第一章 誕生編 第10話 VSサテラ
ついに二桁です
(聖剣アレクサンダーだって!?)
なぜかそこには聖剣アレクサンダーがあった
僕の【剣召喚】のスキルは日々の鍛錬でレベルが2に上がり 木刀のほかに鉄剣を召喚可能になっていた
しかし聖剣なんて大それたものは身に覚えがない
(だけどこの場を打開するにはこれしかない!!)
「聖剣!!アレクサンダー!!!」
手を開いていくと美しい装飾の入った剣が出てくる
(こ、これが聖剣……)
手に持つと体が全能感に包まれるが何かがゴリゴリと削られていく感覚がある
(あまり長い時間をかけられないなこれは)
サテラと母さんは戦闘そっちのけでこちらを見ている
「サテラ!! 僕が相手だ!!」
サテラに向かって駆け出すが通常とは比べ物にならない速さだ これが聖剣の力なのか
「チィッ とんだクソガキじゃないの!!
ダークネスボール!!」
サテラが僕に向けて暗黒魔法を放つ
「甘い!!」
亜音速で飛んできた魔法を一刀両断する
(よし!動体視力も強化されてるみたいだ! ちゃんと見える!)
「うそでしょ! 私の魔法を切るなんて! このっこのっ!」
サテラは何発もダークネスボールを打つがその全てを斬り伏せる
(いけるぞ! 当たらなければどうということもないのだよ!)
「っち! 魔法はもう通用しないってわけね〜 ふーん、ほんと生意気なガキだな〜 じゃあこっちは耐え切れるかな〜♡」
そう言ってサテラは鞭を取り出す
「私魔法よりこっちの方が得意なの! たっぷり痛めつけてあげる♡」
そう言って床を鞭で叩くたびに床が抉れていく
「さぁあなたの可愛い叫び声を聞かせてね〜!」
サテラが振るった鞭がうねうねと生き物のように飛んでくる
「ちゃんと見えてるぞ!」
しっかりと目で見て剣で受け止めようとするが、鞭が突然、手元で急激に変化し、顔面に思いっきり痛烈な一撃を食らってしまった!
「うぐぁっ!!」
これが本気の一撃か…頭がクラクラしやがる 意識がまだあるのが不思議なくらいだ…
サテラは体をくねらせて恍惚な表情を浮かべる
「あぁ…いいわ…いい悲鳴よアレンくん!! もっと私に聞かせてちょうだい!!」
サテラが更に勢いをつけて鞭を振るった
(くそっ!今度こそ意識を持ってかれてしまう! なんとか防がないと)
僕は咄嗟にアースウォールを目の前に展開する
「あら?もしかして無詠唱で魔法が使えるの? 剣だけじゃないんだね〜 楽しいわ!アレンくん あなたは本当に最高のおもちゃよ もっともっと私を楽しませて♡」
僕がサテラを相手にしている隙にいつのまにか僕の斜め後ろに移動していたお母さんは焦った顔をしていた
「アレン! 早く逃げてって言ったじゃない!」
そうしたかったのは山々だが、母さんの魔法も効かない相手だ おそらく何かしらの耐性スキルを持っている可能性が高くそれを隠蔽しているのだろう
それを突破できるのはおそらくこの聖剣くらいだろう
「母さん! こいつを止められるのは、多分、僕だけだ! リリを連れて早く遠くへ! こいつの狙いはリリだ!」
「そんなことできないわ! 子供を置いて逃げる母親がどこにいるのよ!!」
「お願いだよ母さん! この剣を出してられる時間もそう長くはなさそうなんだ 母さんたちを気にしながら倒せる相手じゃないんだ!!」
「でも!…」
母さんはまだ迷っている それもそうだ とても選べる選択肢じゃないだろう
「へ〜美しい親子愛ね〜… 私って綺麗なものって壊したくなっちゃうの こんなふうにねっ!」
サテラが母さんの方に向かって鞭を振るう
「させるかぁ!!」
僕は母さんの前に立ちはだかり鞭を薙ぎ払う
「早くいって! 母さん!! コイツを止めていられなくなる!!」
その声にハッとなった母さんは 覚悟の決まった顔をする どうやらわかってもらえたようだ
「わかったわアレン リリちゃんを連れて一旦、逃げるわ でもアレン! 絶対に死んだらダメよ! 絶対に母さんとまた会えるって約束して!」
「約束するよ母さん 僕もすぐ後から向かうから」
母さんは頷くとリリの方に駆け出す
「リリちゃん!! 手につかまって!!」
「うん!!」
伸ばしたリリの手をガシッと掴んだ母さんはすぐに引っ張り胸に抱き寄せる
「アレン!! やっちゃえ!!」
母さんがリリを回収できた よし!あとは逃すだけだ
「私が逃すわけないでしょっ!! エンチャント!!暗黒魔法!!」
サテラが鞭に暗黒魔法を付加して威力を上げて、今までよりも遥かに速く鞭を飛ばしてきた
「僕が逃すんだよ!! エンチャント!! 雷魔法!!」
僕も聖剣に雷魔法を付加するが剣の格が高すぎるのか体の魔術回路からぶちぶちと音がして激痛が走る
しかし今は弱音を吐いている時間ではない
痛みに耐えながら魔術操作で力尽くでエンチャントを成功させる
鞭と母さんの間に割り込み、剣で鞭を止める
「ぐぅぅっ! 止まれ!!」
鞭と剣が拮抗している しかしギャリギャリと鞭と剣が押し合うと、僕の力も削られていく感覚がする
(ちくしょう!!もう限界が近いのか!!)
