表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/38

第二章 冒険者編 第7話 VSゴブリンディザスター

戦闘描写むずすぎです

いや〜まじで危なかったわ ここまで全速力でシルバー走らせて正解だったな シルバーマジ感謝


さっきノリで、お怪我はありませんか? とかドリルに言ったが見るからに怪我まみれだ


後ろのドリルは、悲惨なほどにぼろぼろで、こっちに何か言おうとしてるようだが、声も出せないみたいだ


流石に可愛そうなので、ヒールをかけておく


「はぁっ はぁっ あれ? 体が動くわ それに傷も… まさか! あなた治癒魔法を無詠唱で!?」


「うん まぁね 何か喋りたそうだったし 流石に傷だらけは可哀想ですしね」


すると、ドリルが顔を背けてか細い声で


「そ、そうなの い、一応言っておくわ その…助けてくれてありがとね ほ、褒めてつかわすわ!」


と言った よく見ると髪の間から見える耳が真っ赤である なんだ?ツンデレちゃんか?


「はいはい わかりました じゃあ危ないのでちょっと下がっててください」


化物がこちらが会話している隙に、僕の目の前に高速で移動してきて、目にも止まらぬ速さで剣を振り落らしてくる


「ガァっ!」


ガギィッン と音がして僕の剣とぶつかり合い、鍔迫り合いになった


「女の子との会話を邪魔するなんで趣味が悪いじゃないか」


「キサマ!! イッタイナニモノダ!! ワガケンヲウケトメルナドッ! オレハヤクサイダゾ!」


互いに剣を押し合い、距離を取る


力強すぎ〜 しんどいわー


「ガァッハッハ ケンノウデハ、ゴカクノヨウダナ! ソノワカサデ、ココマデノキョウチ キサマノコユウスキルハ、ケンケイトウダロウ ナラコレハ、フセゲルカナ! ガアァア!!」


そう言って、化物は剣をその場で振ると剣から紫色のバレーボールくらいの弾が飛んでくる


が、


「よいしょっと」


と、その玉を一刀両断する 魔法は切れるもんでしょ


「ナ、マホウヲキリサイタダト!? アリエン! 」


何言ってんだこいつ? 父さんは僕の魔法余裕で切ってたぞ? しかも木刀で


「今度はこっちの番だ」


僕は剣を正眼に構え、身体超強化で脚力をあげ、一気に詰め寄る


「セイッ! 」


そいつは僕の速度に反応できず、腹の当たりを切りつけられる しかし


「ガァッハッハ!! ヒヤリトシタガ、ショセンオサナゴヨ オレノヒフニハ、キズナドツカナイ

ソウ! オレハ、ヤクサイナノダカラナ!」


流石にミスリルの剣で斬りつけても効かないか てかこいつ、さっきから厄災厄災うるせぇな 


「アレン! 逃げましょう! 私の魔法もそいつに傷一つ付けられなかったわ! 街に戻って他の冒険者を呼んできましょう!」


その手もある しかし、そんなことしたらすぐにこいつが街に到達してしまう そして、流石に黙ってこいつが、逃げる僕らを見逃すわけはないだろう


「君だけでも逃げてください! ここは僕が食い止めます!! シルバー! その子を乗せて街に戻れ!!」


僕がそう言うと、何処からともなくシルバーが現れて、ドリルを咥えて上に放り投げ、自分の上に乗せると、一目散に駆け出していく 

ぶっつけ本番で言ってみたが、やはりとても賢い子だ 


「ソンナコト、サセルトオモウノカ!」


化け物がシルバーに向かって肉薄しようと足に力を込めるが、僕が目の前に立ちはだかり剣を受け止める


「僕が、行かせるんだよ!! 」


「クッ! ドコマデモジャマヲスル!! ガァァァアア!!」


ギィッンと、音を立てながら剣をぶつけ、距離を取るためにステップバックする


「ホカノヤツラガクルマデニ、タエラレルカナ! キサマノケンハ、オレニハキカンゾ!!」


「あぁ! 今のままならな! だが、これならどうだ!! エンチャント! 『紫電魔法』」


剣に紫電魔法を付加させる、ミスリルの剣なので魔導効率が良い これが今出せる、最高の剣だ


「ガァッハッハ! オモシロイ! コイ!」


「そのニヤケ面、すぐに変えてやるぜ!! 

