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第二章 冒険者編 第4話 新たな出会い

馬はディープインパクトが好きです

朝日と共に目が覚めた


「知らない天井だ… 」


そりゃ知らないよ ここは宿だからね


さぁ、今日も今日とて冒険者生活だ〜 急にDランクに上がったのびっくりだけど ランクが上がるに越したことはない


ただなぁ〜 目立つし絡まれそうだなぁ これから


そんなことを考えながら身支度を整えて、宿のリビングに向かう


「あ、おはようございま〜す」


と、昨日もいた女の子がテーブルを拭いてた


朝から働くね まだ親御さんはいないのかな?


「おはようございます え〜っと」


「あ! 名前をいうの、わすれちゃってた あたしはリューネっていいます! 気軽にリューネとでもリューネちゃんとでもよんでください!」


この子はリューネっていうのか 働きもののリューネね 覚えた


「わかりました リューネちゃんですね」


「はい! あ、そうだ朝ごはんあとすぐでできるから食べます?」


そういや、朝ごはんと夕ご飯付きだったな あ、奥に親御さんがいて作ってるのかな?


「お願いします! 楽しみです」


するとリューネちゃんははにかみながら


「えへへ じゃあ頑張って作りますね」


と言って奥に引っ込んでいった


あれ?料理もリューネちゃんが? 親はよほどグータラなのかしら?


しばらくテーブルに座って待ってると、リューネちゃんがお盆に朝食を乗せてやってきた


「んしょっ んしょっ はい! どうぞ召し上がってください!」


持ってきたのはサンドイッチと野菜のスープだった 

サンドイッチのパンはこの世界では普通の黒パンではなく、柔らかそうな白パンであった スープも野菜が豊富に入っていて美味しそうだ


見ると、リューネちゃんがこちらをジーッと見ている 感想待ちかな?


「いただきます! んぐっんぐ めっちゃくちゃうまい!! なんだこのサンドイッチは! ゴクッゴク スープも美味すぎる!! 野菜の甘味が溶け出し、それぞれの良さを引き立て合っている!」


「えへへ〜 ありがとうございます! そんなに褒められちゃうと恥ずかしいです〜」


とリューネちゃんは頬を染め体をくねくねとする


だがお世辞でも何でもなく、リューネちゃんの料理はとてつもなく美味かった もちろん母さんの料理が不味かったわけでもなく、むしろいつも大満足の味だった 

だが、この料理は一つ、いや二つほどステージが違う味わいだ 


この宿に決めてくれた相棒に感謝…


僕は一度も手を止めることなく、完食してしまった


「ふぅ〜っ 美味しかった〜! ごちそうさまでした!」


「えへへ おそまつさまでした そんなに喜んでもらえて、作った甲斐があります じゃあ、食器さげますね」


と、その前に聞きたいことがある


「あの〜 この宿にリューネちゃん以外の宿員いるんですか? 今のところ見たことないんですけど…」


「あぁ この宿はあたししかいませんよ〜 全部一人で経営してます〜」


え?子供一人で切り盛りしてるの? 本当に親は何してんだ? ここはガツンと言ってやらねば…


「リューネちゃんの親は何してるんですか? まさか子供に働かせてそれを搾取して…」


リューネちゃんはポカンとした顔をしたがすぐに合点がいった顔をする


「あ〜 あたしの見た目で子供一人だけが働いてるって思ったんですね! あたしドワーフ族なので見た目がこんななんです 一応、成人してますよ〜」


え!? まじかじゃあ年上? リューネちゃんじゃなくて、りゅーねさんじゃん


「そ、そーだったんですね 失礼しました えーっと… リューネさん」


「あ、リューネちゃんでいいんですよ〜 そう呼んで下さい! ドワーフ族は数もすっごい多いわけじゃないし、だからよく言われるんです 気にしないでください〜」


逆に気を使われてしまった しかし、この見た目で年上か… とんでもねぇな


「ありがとうございます リューネちゃん じゃ、僕はもう出かけますね」


僕は鞄をかけて席を立つ


「いってらっしゃい〜 ごはん作って待ってますね!」


「楽しみにしてます! 行ってきます!」


夜ご飯もすっごく楽しみだ 

僕はワクワクとしながらギルドに向かった


………



さてと、ギルドに着いた まだ結構早いけど空いてるといいな


重めのドアを開けて中に入る


「どうも〜っ あれ?意外にいるな」


だがいると言ってもなぜかみんなふらふらとしていたり 机に突っ伏しているものまでいる どうした?


