第二章 冒険者編 第2話 アレンくん冒険者デビュー
やっとゴブリン出せます
村を出た僕は、鑑定の儀の時に行った街のゴアの街に向かっていた
「こっから徒歩で向かうとなるとどれくらいかかるのかね? 馬で半日だから大体1日とかそんなかな〜」
この前の道中は魔物は出なかったからな 何の障害もなく着くだろう
身体強化をかけて走って行こうかとも考えたが、こうやってのんびりと歩くのも醍醐味だろう
そうやってテクテクと、周りの情景(ずっと森)を楽しみながら歩いていくと段々と辺りが暗くなってきた
(もう、そろそろ真っ暗になるし、もう野営の準備しちゃうか)
そう思って、少し脇の森の中に入り適当な野営地を設定する
「今日はここをキャンプ地とする!!
俺的一回は言ってみたいセリフ 第7位がいえた… 感無量」
そうと決まればテントの設営をしよう
僕は父さんから貰った魔法鞄に手を突っ込んでゴソゴソする
テレレテッテレ〜!!
「テ〜ン〜ト〜」
気分はあの未来の猫型ロボットだ うーふーふー
なんとも便利なものだ、テントくらいの大きさならそのまま入った
僕は父さんから前から野営とかの知識は教えてもらっていたので、慣れた手つきでテントを設置していく
あとは周りから手頃な乾燥した木を集めて焚き火の準備だ 木を組んで火魔法で火をつける やっぱり魔法は便利だな 一家に一台火魔法だ
食材は家から持ってきてある、肉と少しの野菜だ
香辛料や、塩は高価なのであまり持ってこれなかった
僕は親指と小指で塩をとり、肉にかけて焼く
確かこうすると少ない量がいい感じに取れるんだよな 余分な量を取らないようにコップで水を飲むときは小指を立てて飲まなくちゃ ハンカチを互いに掴み合いながら殴り合う決闘をする時も親指と小指で挟もう ありがとう 範馬●牙
と、一人なので独り言というか考える時間が多くなる パチパチと燃える焚き火を見ながら僕は今後について考える
(冒険者をするにあたって移動手段とか必要かもな あとは仲間だ 別にソロでもいけるかもしれないけど もし動けなくなった時に誰かいた方が安全性は増すだろう といっても後三年くらい時間はあるからな 後半はテレポートで行った街を回れるようになってんのかな? )
見ると肉と野菜がいい感じに火が通っているフライパンから直接フォークで食べる 野菜の甘味と肉の旨味が、じゅわっと滲み出てくる 美味いなぁ〜
全て平らげ、お腹もくちくなったので後は寝るだけだ
「アレえもーん 僕とっても眠いんだ〜 何か道具出して〜
しょうがないなぁ〜アレ太くんは〜
テレレテッテレー!!
ね〜ぶ〜く〜ろ〜」
と一人小芝居をしながら寝袋をカバンから取り出す、これ楽しいな! 毎回やろ
「おやすみ〜」
僕は誰に言うでもなく、そう呟いてから寝た
…………
僕は日の出と共に起きた、外は直に日の光が入るから起きてしまう 自然の目覚まし時計だ
僕はパパパッと、テントやらを鞄の中に仕舞い込む まじで便利だなこれ一応時間は止まってないみたいだから生物の保存とかは出来ないけど それでも断然ありがたい ありがとう父よ
やはり代わり映えのない道をただひたすらに歩く
やがてゴアの街の門が見えてきた やっと着いた〜
やはり門番が立っているようだ 前と同じ人かな?
