レコードがつぶれるって嘘だったんですねえ。(すらあっーしゅさん:そんなもんわかっとるやないかーい!)
だめですよ!すらあっーしゅさん。あなたの番じゃないんです。どもーせみころーんさんですーととととととととととて。
すらあっーしゅさんは、レコードの話になると何時間でも話すから駄目なんです。2000字くらいにしないといけない。
レコードが121.9万枚まで伸びたと。音がなじみがあると。
なんでレコードがわかります?
これはね、A面のね、演奏時間なんですよ。
おおむかし、A面でも20分切ってたんです。
これ、まぁここを読む小学生や中学生は、絶対に信じないでしょ。
今でもA面に20分-30分そこいらしか入んないって。
どんな時間の無駄遣いじゃと。もっと入れろと。
実際コンパクトディスクは90分がもう常識になりまして、アントン・ルビンシテインのLe Balも全曲入っちゃうんですよ。NAXOSから出てます。なかなかいい演奏でした。
コンパクトディスクは97分26秒までいくでしょう。この調子だとね。
でもね。
人間はね、97分ってのは疲れるんです。
例えばですね、昭和の時代、クラシックの音楽史のほんと一断面くらいしか音源にならなくて、だれもが同じ曲を弾いていた時代がありました。
そんときね。
グリーグのピアノ協奏曲とシューマンのピアノ協奏曲をA面B面にして入れるのが、大流行りしたんですよ。
時間が手ごろなんですよね。
で、曲が「じゃーん!」とか言って終わると、アームがオートで戻って、B面に裏返すってのがね、いかにも人間のどきどきわくわく感を助長するんですよ。
この、どきどきわくわく感っての、新自由主義でどんどんどんどん磨り減ってきちゃったでしょ。
その反動ですよ。
もうええやんと。片面30分くらいでええやんと。
長時間の曲ってね、CD時代になってからね、受けなくなってきてるんですよ。
スマホ時代になっちゃって、みんなさあ、シークして聴くでしょ。
あれが長時間音楽にとって痛手でね、長大な密度とかっての、はやんないんですよ。
あとコンパクトディスクよりはレコードのほうが、周波数帯域が狭いので、狭い分だけ聞き心地がいいってのがあるんですよね。
今でもお年寄りはFMよりAMのほうがいいって人がいるんですよ。
これに対応するため、2030年代のCDラジオは「FMモノラル」ってのを搭載すると思います。
この、FMモノラルって単語を、ちょっと前にころーんさんがトレーニングマシンで鍛えてるときにですね、出したときですね、マシンに乗りながら「んなこたない」と一笑に付しておりました。
でも私は実現すると思っています。
FMモノラルって、結構耳になじむんです。
一昔前のコンポはFMモノラルにできたんですよ。
もうAMラジオが設備投資が大変で、つぶそうって流れになってます。
それならFMをモノラルで聴けるように仕様を変更すればいいってことです。
音質が良ければ人は喜ぶのかってやつなんです。
ほれ、風呂にも「適温」ってのあるでしょ。
どうやらレコードは「適温」らしいんですよね。大勢の人間にとって。
20-30分で、温かみのある音で、30分過ぎたら手で裏返すとか。
この「裏返す」仕様のために、定番のA面B面ってのがいっぱいあったんですよ。
どうしてもショパンのピアノ協奏曲の全2曲はLPではオーバーしちゃうので、1番だけっての多かったです。
チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番はたいていラフマニノフのピアノ協奏曲第2番とセットでした。
シューベルトの未完成と、ベートーヴェンの運命のA面B面ってのありました。
でも
私が特に印象に残ってるのは、ころーんさんやゴウモエラーは大したことないと言うと思うんだけどもですね、シューベルトの「鱒」をバドゥラ=スコダとウィーンコンツェルトハウス五重奏団と1950年にやったやつです。
もうね、これ70年たつんですよ。
このレコードってね、確か第2楽章でAが終わってね、第3楽章からBになるやつです。
ちゃんとAとBを聴き終わると、一曲終わりってのがね、なんとも言えない統一感があってね。
ここらへん、もうころーんさんはわかってくれないんです。「古い」「弦楽器ヤバすぎ」「バドゥラ=スコダも間違ってる」「これ以上うまいのならNAXOSでも手に入る」とかさんざんなもんですよ。
でもねえ。ほんのちょびっと高めに間違ってる弦楽器の音程の取り方がね、なんともウィーンだなあと思うんですよ。
やっぱ、どうしても、平均律より高めにずれるんですよ。彼らは。
オーストリア人のお好みらしいんですよ。
もうこういうディスク作れないでしょ。
本物のウィーン育ちの人がウィーンの大作曲家に挑んでっての。
まだLP時代はこれができたんです。
だからLPの温かい音に、いまでは絶対に考えられないメンバーがそろって音楽をやってるのが、2020年代でも受けるんですよ。
このシューベルトの「鱒」は大流行りしたようで、ものすごい数の再販がありました。
それはね、曲の良さだけじゃなくて「とりあえず都合がよい」「間に合う」「名曲喫茶でこれかけときゃいいんだろ」「こういうのでいいんだよ」ってのも大きかったんじゃないかと思うんですよね。