すると、昨日胴上げの先導をとった先輩冒険者が話しかけてきた


「おぉ ゴブリンの坊主じゃねぇか 朝っぱらからとは真面目だねぇ〜 ここにいる寝てる奴らは昨日の酒盛りで潰れちまったやつらだ まぁ、俺はそんなざまにならねぇけどな!」


と、ニヤニヤしている てかゴブリンの坊主って呼び方だと、僕がゴブリンみたいじゃないか

んもーっ、トサカにきちゃう!


「ちょっと 僕の名前はアレンですよ〜 なんかその呼び方だと僕がゴブリンみたいじゃないですか!」


「あん? あぁ悪い悪い アレンっつうのか、じゃあよろしくな 俺の名はガッチェスってんだ 一応B級冒険者だぜ」


この人B級なのか ってことは一流の冒険者ってことだな 先輩、世話になりやす


「はい、こちらこそよろしくお願いしますね まだまだ新人なので色々教えてください」


「へっ! ゴブリンジェネラルを単独でぶっ殺した奴が新人とはな! まぁ、戦闘ができるっつっても、冒険者の職務はそれだけじゃねぇからな!

わからねぇことあったらいつでも聞きな!」


あれ?この人見た目怖いけど、意外と優しいのでは? 人は見かけによらないとはこのことよな


「ありがとうございます! じゃあ分からなかったら聞きますね」


と、先輩とのグッドコミュニケーション(?)をとった僕はクエストボードを見に行った


(Dランクだから 依頼はDと、Cの奴が受けられるんだな〜 う〜ん でもどこも遠いな〜 お、これは近場だぞ 『Dランク依頼 バジリスク2頭の討伐 銀貨8枚』 報酬も高いし、これにしよっと〜」


ビリッと依頼書を剥がして受付に向かう お、今日もルカさんだ


「お、アレンくん〜! 冒険者生活2日目から朝に活動とはがんばるっすね〜 なんの依頼持ってきたんすか?」


僕は剥がしてきた依頼書を渡す


「バジリスクっすか〜 この魔物は石化の魔眼持ってるから気をつけるんすよ〜 一応、石化解けのポーション買っといた方がいいっす! はい!受理したっす! 頑張るっすよ〜」


「忠告ありがとございます じゃあ行ってきますね」


石化の魔眼ね〜 なんとも厄介そうだ ポーションどこに売ってんだろ


そう思いながら外に出ると右手に、初日に道を聞いた八百屋があった


そういえば金が入ったら何か買うって約束してたな


「おばちゃん 昨日ぶりだね おすすめのやつない?」


「あぁ 昨日道を聞いてきた坊主じゃない! 律儀に買ってくれるなんていい子だね〜 今はこのラップルーが旬でうまいよ 一つ豆銅貨1枚でどうだい?」


「じゃあそれ4つ頂くよ はいこれお金ね あとまた教えてほしいことあるんだけどポーションってどこにあるかな?」


「はいこれラップルーだよ ポーションは武器屋の裏にある店に売ってるよ 表からだとわかんなかったろ」


だから昨日わからなかったのか 裏にあるんじゃわかりっこないからな〜


「教えてくれてありがとおばちゃん! また来るね」


「はいよ 何か買っていくんならいつでも大歓迎だよ」


早速ポーションを買いに行こう で、ラップルーか、形は洋梨なんだけど色が黄色だな 味は未知数だな 


歩きながらラップルーを1つ齧ってみる


味はまんまりんごだな だけど瑞々しさと甘さが段違いだ こっちには魔力があるから美味しくなってるのかな?