まだ早朝だからか僕くらいしか通る人がいないみたいだ
「そこで止まれ! 街に入る目的はなんだ?」
やっぱり空港みたいだな 観光ですって言いそうになる サイトシーング
「冒険者になるためです」
「ということは身分証は持ってないということだな
少々通過料が高くなる 銅貨2枚だ」
「はい、どうぞ」
僕は鞄をゴソゴソとやり銅貨を2枚取り出す
ど〜う〜か〜
一応少しのお金は持ってきてあるのだ
「うむ たしかに2枚頂いた 通行を許可する!」
僕は門番にぺこっと会釈をしてから街に入る
右手にはあの教会がある、ちょっと新しくなってるな あの戦闘の余波でボロボロだったからな
一度来たことはあるが教会にしか行ってないし、途中から昏睡状態だったしな ほぼ初見だ
まだ早朝だからか市場もちらほらとしか開いていない お、ここは八百屋かな ギルドの場所を聞いてみよう
僕は店番のおばちゃんに話しかけた
「あの〜すみません 冒険者ギルドはどこですか?」
「ん?なんだい? 冒険者ギルドはあのおっきな建物だけど あんたいくつだい?」
「7歳です」
するとおばちゃんはびっくりした顔をする
「へぇ〜! こんな小さいのに冒険者になるのかい 一応規定だと7歳から登録できることにはなってるけど、そんなやつはほとんどいないからねぇ
ま、ほどほどに頑張んなよ 稼ぎが出たらうちの野菜も買っておくれ」
「うん! 教えてくれてありがと おばちゃん お金が入ったら野菜買うね」
「あいよ 楽しみにしとくね」
父さんが7歳になったら冒険者にするって言ってたから、てっきりみんなそうなんだと思ってたけど
もしかして珍しいのか? おいおい話が違うぜ
僕はちょっとドギマギしながら言われた冒険者ギルドの建物に向かった
「近くで見ると おっきいな〜」
7歳の身長だからそう見えるのかもしれないけどやっぱり大きめの建物だ 三階建てなのかな?
僕はギィッと扉を開けて中に入ると中にはチラホラと屈強な男たちがいて、僕に気づくとニヤニヤとこちらを見てきている
僕は目を合わせないようにして受付に向かう
「こんにちは! どんな御用件っすか!?」
受付嬢のようだ 赤い髪のショートカットのお姉さんだ なんだか陸上部みたいなものを感じる
「冒険者登録に来ました」
そう言うと後ろから笑い声が聞こえて来る 勝手に笑ってろ
「登録っすか? 一応7歳から登録はできるっすけど危険な職業っすよ それでもするっすか?」
優しいお姉さんみたいだ、僕の身を案じてくれている
「はい! 僕は大丈夫です」
「わかったっす! じゃあ早速登録するっすよ!」
そう言って銀色の金属のプレートと針を用意してきた
「さぁ! この針で指をちくってやってこの板のこの窪みに血をつけるっす!」
僕は針で指先を少し刺して血を滲ませ、その窪みに押し付ける
するとパァッと板が光り、みるみる色が銀から茶色に変わり、文字が刻まれ始めた
そこには僕の名前、年齢 そしてFという文字が刻まれている
「はい! これで完了っす! これで君も今日から冒険者っすよ〜! じゃあちょっとカードを拝見…
あれ?もしかしてアレンくんっすか? ララさんの息子さんの?」
「そうですけど なんで僕のこと知ってるんですか?」
「鑑定の儀での騒ぎの時ウチが担当だったんすよ〜
あ、あの時アレンくんは寝てたからウチのこと知らないっすよね〜」
なるほど、だから知ってるのか
「その節はありがとうございました」
と僕はペコリとお辞儀をする
「ずいぶん礼儀正しい子っすね〜 どういたしましてっすよ〜 ウチもただ仕事しただけっすから〜
さてさて、冒険者の新人くんのアレンくんに、お姉さんが色々教えてあげるっす」
と言ってパチンとウインクしてきた
「お願いします」
「はいは〜い! じゃあまずは…」
話をまとめるとこうだ
冒険者はランクで分かれて管理されており
一番下はFで、一番上はSSランクらしい ここら辺はあるあるだろう
ランクを上げる方法は大きく分けて二つあり、一つ目は、依頼を達成して規定数達成すること
二つ目は、ギルドからの推薦を受けること
推薦を受けるのは、緊急の依頼を受けたり、功績がギルドに認められた時なんだそうだ
Cランクまでは規定の期間依頼を受けないとランクの下降やギルドカードの失効などのペナルティがあるが、それ以上のランクは特にないようだ
依頼は自分のランク、もしくは一つ上のランクのが受けられるようだ
当たり前だが、一つランクが上の依頼の方がより早くランクが上がるらしい
とまぁこんな感じの説明だった お姉さんの説明はとても丁寧でわかりやすかった ありがたや…
「よしっこれで説明は終わりっすよ! さぁアレンくんの冒険のはじまりはじまり〜! 依頼はそこのボードにあるから、受けたいのあったら持ってくるっす!」