セイリャァァアッ!」


一瞬で肉薄し、剣を袈裟懸けに振るう


「ガァッ! バカナァ!」


奴は僕の剣を防ごうとして剣を前に突き出したが、間に合わず右腕を剣ごと切り裂かれる


「オ、オレノウデヲ… キリサクダトッ グゥッ…」


奴はそう言って顔を下に向けて何かをぶつぶつと言っている このまま戦意を失ってくれるといいんだが


「クックック… ガァアハッハッハッ!!」


と、顔を俯かせ落ち込んでいたかと思われていたそいつは突然天を向いて笑い出した 

気でも触れたのか?


「ニンゲンノコゾウヨ! ヨロコベッ! オマエハオレガサイショニ、ホンキヲダスアイテダ!!

トクトミヨ!! グォォォオオオ!!」


と言ってソイツは叫び出し力を込めている、すると切れた腕からボコボコと肉が迫り上がっていき腕の形になる さらに、大きかった体が段々と萎んでいき、2メートルくらいの大きさに変わっていき、やがて止まった…



「ガァァァアアア!! フゥッ… 人間の小僧よ、名を聞こう」


奴は先程より流暢な言葉を喋ってきた


「僕の名はアレンだ どうやら、更に強くなったみたいだね」


「ほぉ… アレンか… 覚えておこう 光栄に思え 

先程の姿は言わば蛹だ 俺のこの姿こそが、厄災なのだ では、いくぞ 先程の小娘が記念すべき死体一号の予定だったが、貴様がそうなりそうだ」


やってみろ、と言おうとした瞬間 そいつが横に移動してきて剣を振りかぶってる


(まずいっ!)


そう思って咄嗟に剣で防御したが吹き飛ばされてしまい、ズザッと地面に着地した


「ぐっ! さっきとはえらい違いだな ほんと嫌になるよ!」


「む、 今ので殺したと思ったんだがな 俺の想定よりも貴様はやるらしい 面白い… もっと俺を楽しませろ!」


「素直に喜べんな… じゃあ、楽しんでみろ!

セイリャァッ!!」


エンチャントした剣を何度も振り下ろすが、全て奴の剣に弾かれてしまう


「クックックッ どうした? 楽しませてくれるんじゃなかったのか?」


「まだまだ序章だよ! こっからが本番だ!」


「そうか… なら、これならどうかな?」


隠すように振り上げられた蹴りに腹を蹴られ 後方にすっ飛んでいってしまう


吹き飛ばされた僕は、そのまま蹲り、胃の中の物を全部吐き出してしまった


(くそっ! なんて蹴りだ! リューネちゃんの料理全部出しちまった! もったいねぇ…)


「俺の蹴りの味はどうだ?アレン さぁ、まだ序章なんだろ? 早く本番とやらを見せてみよ」


(クソがっ!舐めやがって… 絶対泣かせてやるぞ!)


足に力を入れてググっと立ち上がる 

くそっ 膝が笑ってやがる 


膝を拳で叩いて気合いを入れ、剣を構え直した


「お望み通り見せてやるぜ! 『限界突破』!!」


そう唱えた瞬間体に力が漲り、全能感に包まれる


できれば使いたくなかったのだが… この能力は自らの体力を生贄に限界以上の力を引き出すというものだ そのため、ある程度の時間パワーアップできるのだが、長時間使いすぎると命の危機があり、そう長くは運用できないのだ


「ほぅ… さらに圧が増したか… だが体が悲鳴を上げているぞ おそらく、そう長くは続かないな

ククッ そんな時間でこの俺を倒せるかな?」


「やってみないと分からないさ! 行くぞっ!」


瞬きの間で奴に接近し、首筋に刃を這わせる

が、すんでのところで躱されてしまった


「ククッ 一瞬肝が冷えたぞ… だが当たらなければ…」


そう言ったやつの首から血が垂れる、どうやら結構ギリギリだったようだ


「次はぶった斬る それは目印代わりだ」


僕は切先を向けて宣言する

正直結構限界っす


「何を言うかっ! もう触れさせもせんわ! こちらから行かせてもらうぞ」


奴が剣を担ぐようにして駆け出し、僕の首を落とそうと剣を振るう 


だが、今度はちゃんと見えてるぜ!


