ああああああああ、やーくーたーたーずぅーーーー
残酷描写だと感じる方もいるかもしれないので閲覧注意。
「嘘つけ!」
だから、正直に答えたから、嘘ついてない。
「まぁ、いい。ますます気に入った。くくく」
は?気に入った?
「まぁいい、で、魔窟でどうすんだ?」
私の抱えている本にエックが話しかける。
「入って、まずはスライムの核を……そうだな、10個くらい採取だ」
ぬ?
「ああ、分かった。ここの魔窟は、ギルドに管理されてないやつだな。まだ小さいのか。出来たばかりか?」
そういえば入口はただの穴だ。公爵領にぽつぽつあった魔窟と似たような感じえ、さっきぶっ潰した……いや、エックがつぶした魔窟のように入口に門など何も設置されていない。
入ってすぐ、公爵領で見慣れたようなあまり広くない部屋。そこにスライムがわちゃわちゃといる。
いつもの癖で、すぐに焼き払うための魔法の準備をしそうになって押さえる。
核、焼き払ったら核とれない。
手でスライムをひっつかむ。
ぶしゅっ。
潰れた。
うわーん、焼き払わなくてもやっぱりスライムから核取れない。
も、もうちょっとそっと、そっとね。
指2本でつまみ上げる。
ぐしょっ。
なんでだよ!
「何遊んでるんだ?」
エックが私の隣に立った。
遊んでるんじゃない、必要なスライムの核を取ろうとしてるんだ!
「おい、本、これくらいでいいか?」
エックが手のひらにのせた薄紫色のスライムの核を本に見せた。
10どころか、20個は乗ってる……え?いつの間に?
天才なの?エックは、もしかして、スライム核取りのプロ?
「ああ。次はウサラビーの耳だ」
「「え?ウサラビーの耳?」」
まったくもって意味が分からず、私もエックもぽかんと口を開けた。
「倒すなよ右耳だけ取るんだ。倒しちまうと、ウサラビーは消滅する。当然耳も消滅する。右耳だけ取るんだ」
本の言葉に、ウサラビーの部屋まで行ったものの、全く動くことができないでいた。
……倒さず、耳だけ……倒さず……。
そんな無理なこと……。
「しばらくすればまた生えてくるから遠慮せずに取れ」
本は、動かない私が、ウサラビーが可哀そうだとでも思っていると勘違いしたのか声をかけてきた。
「おい、男、右耳だっていっただろ、向かって右じゃねぇ、ウサラビー自身から見て右だ!馬鹿が!左耳は悪魔の好物だ。オレサマは食べない!」
本の言葉にエックの動きが止まる。
「悪魔の、好物?」
「ああ。とても食べられたもんじゃない酷い味だが、悪魔や悪魔に魅入られた人間にはおいしく感じるらしい。あー、臭い、もう匂ってきた。捨てろ捨てろ。左耳は捨てろ。右耳を早く集めろ!1つ2つでいいから」
エックがあわてて右耳を2つゲット。
「おお、いぞ。そのウサラビーの右耳の皮をむくんだ。バナナつぅ果物、知らないだろうがそれみたいにつるんと簡単にむけるはずだ」
エックが言われた通り、ウサラビーの皮をつるんと向いた。
甘い香りが立ち上る。薄い黄色い色の果実のような者が出てきた。
「それを一口大にカットして、スライムの核を潰した物をまぶす。スライムの核を潰すと、知らないだろうがグラニュー糖みたいなもんになるからな」
エックがナイフを取り出し、ウサラビーの耳を一口大にカットしてスライムの核を指で押しつぶしてまぶした。
「それから、魔法で冷やす」
ふおっ!
ついに、私にも出来そうな作業が!
「表面だけ凍らせるように、冷やしすぎるとカチコチになって食べにくい上に美味しくない」
ひょ、表面だけ、凍らせ……。
両手両膝を地面につき、うなだれる。
わ、た、し、む、り、で、す……。
「ほい、こんなもんか」
エックが軽々と指示通り、軽く表面だけ凍らせた。
いつもありがとうございます。
耳というか、バナナをはやした生き物。耳みたいに見えるから、耳と呼んでいると思っていただければ。
右耳はバナナ。
左耳は、なんだろう……臭い?マズイ?うーん