「ありがとうございます えぇっとお名前を聞いてもいいですか?」
お姉さんは一瞬キョトンとして、すぐに合点がいった顔をした
「うちの名前はルカって言うっす! これからよろしくっす! アレンくん わからないことがあったらいつでも聞くっすよ〜」
「わかりました いつでも聞きに来ますね」
なんとも優しい人だ 思わずジーンとしてしまう
さてと、依頼を取りに行こうかな
てかあれだなこれ、テンプレなら先輩冒険者に絡まれて決闘からの俺TUEEEEじゃん いっちょ、やったりますかー
そう意気込みながら、後ろを振り返ると強面の先輩方が僕に可愛がりをしようとニヤニヤとよってくる
(さぁ 誰が相手かな ボコボコにしちゃるけぇの)
そう思って僕もニヤつきながらその集団に近づこうとすると後ろから声がかかる
「ちょっと!! あなた私より小さい癖に冒険者やろうなんて100年早いのよ! 身の程を知りなさい!」
後ろを振り返ると僕よりちょっと年上の10歳くらいの金髪縦巻きドリルが立っていた
(すげぇ! 縦巻きドリルだ 伝説は本当だったんだ! ラピュタは本当にあったんだ)
思わずその子の縦巻きロールをピンピンと引っ張って遊んでしまう お、バネみたいだ おもしろ
「いきなり何するのよ!? この変態!!」
そう言ってドリルがずざざっと距離を取り、キッとこちらを睨みつける 興奮してきたな
「あの〜? 何か用ですか? 僕依頼受けたいんですけど?」
「あなたが生意気だって言ってるのよ! 私よりチビなあなたが冒険者なんてやれっこないわ! 即刻に家に帰りなさい」
するってぇと何だい? ただ因縁つけてきただけってことかい?
「僕はあなたみたいなドリルの指示なんて受けませんよ 自分の意思で冒険者になったんです ほっといて下さい」
「な、何よそのドリルって呼び方! 失礼な響きよ! 私には誇り高い、クリスティーナ・ ハシュッドって名前があるのよ!」
と言ってそのクリスティーナは地団駄を踏み始めた
む、苗字かあるってことはもしかして貴族の令嬢か? なんで冒険者してんだろ? 訳ありそうだなめんどい ってかハシュッドってなんだよ ハッシュドビーフかこの野郎
「とにかく! あなたに関係ないです ほっといてください!」
そう言って僕はクエストボードを見に行く、後ろから何か聞こえるが無視無視 触らぬ神に祟りなしってね
気を取り直してクエストボードを見ると色んな依頼が貼ってある
(FかDの依頼で良さげなのは… あっこれとかどうだろう 『Dランク依頼 ゴブリンの討伐 一体につき豆銅貨4枚』 後で相場も調べなきゃだな… よし、これ受けよ」
僕はその依頼書を剥がすとルカさんのとこに持ってく
「これ、お願いしま〜す」
「はいは〜い ゴブリンの討伐依頼っすね〜 ゴブリンは倒したら魔石を落とすからそれの数によって報酬が払われるっす〜 んで、アレンくんあの話しかけてきた子はいいんすか? なんかまだバタバタしてるっすけど…」
ふと後ろを見ると、クリスティーナがハンカチを噛み、キーッと悔しがっている ほんとにやる人いるんだあれ、化石みたいなもんだろ
「いーんです 勝手に絡んできただけですから じゃあ僕は依頼に向かいますね」
「はいっす〜 頑張るっすよ〜」
僕はドリルの方に極力目を合わせないようにギルドを出た
(ルカさんの説明だと僕が入ってきた側と逆の方にある森に魔物がいるらしいからな そこに向かいながら街の様子を把握しとくか)
僕は街を見ながら歩く 色んな店が立ち並ぶ様子は目に楽しい
(あれは武器屋かな? 今度覗いてみよう
ポーションはどこに売ってるんだろ?今度聞いてみるか
お、豆銅貨2枚で魚1匹なのか ってことは豆銅貨一枚で200円とかかな? ってことはゴブリン1匹800円の報酬なのか なんとも安い命だ 合掌)
そんなこんなで村の逆側の出口に着く 門番に通行料を取られるかと思ったが取られなかった
なんでも、依頼で外に出るのは通行料がかからないんだと 毎回少なくない出費になるのでありがたい
(さてさて ゴブリンはどこかな〜 そんな時はこのスキル “し〜ん〜え〜ん〜が〜ん〜”)
僕が長い眠りから覚めた時に鑑定から進化した、この深淵眼は『ステータス鑑定、説明鑑定、名称鑑定、レベル鑑定』などの鑑定スキルを全部ひっくるめてあり、さらに相手が鑑定偽造をしていても見破ることができる能力もおまけした『深淵鑑定』の能力を持つ
さらにさらに、自分の周りの魔力を探れる、索敵機能までついているのだ 鑑定くんは鑑定様になったな
僕はその索敵機能を使って周囲の魔力反応を見ると、小さめの魔力群を見つけた
(比較的小さめの魔力だ しかも結構集まってるな ゴブリンかしら?)