僕は剣で相手の剣を受け止め、そして隠すように放たれた蹴りを足で止める


「な、止めただとっ!」


「一回やられたんだ、警戒するのは当たり前だろ?

よっと」


今度はお返しに奴の腹を蹴り上げてやる


限界突破と身体超強化の重ねがけの強烈な蹴りが炸裂し、奴の体がくの字になりながらすっ飛んでいく


「ぐっおぉ… 小癪な人間風情が!! くらえ!」


奴が手から紫色の魔弾を放ってくる


しかし、そんなのはもう見たと切り裂いてやった


(何故こんな無駄な攻撃を?)


すると、


「クックック 貴様はもうおしまいだ! 先程弾いた魔弾の一部がお前の足についておるぞ 」


見ると足の先にほんの少し紫の液体が付着している


すると、突然体に力が入らなくなった


「俺の今放った魔弾は毒魔法 僅かに付着しただけでも体の自由が効かなくなるぞ」


と、奴がニヤニヤとしながら言う


「しかもだ、俺の毒はただの解毒剤じゃ解毒できないほどの猛毒だ このままほっといたらお前は死ぬ

面白い相手ではあったが、最後は呆気ないものよ

では、俺は街に行って厄災を振り撒くこととしよう

死ぬまでの間、街から聞こえる叫び声でも聞いてるんだな」


そう言って奴は背を向けて歩き出す


(くそっ! どうすれば! どうにかして解毒しなきゃ 治癒魔法は使えたけど、解毒は専門外だ 毒の種類もわからない!)


自らを鑑定すると体力がジリジリと減っていっている


(解毒… 解毒… 何か引っかかる… はっそうだ!

ヒポポス草は解毒剤、今日取った朝日下草はその効能を高めるものだ だけど調合しないと使えないのか? いや、一か八かだ 南無三!!)


僕は震える手で鞄から出したヒポポス草と、朝日下草をそのまま食べた


すると、みるみると体の自由が効くようになったのだ


(よしっ! 賭けに勝ったぞ! レティシアちゃんに感謝だな! )



「おい! 厄災もどき! まだ終わってねぇぞ!」


僕は後ろを向いて歩き去ろうとしている背に叫ぶ


すると奴がゆっくりと振り向いた


「な、何故だ! なぜ立っている!? 確かに毒が効いた筈だ! ありえん!! ありえんぞ!!」


「さぁな 神様が俺の方に味方してんだろうよ」


「クックック だがもうボロボロではないか 先程の限界を超えた力を振るえばお前は死ぬ そして、その力が使えなければお前は俺に殺される    つまり、死期が早まっただけではないか 」


