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やっぱさあ、新しい第4ペダルが出ましたって言われてもねえ。

使いこなせないんだなあ、って感じでですね。今日は、アムパサンドの担当です。


せみころーんさんところーんさんは当然テレビですが、サッカーの応援で忙しいそうです。


私はサッカーを応援しませんので、個評に入ります。


本日お伝えするのは、Boris Giltburgさんのベートーヴェン全集の7枚目です。


Giltburgさんはなろうの読者には認識しにくいかもしれませんが、Fazioli Artistです。


このですね、「なんとかArtist」というのは、そのホールに「なんとか」があると、必ずこれを使わないと契約違反で処分されるということです。


もちろん、世界の9割はSteinwayでございます。


誰もが、Steinway Artistを目指しておりました。


しかし、新しいテクノロジーに基づいた新しいピアノを通りたいという考えは1970年代以降顕著なものになり、Yamaha Artistのアレクサンダー・コブリン、Fazioli Artistのダニール・トリフォノフさんが有名です。


近年は、Fazioli Artistとして専属契約を目指すケースも増えてまいりました。


NaxosはFazioliのような新興メーカーにも寛大で、Boris Giltburgさんによるベートーヴェンのピアノソナタ全集を作るというニュースは大きく話題になりました。


肝心の出来栄え。


いかがでしょうか。


これね、、9人語り部がいますけど、バリっと賛成派と否定派に分かれましてね。


もう、すらあっーしゅさんは「たるんどる!最近の若いもんはたるんどるっ!」の一言でした。


あんたのピアノのほうがおかしいですやん、というのは置いといて。


非常に形容しがたい印象を持ったのは事実です。


これまで6枚あって聴いてきましたが、なんだこれ?ってやつです。


本人の自作解説によると、NAXOSから「やってみろ!」と言われたので、もともと9曲しかなかった自持ちのソナタを32曲にしなければならなかった、と。


このあたりから不吉なものが漂っていたことは事実です。


全体的にですね。


「有名曲ほど似非フェミ男のようにへっぴり腰になってしまう」というやつです。


若手はこういうの多いんですが、ちょっとまあ見てみましょうよ。


第7集には有名な「告別」ソナタがあるんですよね。


この第1楽章がね。


導入があって、Allegroになりますよね。


なんでこうなるんでしょうかね。


ピリオド楽器を意識した音色になるのはわかるんですが、考えられないくらいリズムが甘いですよね。


女性の方がベートーヴェンを弾くとこうなりやすいんですが、今は男性でもこれなんですよ。


デムスやルイサダでも、これほどの角の甘さではなかったと思っております。


でも、音は世界で一番綺麗です。


このね、ものすごいギャップに考えさせられちゃうんですよ。


音が綺麗なので、弱拍が倍音の軋みを回避し続けて、リズムがひずむんですよ。


これも面白い効果だと思うんですが、ライブでこれを聴かされると「これでいいのか」っていうやつで。


これ音が汚かったら、即ごみ箱ですよね。


でも、綺麗なので、これでもいいのかなーなんて考えてしまいました。


第4ペダルつかったのかなーってフラジャイルな音もくっきりとれていて、30年前のNAXOSとは大違いな点もびっくりしました。


この人ね、どうしても叩けないんですよね。上から。なので斜めから押したような音色で。


そんな感じなので、第2楽章は文句の付け所がないですよ。音色も多彩で。女性が弾いてるのかなと思います。


この調子で第3楽章まではいっちゃうので、スフォルツァンドはほとんど目立ちません。左手の意思表示も高くないような気がしますし、全体的に不安定な設計ですが、音が割れる瞬間は一切ありません。


かーんまくんに「フェミ男子ソナタ集」とか言われるかもしれませんね。ぷくく。


こういう芸当のソナタをですね、学習者が一番最初に聴いてしまったらどうするんだろうというのがあるんですよね。


ベートーヴェンの全ソナタってのはシュナーベルがいて、ケンプがいて、バックハウスがいて、ナットがいて、ギーゼキングが途中で終わって、ギレリスが途中で終わって、ルービンシュタインも途中で終わってしまって。


大ピアニストのみに許された権限でしょう。


それがもう新人でもいいじゃんってことでだれでも弾くんですよね。


それは結構ですよ。


でも、演奏史を全く知らない人がBoris Giltburgをいきなり聴いて「あーこれこういう曲なんだ」って流れになったらどうしますかね。


そう思うと実に怖い演奏だと思うんですよね。ピアノ教師はこれを勧めないほうがいいかもしれません。


でもね、音は世界で一番綺麗ですよ。今まで「音は世界で一番綺麗なベートーヴェン、それが清水和音」って言われてきたんですが、この盤で更新されたような気がしています。


ボックスセットになってから買ったほうがお得ですよ。2023年以降くらいには出るでしょう。

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