とりあえずその魔力郡に向かってみると案の定、ゴブリンの集団がいた
(ビンゴ! やっぱりゴブリンだった! ひぃ、ふぅ、みぃ… 結構いるな 30匹くらいか がっぽり稼がせてもらいますわ ほないきまっせ〜!)
「顕現せよ 我が心剣 今その力を示せ “ミスリルの剣” うーん語呂が悪い!」
詠唱をし、ミスリルの剣を取り出すとゴブリン集団の前に躍り出る
「ギャギャッ! ギャガギャガ!!」
ゴブリン集団が一斉に襲いかかってくる、身長は僕よりも少し大きいくらいなのでなかなかの迫力だ
「だが… 全然遅い! フッ!」
一番先頭で襲いかかってきたゴブリンの首を一瞬で跳ね飛ばすとシュンッとゴブリンの死体が消えて魔石が落ちる
「まずは1匹 どんどん行こうか よっと」
僕はゴブリンたちの間を滑るように通りながら、首に剣を走らせる
「2、3、4、5…28、29、30、31、32匹目っ… これで終わりか 結構いたな〜」
そう言いながら振り返ると、地面に青く光る小さめな魔石が転がってる
剣を振って付いた血糊を落とすと機械音がきこえてくる
【ゴブリンを32匹倒しました 経験値240獲得しました 全経験値5倍の効果により総経験値1200獲得しました】
「やっぱり全然入らないな〜レベル差が空きすぎてんだろ」
僕はそれを鞄に数を数えながら入れていく
「30、31、32っと よし、全部入れたな 今回はこんな感じにして帰るか〜」
そして周りの魔物も確認しようと何気なく索敵を使うと少し遠くに大きめな魔力反応群があった
(なんだ? 結構デカめの反応だぞ 結構ここは街から近いし 一応確認しに行くか)
身体超強化を使い、速度を上げて向かうとそこには先程のゴブリンの3倍ほど巨大なゴブリンとゴブリンがさっきよりも多くいた
1番大きなゴブリンは手に大きな包丁のような刃物を持ち、簡素な鎧を着ている
(ステータスはどんなかなっと…)
その大きなゴブリンを鑑定してみると
ゴブリンジェネラル レベル58
体力:5870
速さ:1460
防御:3250
攻撃:4320
魔力:1580
知力:230
運 : 35
固有スキル
【統率】 レベル4
スキル
威圧 レベル3 剣術 レベル8 力強化 レベル4
称号
【ゴブリンの将軍】
…………
おお〜まぁまぁ強いな てか街の近くにいちゃダメだろこれ まじの新人冒険者なら一瞬でお陀仏だぞ
(剣まだ召喚しっぱなしでよかった)
僕がそう思ったのは、剣を出すのには声を出す必要があるからだ 声を出すと気づかれてしまうので『隠密』のスキルが使えないのだ
僕はゴブリン達の裏に周りそーっとゴブリンジェネラルの背後に忍び寄る どうやら全然気づかれないらしい
(スニーキングはお手の物さ できれば段ボールがあればよかったんだが… そうですよね蛇の旦那)
と、そんな巫山戯たことを考える余裕もあった
「ふっ! よし!意外に簡単だった!」
と、ゴブリンジェネラルの首を切り落とすことに成功した
僕の真夜中の知識ビュッフェで鍛えた隠密がこんなとこで役立つとは… 人生わからないもんですなぁ
集団の頭を失ったゴブリン達はこちらにめちゃくちゃに攻撃をしてくるが、どれも届かない
「こんなに集まってんなら 魔法が効率いいかな?」
そう思ったのでファイアーボールを放ち、ゴブリンたちを一網打尽にするのを続けていくと、あっという間に魔石しかなくなってしまった
ふぅ〜っと息を吐き汗を拭った