ラップルーを食べ終わる頃にはポーション屋の前まで来ていた


古ぼけた外観をしている


「ごめんくださ〜い 」


中に入ると棚に沢山のポーションが陳列されている、品揃えは良さそうだ


僕が石化解きのポーションを探していると、奥からトタトタと誰かがやってくる 店主だろうか


「んお お客さんか なんのポーションが欲しいんじゃ?」


奥から現れたのは髭を長く蓄えたザ・仙人みたいなお爺さんだった この人がポーション屋の店主かな? 似合いすぎるぜ…


「実はバジリスク討伐に行くので 石化解きのポーションを探してるんですけども…」


「ほうほう バジリスクとな お主まだちっこいのに中々の実力者だの 石化解きのポーションじゃな? 確かこっちの棚にあったような…」


と、お爺ちゃんが棚をごそごそとやって、やがて緑色のポーションが入った瓶を取り出した


「あったぞい これが石化解きのポーションじゃ 使い方は塗ってよし、飲んでよしじゃ 飲んだりかけたりしたら一定時間石化もしないし、石化した箇所もたちまち元通りじゃよ 一本銅貨3枚じゃ 何本買う?」


ポーションは便利だな 味はどうなんだろ? 緑だし期待しない方がいいかも…


「とりあえず3本ください はいこれ、銅貨9枚です」


鞄から銅貨を取り出してお爺さんに渡す


「うむ、たしかに9枚じゃ じゃあ在庫からちょっと取ってくるでの 包んだりした方がええか?」


「いえ大丈夫だと思います 僕の魔法鞄 中の物がぶつかることないと思うので」


ほんと便利なカバンだな 猫型ロボットのポケットとは違って焦っても取り出せるから便利だな


「魔法鞄を持っておるのか! 便利なものを持ってるの〜 じゃあ取ってくるわい」


そう言って奥に引っ込み、やがて追加の2本を持ってきて僕に渡した


「ほれ ポーション確かに3本じゃ 気をつけるんじゃぞ」


「ありがとうございます また来ますね」


さて、いよいよバジリスク退治だ 


…………



ポーション屋を後にした僕は街の裏口から外に出た


「さてと〜 バジリスクが2頭確認されたのが森の中の洞窟らへんだって話だからな〜 確か載ってた地図だとこっちかな」


僕は森の中に入り、草をかき分けながら進む 段々と進んでいくと石化したゴブリンを見つけた


「うお! バジリスクにやられたのか魔物とかでもポーション効くのかな? まぁゴブリンの石化を解く必要ないけど」


だが、これがあるってことは近くにいるのだろう

もうそろそろでその洞窟のあたりにつきそうだ


そこから少し進むと森が開けて洞窟が現れた


「ここか〜 だけどバジリスクの気配がないな」


僕は索敵を使い魔力を探ると 大きめな魔力反応が二つと弱い反応が一つ洞窟内から感じられた


(洞窟の中にいるのか てか3つあるだと? 報告は2頭だったはずだが…)


そう考えていると洞窟の中に金色の目が光った


バジリスクだ!


「「シュロロロロッ」」


洞窟の中からバジリスクが二体出てくる、大きさは牛くらいの大きなトカゲだ 目が大きく、金色に光っている


「顕現せよ 我が心剣 今その力を示せ“ミスリルの剣” さてと、目を見なければ石化しないんだっけな」


僕は剣を正眼に構えながら、バジリスクの目を見ないように足を見て位置を把握する 


「シャルルルルルッ!」


2頭のうち一体が、僕に覆い被さるように飛びかかってきた


(速い! だけど対処しきれないわけじゃない )


僕は目を見ないようにバジリスクの腹のあたりを見ながら斬りかかろうとすると、突然バジリスクが右に逸れた


「なんだ!?」


するとなんと後ろには前のバジリスクに隠れていたバジリスクが現れ、思いっきり目を見てしまった


(くそ! こいつらまさかの連携プレーしてくるぞ)


