、最終層だ 特殊だな


「それでは問います 

あなたにとって知識とは、どういったものでしょうか?」


え? 突然の哲学問題だな 

僕にとっての知識ってなんなんだ?

生きる糧?考えたことなかったな…


他の二人を見てもうんうんと迷っている


すると、館内に昨日も流れたあのオルゴール調の曲が流れ その後に閉館のアナウンスが入った


「告、 どうやら閉館の時間のようです また明日来てください 問題は変わりませんので」


「あ、あの質問いいですか!?」


リューネちゃんが手を挙げた

一体何を聞くんだ?


「了承、ですが答えは言えませんよ それ以外なら」


「ありがとうございます! え〜っと じゃあ答えになる条件って教えてもらえませんか?」


条件ね… たしかにこのような哲学的な問いにはある程度の基準が欲しいな


「了承 この問いの答えの条件は一つだけ、私を納得させる答えです つまり、私が認めたら、それが貴方の答えです この問いは言わば試験、4階層の知識を扱うのに相応しい人かどうかの判断基準なのです そのため、私が認めない限り入室は許可できません」


そうきたか… そうなると生半可な答え、上辺だけを取り繕った答えはダメそうだな


もっと根源、なぜ知識を求めたのか、そこまで考えなくてはな


「告、まもなく閉館です 明日の訪問を楽しみにしております」


僕らはその言葉を聞いて、図書館を立ち去るのだった


「あなたにとって知識とは?ね… 考えたこともなかったわね」


「うん 改めて問われると詰まっちゃうね…」


二人も最後の試練のあまりの変化球ぶりに困惑しているようだ


「アレンはどう? 何が答えは見つかったの?」


「いや… まだまだ糸口も見つからないよ 

僕にとって知識とは?か… 何日かかってでも探し求めるよ」


「そうだね! 時間をかけたら良い答えが見つかるよきっと!」


「でも、話によるとあの試練を突破できたのって、ここ200年以上現れてないのよね きっと普通の答えじゃダメなんだわ…」


僕ら3人は、目の前の問いのあまりの壮大さに、ただただ、立ち尽くす他なかったのだった

      

読んでいただきありがとうございます!

感想や評価が執筆の励みなってます!ありがとうございます!!

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