【ゴブリンジェネラル 一匹 ゴブリン 43匹 を倒しました 経験値2800獲得しました 全経験値5倍の効果により 総経験値14000獲得しました レベルが83になりました 隠密がレベル9になりました】
お、レベル上がったな 隠密は後、1レベルで進化かな? 楽しみだ
僕は地面に落ちている魔石を鞄に詰めていく ゴブリンジェネラルの魔石はボーリングのボールくらいの大きさだった
ってかやっぱり鞄便利だな 来れなかったらリアカー引いてたよ
「さてと、今度こそ戻りますか〜」
……………
街に戻った僕はギルドに報告に行った
「ルカさん 依頼終わったよ」
「お、早いっすね! じゃあ魔石見せてもらっていいっすか?」
「わかりました でもちょっと多いからここで出したら溢れちゃうんですけど…」
「え、溢れるほど取ってきたんすか? ってことは偶然群れに遭遇したんすね〜 いや〜7歳で村を単独撃破だなんてすごいっすよ! じゃあちょっと待つっす! 入れ物取ってくるっす〜」
そう言ってルカさんは大きめの籠を持ってきた
「ここに入れてほしいっす! 入れながら数えていくっすから、一個ずつ出してほしいっす!」
「わかりました、じゃあ出しますね」
「お願いするっす! えっと…
1個、2個、3個、4個、…… 10個 ほんとに多いっすね! たしかにこれは溢れるっす え?まだあるんすか? 11個、12個…… 30個… 多すぎるっすよ! どんな規模の群れだったんすか? もしかして複数の群れ? え!?まだまだあるんすか? はぁ〜 31個、32個、………75個! 全く何がどうなってこんなに倒したんすか!? そんな大規模な群れなんてなかなか無いっすよ! ふぅっ疲れたっす とりあえずこれで全部っすね」
いや〜なかなか大変な作業だった 最後らへんは他の冒険者たちも面白がって一緒に数えてたからな
ちょっとした騒ぎになってしまった
「あの〜ルカさん… 他の魔物のが一個あるんですけど…」
「他の魔物っすか? ここら辺ならスライムとかっすかね? 」
「これなんですけど…」
そう言って僕は鞄からゴブリンジェネラルの魔石をごそっと取り出す
すると、周りの冒険者とルカさんが息を呑んだ
僕なんかやっちゃいましたか?(すっとぼけ)
「こ、これ… もしかしなくても…ゴブリンジェネラルの魔石っすか?」
「そうですけど…」
周りの冒険者たちがざわざわとしだす
「と、とにかく報酬が先っす! えっと、ゴブリンが75匹、 ゴブリンジェネラルが1匹が金貨一枚だから…」
「金貨一枚に、銀貨3枚ですね」
「え! あ、アレンくんは計算速いっすね〜 たははっ こほんっ 報酬持ってくるっす」
とたとたとルカさんが奥に引っ込み、やがて麻の袋をもってきた
その中身を取り出して、目の前に並べり
「はい! 金貨一枚と銀河3枚っす! なかなかのお金持ちになったすね!」
確認し終えたので袋に戻して、受け取る
「はい! たしかに受けとりました じゃあ僕はこれで」
なんか厄介ごとを巻き込んでしまいそうなので早々に退出しようとするが
「アレンくん ちょっと待つっす!」
と、ルカさんから呼び止められてしまう
「なんでしょうかルカさん?」
厄介ごとでありませんように
「ちょ〜っと ギルマスと話してもらうっす」
あぁ、やっぱり厄介ごとっぽい
読んでいただきありがとうございます!
感想や評価が執筆の励みなってます!ありがとうございます!!