見ると足先から石化してきている


(まずい! ポーションを!」


急いで鞄に手を入れ、ポーションを取り出すと中身を足にかける

するとみるみると石化が解けていった


(ふぅーっ ポーション様様だな これで一定期間は石化にならないぜ)


「覚悟しろよ、トカゲども 今の僕はスター状態だぜ ハァッ!」


先程、最初に襲いかかってきたバジリスクに向かい駆け出し身体超強化を一瞬かけ加速する


バジリスクは焦ったようにこちらを魔眼で石化させようとしてくる


「残念だったな! 今の僕には効かないぜ! セイッ!」


バジリスクの頭を一太刀で跳ね飛ばす 


すると


「ジャラララララララァ!!」


どうやら一頭を殺されてブチ切れたようだ


「あと1匹!! おりぁぁぁあ!」


その場で飛び上がり、唐竹割に斬り下ろそうとするが今度は指先が石化していき、その速度は先ほどよりも速い


{まずい! このタイミングで効果切れやがった! しかもキレたバジリスクが魔力込めまくったから、進行が速い! このまま腕が肩まで石化すると振れなくなってしまう!!)


だが、僕の体制はバジリスクに斬りかかろうと剣を振りかぶりながら飛び上がったかたちなので、もう止まることができない  


みるみる石化した腕はもう肘まで石化しかけている


(このままじゃまずい!)


すると

【石化耐性レベル1を獲得しました】


と機械音がきこえ、石化のスピードが減速する


(これなら間に合う!)



「うおぉぉぉお! 間に合えぇぇぇえ!!」


ザンッとなんとかバジリスクの首を落とす どうやら運がこっちにまわったようだ


「あっぶなかったぁ… あ、ポーションポーション!」


僕は手が使えないの鞄の中に顔を突っ込み、口でポーションを出し、栓のコルクを外すとポーションを口に加える


「背に腹はかえられん! 飲むぞ! せいっ! んぐっんぐ ぷはぁっ! 意外とうまいぞこれ! 栄養ドリンクみたいな味だ」


ポーションは意外にも美味しかった 緑色の液体のくせして爽やかな味わいだった 


石化がすぐに治っていった


「あ〜焦った〜 油断してた訳じゃないけど、まさか連携プレーするとはな さらに気を引き締めていこう」


見るとバジリスク2頭分の魔石と、皮と爪がと転がっている 魔石の大きさはバレーボールくらいだ

ゴブリンは素材は落ちなかったな なんでだろ?


僕はそれらを回収して鞄に入れていくと、ふと先程の三つ目の小さな魔力反応が気になった


(一体奥に何がいるんだろ? ちょっと見てみるか)


僕は洞窟の中に入り光魔法を指に灯しながら中を照らしてみた


(ここはバジリスクの巣だったんだな 骨とかが散乱しているな)


そこにはさまざまな骨が散乱していた、おそらく野生の動物を食べてたんだろう 魔力反応はまだ奥の方だ



(さーて何がでるかな? ん、これは…)



そこにいたのは石化した馬だった

大きさは大人の馬よりは少し小さめでまだ子供のようだ 


(非常食的な感じで保存してたのかな? そうだ! 石化解きのポーションまだ一本あるからかけてみよう)


馬の石像にポーションをかけると、みるみるうちに石化が解けていき、段々と馬がでてくる


「ブルルルッ」


石化していた馬は青鹿毛の黒い馬だったようだ

石化が解けて、混乱しているのか跳ね回っている


「あぁ、暴れないで! そうだ!ラップルー食べるかな?」


僕は鞄から一つ取り出すと馬の方に持ってってやる


すると、暴れていた馬はその匂いに気付いたのか僕の手からラップルーを食べた


「ブルルッ ヒヒィーンッ!」


どうやらお気に召したようだ

その馬は僕に擦り寄ってきてもっとくれと催促してくる


結局全部食べられてしまった


「じゃあ逃してあげよう おいで」


僕が出口まで歩いて行くとその馬がちゃんと着いてきた いいこだ


外まで出てきた まぶしっ!