「あぁそうだ あの力を使ったとしても、僕はお前を倒す前に死んじまうだろう じゃあどうするか

お前を一瞬で倒すくらい強くなりゃいーんだよ」


「何を言うかと思えば巫山戯たことを言いよって

あのけったいな力でもこの俺を倒しきれなかったのだ もう一度やっても同じことよ」


僕は剣をしっかりと握り、睨みつけるように見据え、構える


「さっきと同じことをするならなそうかもな

だが、僕は一度もそんなこと言ってねぇぞ」


「貴様っ 何をするつもりだ…」


「これで倒さなきゃ僕はどの道死ぬ

なら、少しの可能性でも賭けてみようじゃないか

僕が倒れるか、お前が倒れるか、賭けようぜ  『起死回生』!!」


ドンっと音がして大気が揺れ、僕の体の中からさっきよりも大きな力が溢れ出す


だがこれは短期決戦用、つまり放てる攻撃はせいぜい後、三発と言ったところだろう


その限界を超えてしまったら 僕は確実に死ぬ


「さぁ! 最後まで楽しもうぜ! 厄災!!」


「小僧!! 死に体の貴様に何ができる!!」


僕は奴が渾身の力で振った剣を、奴の腕ごと斬り飛ばす


「お前に、勝てる!」


「ぐっ! 舐めるなぁ!」


奴は全力の左ストレートを放つが、紙一重で躱しつづける


そのまま奴の鳩尾に三日月蹴りを喰らわせ、後方に吹き飛ばす


「グハァッ! ゲホッゲホッ くそっ! 小癪なぁ!!」


奴は座りながらこちらに毒弾を撃ち込んでくるが、斬ったらまた毒を喰らうので避けて躱す


「あ、当たらん! なぜ当たらんのだ!! くそっくそっ!」


奴はヤケクソに毒弾を放つが僕には当たらない


「お、俺は厄災!! 誰も俺を殺せない筈だ!

1匹も人間どもを殺さず、こんな所で死ぬわけにいかないのだ!」


もう首を切るだけだと思い、近づこうとすると


「アレンく〜ん! 応援呼んできたっす!!」


と、向こうからルカさんと冒険者たちが馬に乗ってやってきた


すると厄災が、凄惨な笑みを浮かべた


「そうだ、何もこいつを殺さなくても 沢山いるじゃないか 奴らを喰って、傷を癒そう」


すると奴は、さっきまで這いつくばってたとは思えないほどの速さでルカさん達の方に駆けていく


(まずいっ! ルカさん達が殺される!)


僕は居合いのように剣を構え、体を加速する


「うぉぉぉおお!! 間に合えぇぇえええ!!」


抜き放った剣が奴の左腕を斬り飛ばした


「な、どこまでも邪魔をしおって!!」


奴がこちらを向き、口を開け毒弾を放とうとした


(な、口からだと!? こいつも手以外から出せるのか!?)


僕は剣を返し、横に構える


「負けてたまるかぁぁああ!!」


奴が毒弾を放つ直前、僕の剣の方が先に届き、奴の首を天高く斬り飛ばした



(お、終わった… みんなを守れたんだ…)


「うぉぉおおおお!!」


僕は思わず叫びながら剣を掲げる

すると、それに呼応するように、応援に来た冒険者たちが拳を振り上げ、雄叫びを上げた


しかし、そこで最後の力を使い果たした僕は、ズシャッと崩れ落ちてしまう


冒険者の集団からどよめきが起こった


「アレン! アレ〜ン!!」


と、集団の中から誰かが飛び出し、駆け寄ってくる



「ぐすっ アレン… こんなになるまで戦って…」


見るとあの、クリスティーナだった そう、ドリルだ

彼女は僕の頭を抱えて抱きしめると嗚咽を上げて泣き出してしまう


「あ、あぁ 助けを呼んでくれたんですね ありがとうございます」


「喋らないで! うぅっ 私のせいよ… 私が…私がいたから アレンがこんなことに… 私が貴方に嫉妬して、あんな無謀なことをしなかったら…」


え?僕に嫉妬? 初耳だ


「君の…せいじゃないですよ ただ、タイミングが悪かった…それだけですよ だから自分を責めないでください」


「喋っちゃだめよ! すぐに治癒魔法を掛けないと! 誰か! 早くアレンに治癒魔法を!」


すると集団の中から担架を持って何人か出てくる


「ひどい状態だ ギルドの医務室まで運ぼう」


僕は担架に乗せられる


「あ、アレンは、 アレンは大丈夫なの!?」


「わかりません すぐに医務室まで運ばないと

おい君、君は教会に言って治癒魔法を使える人を要請してくれ」


担架を持った人は他の人に指示を出した


(あぁ… まただ、めちゃくちゃ眠くなってきた…

なんか…デジャブ…だな)


僕の意識はそこで途切れた


読んでいただきありがとうございます!

感想や評価が執筆の励みなってます!ありがとうございます!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