「う、うぉぉぉぉぉおおお!!!」
全身の力を振り絞って鞭を押し返す
ふっと後ろを見てみると母さんのリリの二人はいなくなっていた どうやら逃げることができたらしい
第一目標達成だ!
するとサテラが地団駄を踏んで悔しがっていた
「くそ!くそ!! お前のせいで計画が台無しだよ!! もういいわ! あなたをさっさと殺してからあの小娘どもを嬲り殺しにするわ!」
そういうと凄惨な笑みを浮かべ、さらに彼女から発せられるプレッシャーが増していく
(こいつ今なんて言いやがった? リリと母さんを嬲り殺すだと!! ふざけるな……ふざけるなよ!!)
「させない!! そんなこと絶対にさせないぞ!!」
そう叫ぶと体の中からドス黒い中かが溢れ出す すると美しい装飾だった聖剣がみるみると変化をしていき、禍々しい形へと変わっていく
(この女を絶対にここで倒す!!……いや……殺す!!)
剣を力任せに振り下ろし続ける
「オッラァァァア!!」
それをサテラは鞭で受け流すが段々と表情に焦りが見え始めてきた
「いきなりなんなの?この力は!! しかも 剣を振るご度ににどんどん増していっているじゃない!!」
「ウガァアア!! 殺すころすコロス!!!」
自分でも何を言っているのか何をしているのかわからなくなってしまっているが 相手を絶対に殺してやるという意識だけは、ハッキリと鮮明だ
すると自分の口から勝手に詠唱が溢れだす
「エンチャントォォオ!! “神祖魔法”!!、」
刀身が禍々しい絶大な魔力によって包まれ、荒れ狂うような力を帯びる それを躊躇いなく使う
「死ぃぃぃいねぇぇぇえ!!!」
サテラの首に向けて剣を横薙ぎに走らせる
サテラは焦りながらも鞭で受け止めようとするが、その受け止めた鞭を剣が切り裂いてしまう
「神祖魔法……その力はまさか! ま……」
ズシュッ
(斬った…)
サテラの首に赤い線がツーっと入っていき、ストンと首が落ちる
限界をとうの昔に超えてしまっている体は、剣を振り切ったそのまま体勢で止まってしまった
そしてら魔力が尽き、さらに気が抜けたことで意識を手放しはじめてしまう
(あぁ…いつのまに終わってたんだ? 何も思い出せないや ……そんなことより… ね…む………い…………)
そこでプツリと意識が切れた……
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【経験値を73500獲得しました 全経験値5倍の効果により総取得経験値が367500になりました
レベルが82になりました
【剣召喚】がレベル3に上がりました
召喚可能剣に『ミスリルの剣』が追加されました
魔術操作がレベル10になりました
魔術操作が進化し、魔術支配レベル1を獲得しました 魔術支配がレベル3になりました
中剣術がレベル10になりました
中剣術が進化し、上剣術レベル1を獲得しました
上剣術がレベル7になりました
火魔法がレベル8になりました
水魔法がレベル7になりました
土魔法がレベル9になりました
風魔法がレベル7になりました
光魔法がレベル7になりました
闇魔法がレベル7になりました
雷魔法がレベル10になりました
雷魔法が進化し、紫電魔法レベル1を獲得しました
紫電魔法がレベル2になりました
身体強化がレベル10になりました 身体強化が進化し、身体超強化レベル1を獲得しました 身体超強化がレベル2になりました
隠密がレベル8になりました
高速演算がレベル6になりました
鑑定がレベル5になりました 鑑定が進化し、『深淵眼』レベル-を得ました
限界突破レベル1を獲得しました
限界突破がレベル3になりました
起死回生レベル1を獲得しました
起死回生がレベル3になりました
称号 【悪魔殺し】を得ました 【ジャイアントキリング】を得ました 【ど根性】を得ました
魂が著しく損傷しています 称号【世界を渡るもの】により増加した魂を修復に当てます………………成功 魂が修復されました
身体機能の回復、および魂の適応完了までスリープモードに移行します……… 】
……………
「くくくっ やはり我の力にはまだ耐えきれんかったようだ」
「おい!なんで魂が壊れかけるほど力を渡したんだ!?そこまでする必要があったのか?」
「我が渡したのではない 此奴が望んだからだ 我はそれに従ったまでよ……」
「何?彼が力を求めたってのか? その恐ろしい力を?」
「くっくっく 実に面白い! 何百年振りに我が退屈を癒してくれそうな催し物が起きそうじゃないか まぁ、我としては、どちらに転んだとしても愉快なことではあるのだがな くははっ」
「絶対にお前の思い通りになんかさせない 彼を僕が導いて見せる!」
「“導いて見せる” か ほう…言うではないか… だが最終的に決めるのは此奴だ 我はその審判の日を楽しみにゆるりと待つとしよう…… くくっ さぁて、一体いつ孵るのやらなぁ………」
……………
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