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災強令嬢の魔窟グルメ  作者: ハチャメチャとまと
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くやしいっくやしいっ

 しかし、くっさー。こんなものが好きだなんて、悪魔って、本当に、やばいよね。やばい。

 もし、世の中悪魔だらけになったら、好物を寄越せーとか、人間を奴隷のように働かせ、世界中この匂いに満ちるってことでしょ?

 うっわー。

 どこいってもくっさー、くっさー、くっさーとか、やばいわ。

 絶対、悪魔は駆逐しなくちゃだわ。

 さて。来るか来ないか分からないドラゴンをずっとここで待っているわけにもいかない。

 魔力感知魔法で、場所を探る。

 小さな魔力がいくつもあるところに大きな魔力が近づいている。きっと村とそこに向かうエックの魔力だ。

 そこから西にずれたところにも小さな魔力がいくつかと……あれ?ここにも大きな魔力。エック……が何人もいるわけないよね。

 まぁでも取りあえず、大きな魔力の人は強いだろうから、何かあっても大丈夫そう。

 そこから北西にも小さな魔力のある場所がある。村だよね。そこに知らせに行こう。

 と、移動をはじめて、なぜかくっさい匂いが付いてくるのに気が付いた。

 くっさ。

 ……どこまで匂いが届くんだよ。

 くっさ。

 あまりに臭くて落ち着かずに、当たりをきょろきょろと確かめる。

 はっと、自分の体に視線を落として気が付いた。

 ……あのくっさいのを抱えてた私。……手にも胸元にも、匂い……ついてる。

 あああああっ!私自身が、くっさい原因になってるぅぅぅぅぅぅっ!

 ちょ、この匂いつけて村に行ったら駄目ってやつだよね?

 困ったな、どうしよう。

 あ、そうだ。なんか匂い消し系の魔法とか無かったっけ?

 ……あった気はする。でも、匂い消し系の魔法を覚えても強くならないよねぇとか、昔のリザちゃんが言ってた。

 ……昔のリザちゃん……覚えておいて損はないよ……。

 むむ。こういう時に使う言葉、知ってる。

 ……後悔先に立たず。うわーん。くっさ。くっさいよー。

 せめて胸元から顔を一番遠ざけようと上を向いてなるべく鼻を遠ざける。

 ビリリ。

 その瞬間、からだ中に今まで感じたことのない種類の魔力を感じる。

 人じゃない。魔の物でもない。これはいったい?

 ぐんぐんとすごいスピードで近づき、あっと思った時には私の横をかすめて、魔窟の入り口のあった場所付近に降り立った。

 大きな翼を広げ、上空から滑空してきたドラゴン。

 魔窟で遭遇した時は、魔力感知魔法を発動していなかったから気が付かなかったけれど、これは確かに違う。

 魔の物とは魔力の種類が。

 ……ただの魔力のはずなのに、気持ちが悪い。

 濃厚な、殺意や憎悪といったものが練りこまれたような魔力だ。

 何をそんなに憎んでいるのか。何に対して殺意を抱いているのか……。

 ドラゴンは、ウサラビーの右耳を奪い合うようにして食べ始めた。

 そう、奪い合っている。

 ドラゴンの2つの頭が。

「そうとう強いやつだ……同時に頭を切り落とさないと倒せない」

 せっかくドラゴンをおびき寄せることができたのに……。

 どうする?



いつもありがとうございまーす。

まだ、双頭を、相当だと思っているリザさんである。

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― 新着の感想 ―
[一言] え? 総統ドラゴンでしょ!? ドラゴンを統べる長 「次は匂いが染み付いたお前だ! リザよ」 掃討とか争闘とか「皆殺しする習性のあるドラゴン」?
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