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第二章 冒険者編 第1話 プロローグ〜門出〜

ついに第二章がはじまります ようやく異世界冒険譚っぽくなりますね

眠りから覚め、自分に課せられた力を自覚してから2年、僕は7歳になっていた


今日も今日とて訓練である


「はぁっ!!」


身体超強化によって高められた脚力で父さんに一気に距離を詰め、木刀を袈裟懸けに振る


「シィッ! まだまだ!」


が、受け流されてしまった


「今日こそ 勝ぁぁつ!!」


「来い!! アレン!」


(この一撃に全てを賭ける!!)


「うらぁぁぁぁああ!!」


渾身の力を込めて剣を振りおろす



バキィッ! 


 

「み、見事だ… アレン」


見ると、父さんの木刀は半ばから叩き折れており、僕の切先が首筋に添えられていた


「よ、よっしゃぁぁあ! やっと勝てた!!」


思わず跳ね回り、全身で喜んでしまう


「まさか、俺が7歳の息子に負けるとはな〜 いつかは来ると思ったが子供の成長の速さにはいつも驚かされるぜ… アレン!!」


「何?父さん」


「勝ったお前に教えることは何もない! 今日をもってお前を一人前として扱う!」


父さんが真剣な顔をしてそう宣言した


「はい! 今日までの訓練ありがとうございました!!」


僕は父さんに頭を下げる


「あぁ 俺もお前との訓練は楽しかったぜ とりあえず家に帰ろう、今後について話がある」


その言葉に従い、家に帰ると母さんが昼食の用意をしていた


「あら お帰りなさい二人とも」


「ただいま ララ 悪いんだが昼飯の前に話がある」


「わかったわ」


家族3人でテーブルを囲むように座る


「話ってのはアレンの今後についてだ」


「…… ごくっ」



「確かに それは大事な話ね」



「単刀直入に言おう アレン お前は明日家を出て冒険者になれ」



お!? めっちゃ急だな たしかに7歳で冒険者登録できるんだっけ


「これまた急だね もうちょい前に言ってくれると思ってたけど…」


「まぁ、俺もそのつもりだったんだがな だが今日お前は俺に勝った もう冒険者としての戦闘面は十分だろう そう判断したからもう良い頃合いだろうって決めたんだ」


「うそ! アレンがグランに勝ったって言うの!?

引退したとはいえ、元Aランク冒険者なのよ?」


「あぁ だからその元Aランクの俺が断言するぞ アレンはもう十分に一人前の実力だ だからアレンお前は明日、家を出ろ」


まぁ、遅かれ早かれ冒険者にはなるつもりだったしな 早いに越したことはない 一応精神年齢はアラサーだしな〜


「うん わかったよ父さん とりあえず必要な荷物まとめとくね」


そう言って僕は部屋に戻った


「って言ってもなぁ 剣は必要ないだろ〜 野営の時に色々便利なおっきくて丈夫な布! あと、水とかは水魔法でいけるからな〜 あとは食器類とかだな… 」


そうして準備を着々と進めていく、もともと前から準備を進めていたのでほとんどまとまっていた


するとガチャっと後ろの扉が開き、見ると父さんが立っていた


「おい アレン ほれっ」


ぽすっとこちらに皮の鞄が投げ渡される


「これは?」


「俺が冒険者の時に使ってた魔法鞄だ ある程度の大きさのものが見た目以上の容量に入る、優れもんだ 俺はもう使わないからな お前が使ってやってくれ」


「ありがとう…父さん 大事に使うよ」


ぎゅっとカバンを抱きしめる この鞄は父さんから送られた僕の冒険者の門出への祝い品だ 大切に使おう


するとドタドタと母さんが走ってくる


「はぁ はぁ…やっと見つけたわ アレンこれ! 使って!」


なんだこれは?布?


「私が使ってたローブよ! 軽いし、暑い時は涼しく、寒い時にはあったかくなる魔術が仕込まれたとっても便利なものよ! 私の相棒だったけど、誰かに使われた方がこの子も喜ぶわ!」


ローブだったのか! ごめん布?とか思っちゃった… これも大事に使おう


「ありがとう 母さん 父さん どっちも大切に使わせてもらうよ 」


「あぁ 頑張れよ まぁでも10歳の頃に一回戻ってこいよ 学校に行かせなきゃだからな」


「アレンは私たちの子だもん きっと大丈夫よ」


「うん とりあえず10歳まで頑張ってみるよ」


「今日は明日に備えて早めに寝ろよ 」


「もちろんだよ」


そうして、二人が部屋から出て行った


(明日から冒険者デビューだ、決意新たに頑張るぞ)



……………



朝になった 今日が最後の家での朝だ


「おはよう 父さん 母さん」


「おはよう アレン よく眠れたか?」


「うん ちょっと寝付けなかったけど疲れとかはないよ」


「おはよう アレン 母さん ちょっと張り切ってご飯作ったからいっぱい食べていってね」


「ありがとう母さん しばらく食べられないから

いっぱい食べるね」


いつもより少し豪華な朝食を食べ終わり、僕は立ち上がる


「いよいよ…だな」


「うん もう僕行くよ」


「俺らとはここでお別れだ 村の入り口まで見送ったらお前も行きずらいだろう こほんっ 何度も言うが、頑張れよアレン! お前は強い子だ もしかしたら次会う時は俺のランクなんか飛び越えた冒険者になってるかもな」


「うふふっ 案外そうかもしれないわね だって私たちの子だもん アレン 無茶はしちゃだめよ 退くことも選択できるほど広く視野を持つことが大事よ 頑張ってらっしゃい」


最後に二人と抱擁を交わすと、いよいよ門出の時だ



「じゃあ、行ってくるよ 母さん、父さん! 次会う時は絶対にもっと強くなってみせるよ」


「あぁ またな アレン」


「えぇ いってらっしゃいアレン!」


「行ってきます!」



僕自身の冒険の幕開けだ


読んでいただきありがとうございます


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