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災強令嬢の魔窟グルメ  作者: ハチャメチャとまと


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33/76

真っ赤になった。って、ラブコメでも良く出て来るけど、照れてるとは限らないから気をつけろ

「なんで、謝るんですか?私のせいでしょ?」

 ぎりりと奥歯を噛みしめる。

 岩を投げた私のせい。

 まぁ、これは馬鹿馬鹿言ったミスターエックスのせいでもある。

 けど、投げた岩を砕かなくちゃと思ったのは私のミス。

 相手の力量も見抜けなかった。ミスターエックスは勢いついた私を難なく受け止めたのだ。あの岩だって、問題なく処理できたはずだ。

 それを見抜けなかった私が駄目だった。

 私のせいで、罠のスイッチから足が離れたのは間違いない。

「いや、お前のせいじゃねぇよ。ギーメ。そもそも、罠を踏んじまった俺が悪い」

 ん?

 そっか!

「巻き込んじまったのは、完全に俺の判断ミスだ……すまん。全力で守る」

 はい?

「私、守られるの?」

 ミスターエックスが私の髪をそっと撫でた。

「ああ、何としても、守ってやる」

 ……えーっと。

 それって……。

 まさか……。

 ああ、顔が、赤くなってしまう。

 表情を上手く隠すことが、私にはまだ無理みたいだ。

 う……う……。

 怒りで、顔が赤くなる。

「私には、戦うなって、ことかぁーーーーっ!」

 ドカーンと、激しい音が響いた。

 あ、私が怒りに任せて無意識に魔法を発動しちゃったんじゃないかと、ぎゃっとなって周りをきょろきょろとする。

「出てきた!ギーメ、一番遠く、あっちの壁まで走れ!」

 ガラガラと岩肌に見えた壁が崩れていく。ドカーンという音は、ボスが現れる前兆音だったみたいだ。

 はじめて聞く音に、北の国の魔窟すげーって思ったけど、もしかしたら調査が必要となったような特殊な事例なのかな?どっちなんだろう?

 と、壁が崩れたあと、どんなことが起きるのかワクワクして見ていると、ミスターエックス……めんどくさいな、省略して、エックス……いっそ、クス……クスだって、クスッ。あ、今のは笑いね。

 エック、そうだ、エックでいいや。

「おい、ぼーっとするな!何を今笑った!頭おかしいのか!すぐに離れろ!もうボスが出て来るぞ!」

 焦った顔を見せるエックに、笑って見せる。

「大丈夫だよエック、私が守ってあげるよ」

 エックが言葉を失っている。

「馬鹿が!初心者冒険者がどうこうできる相手だと思うな!いくらちょっと馬鹿力があるからって、自分の力を過信すると、死ぬぞ!」

 んー。また、馬鹿って言った!

 ぷんすか怒っている私の目に、崩れた岩肌の向こうにボスが姿を現した。

 でっかーい。

「チッ。ドラゴンか……」

 エックが舌打ちをした。

 なんでぇ、ドラゴンだよ、楽しいじゃん。

 人の何十倍もある巨体。

 あれ?でっかい、ドラゴンって、でっかい核あるの?

 でっかくておいしい核!

「緑のうろこに覆われたドラゴン、魔法攻撃が効かないやつだ」

 へー、そうなんだ。

「3級魔窟で出るボスとしては最高位だな……って、馬鹿な……嘘だろ……」

 私に説明するためなのか、それとも独り言が多いだけなのか、エックはドラゴンを見て得た情報を口にする。

 緑のうろこに覆われ、巨大な首をゆっくりともたげてこちらを向いたドラゴン。大きな羽根は折りたたまれ背中にある。しっぽも太くて丈夫そうだ。

「3級魔窟だぞ?何故、こんな高位ドラゴンが……」

 見慣れたドラゴンの向こう側から、もう一つ、ドラゴンの首がこちらを見た。

「双頭ドラゴン……」

 そうとうドラゴン?相当強いドラゴンってことか!


いつも??ご覧??いただきありがとうございます。

軽率に書き始めた短編も、短編とは言えないレベルで書き進めておりまして。

二人目に出てきた婚約者候補は、こんな感じです。

えー、まだあと2人いるの?

もう、設定根幹から変えて、2人のうちどっちかーみたいにしようかな……と、考えているのは内緒ではない。堂々と言っておこう。

ある日、後書きもしくは前書きに、しれっと

「四大候やめて二大候に変更しました」とか書いておこう。

……いや、まて、でも、名前の由来が、

焼肉定食……四字熟語なのに、2字になると、ただの焼肉……

ただの、焼肉になってしまう……。

流石に、それくらい語呂合わせしなくたって、名前覚えられるよっむき!

引き続きお付き合いいただけると嬉しいです。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] まあ、4人中の2人は主人公の元に辿り着けなかったとかいうことでいいのでは? 武力的には資質は十分あったとして、実はとんでもない方向音痴だったとか、支配領地で重大なトラブルがあって身動き…
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