「じゃあここでお別れだね 今度はバジリスクに襲われるなよ」


そう言って街に戻ろうと歩き出すと、後ろからパカパカ聞こえて来る まさか…


「ブルルッ」


後ろを見るとやっぱり付いてきていた、馬は僕に近づくと顔を舐めてきて擦り寄ってくる

これ、懐かれちゃった感じっすか? 僕も罪な男だよね


「う〜ん どうしようかな〜 一応宿に馬房あったけどな」


するとその馬はウルウルとこちらを見つめてくる

ずるいぞこいつ…


「わかったよ 大きさもまだ大人じゃないから僕も乗れるし 遠出には、馬が必須だしな 鞍とか売ってるかな…」


と、僕は馬を連れて帰ることを決めて、街に一緒に向かった


…………


門番の人には驚かれたけど街には入れたな


とりあえず宿に預けとくか


僕は馬を連れて『龍の止まり木亭』に向かう


「ただいま〜リューネちゃん」


なかではリューネが掃除をしていた


「あ、おかえりなさーい 今日は、早いですね」


「いや、ちょっと用がありましてね 馬房に馬を預けたいんですけど…」


「馬を買ったんですね! それなら、追加で一日豆銅貨2枚ですけど大丈夫ですか?」


僕は鞄から豆銅貨と銅貨を取り出す


「買ったっていうか拾ったんですけどね はいこれお金です あと鞍とか買いたいんですけど売ってるところ知ってますか?」


「拾ったんですか? とっても面白い出会い方ですね! 鞍とかはうちでも取り扱ってるので、それでよければあたしがお馬さんを馬房にいれるときに取り付けておきますけど」


まじか 至れり尽くせりだなほんとに


「じゃあそれでお願いします 料金はいくらですか?」


「鞍と手綱を合わせて銀貨3枚でどうですか?」


「じゃあそれで」


鞄から銀貨を取り出して早速渡す


「はい じゃああたしが付けておきますね お馬さんはどこですか?」


二人で表まで出て馬のところに行く


「わぁ かっこいい色のお馬さんだ〜 名前はなんですか?」


名前か そういえばつけてなかったな 青鹿毛の名馬といったらフジキセキやらマンハッタンカフェだな アレキセキか? いやダサすぎる 

名馬といったら… はいよ!シルバー! これだな!

一回言ってみたかったし 


「こいつの名前はシルバーです」


「わぁ シルバーちゃんですね じゃああたしはシルバーちゃんを馬房に入れてきますね〜」


と言ってリューネちゃんと一緒にシルバーもトコトコと向かっていく 頭が良いのかもしれないな


僕はその後、依頼達成の報告をするのにギルドに向かった


「アレンくん! はやいっすね! 依頼は終わったんすか?」


「はい 終わりました 途中で馬を拾うこともありましたが 滞りなく終わりました」


「馬拾ったんすか〜? あははっ アレンくんは常に想像を超えてくるっすね! さてと、魔石見せてほしいっす」


僕は鞄からバジリスクの魔石を二つ取り出してカウンターの上に載せる


「はい! たしかに二つ確認したっす 依頼達成っす! はいこれ報酬の銀貨8枚っす!」


「ありがとうございます じゃあこれで」


「あ、そうだアレンくん ギルマスがそろそろ調査依頼出すって言ってたっすから、明日にでも見てみるっす!」


ゴブリンキングの調査依頼かまぁ偵察に言ってステータスだけでも見ておきたいな


そんなことを考えていると、突然、昨日のドリルが僕の前に立ちはだかったのだ


「ちょっとあなた待ちなさいよ! ちょ〜っと強いゴブリン倒しただけで調子乗ってるんじゃないわよ!」


またこいつか〜 今日もいいドリルだな 毎朝大変じゃないの?それ


「またあなたですか? ドリルさん はぁっ へーへー分かりましたよ これからは慎ましく生るとします じゃあオラはもう行くだよ」


「ムキ〜ッ! ほんとムカつくのよあなた! だから私はクリスティーナよ! ドリルじゃないわ! ふんっ! あんたが倒したゴブリンよりもっと、も〜っと大きなゴブリン倒してやるんだから! 覚えてなさ〜い!」


