またまたの、プロポーズ……っていうか、リザはもてるが、なんか違うような気がする。もてるって?
あ、目の前に出したってことは、食べていいよってことだよね?確認わすれちゃった。
カジィーーッ。
思いっきり大きな口を開けて、5センチくらいの厚みの本の角にかぶりついた。
あ、違った。本じゃないよ、本の形をした謎のおいしいやつにかぶりついた。
「うわぁ!ギーメ!おまえ、また何やってんだ!剣の時も食いついてたが、何の呪いだ?」
まじない?
「イッテェーッ!」
は?
「オレサマにかじりついてるのは誰だぁ!やめろ、イタイだろ!」
は?
「て、ぺーっ、っぺっマジだ。まじないだった」
まずくないですか?まずない?が、どうやらエックはなまっていたようだ。
まじない?
そうだよまじないって、まじーよ!
この本みたいなやつ、まじーよ、まじで!まじまじー!
ぷぷっ、まじ、まじーだって。くくく。
私が本を吐き出して、自分のぎゃぐぜんすに笑っていると、エックが本を両手に持って凝視している。
ひぃー、ごめんなさい!まさか、本当に本だったなんて思わずかじっちゃったよ。歯型の確認されてるってこと?!
「って、シマッタ―、オレサマが、普通の本じゃないってバレたー!」
え?
え?
「本が、しゃべってる……?」
聞きなれない声がするなぁと思ったけど、本が、しゃべってるようにしか見えないというか、聞こえないというか。
「かじるのは、普通のものか、そうじゃないものか確認するための呪いだったのか……だから、剣にもこの本にも」
エックがぼそりとつぶやいた。
は?何いってんの?
おいしいものか、おいしくないものか確かめるためであって、まじぃものなんかなくて結構です。
「チェッ。バレちゃしかたねー。煮るなり焼くなり好きにしやがれっ!」
と、本が言った。
「え?もしかして、煮たり焼いたりするとおいしくなるの?」
生はまずいけど、調理したらおいしくなると、そういうこと?
「うひー!やめろ!オレサマは食べ物じゃねー!どう見ても本だろ!」
がっかり。
そうか、本か。食べ物じゃないのか。
ほんとうに、がっかりだよ。
「おい、娘、何でそんな残念な顔しやがる!オレサマ、伝説の本だぞ、普通はオレサマ見て目を輝かせるもんだろ!」
伝説の本?
「伝説の本だと……?」
エックが、眉根を寄せる。
「ほら、ほら、エックも目を輝かせてないじゃん」
「な、なんだと?オレサマは、皆が欲しがる、伝説の本のハズ……え?あれ?違うのか?」
違うも何も、伝説の本なんて聞いたこともないしなぁ。
「リザ、すまない」
なぜかエックが私に謝る。なんで?
「巻き込んでしまったわびや、助けてくれた礼をゆっくりするつもりだったが、そうも言っていられなくなった」
いやや、別に、わびも例もいらない。
「ミスリルの剣も受け取ってもらえないし、この本を渡すわけにいかない……他に俺に今できることは……」
「しゃべる本なんていらないです」
即答。
「……あ、じゃぁ、俺を受け取らないか?」
「意味が分からないです」
「いや、その、俺がギーメのものになる。つまり、結婚しないか?」
は?
「あはは、そう変な顔すんな」
いや、誰でも変な顔するでしょう。
何で、お礼だかお詫びだかで、幽閉された王太子のような姿の馬鹿馬鹿言う男をもらわなきゃいけないのよ。
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しゃべる本出てきた。
自称伝説の本。
なんか、やばい感じはする。