そう言ってドリルはギルドの外に駆け出していった 嵐のようなやつだ…


その後僕はギルド内の食堂で昼食を食べ、街をブラブラと歩いていた


武器屋だ ちょっと気になるな〜 一応剣はいらないけど寄ってみよう だって男の子だもん


中には所狭しと剣や防具や盾などが陳列されており


奥には店主だろうかガタイのいいおじさんが座っていた 


そういえば防具持ってないんだよな〜 一応防御力は高めだけどあるに越したことはないだろう


ただな〜あまり重いと遅くなるから軽装がいいかな?


そう考えて防具の棚を見ていると店主のおじさんがやってきた


「おう、坊主何探してんだ? もしかして冒険者なのか?」


お〜ダンディボイス 


「一応冒険者ですよ 防具を見てたんですけど 速さをあまり落としたくないので軽いやつを探してるんですよ」


「ほほう いい判断だな なかなか賢明じゃねぇか

んじゃあこれはどうだ? ロイヤルジャイアントバッドの皮で作られてるやつだ 軽い上に丈夫だぞ」


渡された装備をつけてみる


「すごい軽いですね! 着けてる感じがしない! おいくらですか?」


「これは全部で金貨4枚だな ロイヤルジャイアントバッドの生息地は洞窟の深部だからな 値段が割高なんだ」


まじか全然足りないな! くそぅ 貯めて買いにこよう


「今はちょっと手が出ないですね… お金が貯まったらまた来ます」


「おう!待ってるぜ 早く一端に稼げるようになりな」


この人も見た目怖いけど優しい系だ 人ってあったかいや…


武器屋を出ると空が暗くなり始めていた そろそろ待ちに待ったリューネちゃんのご飯だ!


僕はスキップしながら宿に帰った 周りから怪訝な目で見られたが、あんな美味しいご飯に心躍らない人がいようか、いやいない(反語)


「今度こそただいまです、 リューネちゃん」


リューネちゃんはテーブルを拭いていた


「あ、おかえりなさ〜い シルバーちゃんすっごくお利口さんでしたよ〜 鞍と手綱つけといたので、明日にでも確認してください」


これで明日から遠出できるだろう 行動範囲が広がりんぐ


「ありがとうございます」


「じゃあそろそろご飯にするので席に座っちゃって下さい」


よっしゃ! 待ちに待ったリューネちゃんのご飯だ! ってか、僕以外に客いないのかな? 由々しき事態だ こんなサービスいいのに 店主がちょっと小さいだけだよ


待っていると、やがてリューネちゃんがお盆を運んでくる  よっしゃ! 遂にきた!


「んしょ んしょ… はい!おまちどうさまです〜! 召し上がってください〜」


夕ご飯はシチューのようだ 早速いただこう


「いただきます! はふっはふっ… 美味すぎる!! シチューにしっかりとしたコクがある! 肉も野菜も柔らかくて歯がいらないくらいだ」


美味い、美味すぎる… リューネちゃんが見てなかったら泣いてたぐらい美味い


「えへへ そう言ってもらえてとっても嬉しいです〜!

そんなに速く食べちゃうと喉に詰まっちゃいますよ〜 気をつけてくださいね〜」


夕ご飯もすぐさま完食してしまった


「ごちそうさまでした! すっごく美味しかったです」


「えへへっ お粗末さまでした! じゃあ下げちゃいますね〜」


と、食器を裏まで下げていく

ドワーフだからあの見た目で成人けど、やはり違和感しかない


僕は自分の部屋に戻り、濡らしたタオルで体を拭くと、寝巻きに着替えてベッドに入る


(明日はゴブリンキングの調査依頼出てたら受けてみよかな 明日も頑張ろう)



そう思って眠り 冒険者生活2日目は終わった


読んでいただきありがとうございます!

感想や評価が執筆の励みなってます!ありがとうございます!!


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