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37話 ボスケテ

師走の時期になりましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。

投稿が遅くなり申し訳ありません。

楽しんでいただけたら嬉しいです!

 ボイス同時視聴枠が失敗して数日後。僕はディスコードのチャットを見ながら頭を抱えていた。

 僕が頭を抱えている原因は、いつもの様にマネ子さんより届いた業務連絡が原因だった。


マネ子:お疲れ様です。今回、夏のコミックマーケットで行われるトークイベント、Vワールドの面々と顔合わせをする際に少しでも緊張をなくせるよう、事前にコラボをしていただきます。


「ぬぉおおおおおおおおお……!」


 何となく、こんな事が起こる予感はしていたけれど、していたけれど!!!

 さらに内容を読んで行くと―――

 コラボ相手は九坂かかえ先輩。コラボ相手は九坂かかえ先輩。九坂かかえ先輩だよおおおお!?

 コラボできるのは嬉しい、これは本心。でも、つい勢いで何度もコラボを断ってしまっている相手。気まずさしかないんだが?


 それ以上に恥ずかしい!

 だって、この間の使ったかどうかの騒動で更に意識してしまって、まともに受け答え出来る気がしない。

 頭がパニックに陥りそうだけど、落ち着くんだ。VTuber活動を通して、僕は成長したんだ。だから、ここは知恵を使おう。




『《振上シロネ/Vワールド3期生》みんなボスケテ・・・《対策会議》』


「という訳でゲリラ配信やっていくよおおおおおお!」


コメント:いつになく覇気がある

コメント:凄いテンション

コメント:シロネどうした

コメント:ボスケテとは

コメント:唐突な助けて、俺でなきゃ見逃しちゃうね


「今回なんでゲリラ配信を取ったかと言うと、かかえ先輩とコラボが決定しました!」


コメント:なんやて工藤!?

コメント:せやかて工藤

コメント:マジ!?

【後方腕組シロネリアン¥1,000 コラボ応援代】

コメント:シロネちゃん大丈夫なの?ちゃんとお話しできる?


「ちゃんとお話しできるのってコメント来てるけど、降参です。だからみんな助けてぇええええ!」


コメント:初手降参

コメント:降参はやw

コメント:降参RTAかな?

コメント:コラボする前から助けては草

コメント:草

コメント:草

コメント:lol


「僕がまともにかかえ先輩と話せるわけないでしょ? 常識的に考えて」


コメント:コミュ障だもんね

コメント:圧すごいもんね

コメント:これは常識問題としてテストに出ます

コメント:コミュ障が陽キャに勝てる訳もなく

コメント:同期より激しいことになりそう

コメント:でもそれは

コメント:我々のご褒美ですね

コメント:新鮮なシロネニウムはいりまーーーす!


「たーーーすーーーけーーーてーーーよーーー!」


バンバンバンッ


コメント:台パンは草

コメント:台パン助かる

【¥500 新しい机代】

コメント:500円の机は草

コメント:初台パン

【シロネちゃんの机になりたい¥2,000 俺が机になりたかった】


「ハッ……つい興奮して机を叩いちゃった。クールになるんだ、いつもの僕のように」


コメント:いつもの・・・?

コメント:クール???

コメント:クールとは?

コメント:そんな子居たかな?

コメント:????????

コメント:幻覚でも観ているのかな?


「今日のシロ友さんたち酷くない? 泣いちゃうよ? いつもの優しいシロ友さんに戻って……」


 ツッコミしかないコメントを見て、鼻を啜るマネをする。


コメント:悪ノリが過ぎたごめん

コメント:泣かないで;;

【シロ友有識者¥5,000 ごめんなさい】

コメント:何でも言う事聞くから許して


「……ん? 今なんでもって言ったね?」


コメント:ん?

コメント:ん?

コメント:ん?

コメント:今なんでもって・・・

コメント:ホモォ

コメント:シロネちゃんは女の子、よってホモではない

コメント:百合猫だからね、ちかなたいね


「はい、何でも言う事聞くって言ったので、かかえ先輩との会話デッキをシロ友さんたちに考えて貰います!」


 ふふーん、これで勝ったな。コラボ当日は優勝間違いなし。

 まさに計画通り!


コメント:出た会話デッキはちゃんと使うの?

コメント:もちろん使うよね?


「んんん? 流石に全部は使えないから候補から選ぶけど、ちゃんと使うよ?」


コメント:よっしゃーーー!

コメント:滾ってきた!

コメント:キテラァ!

コメント:唸れ俺の右手

コメント:この時を待っていた


「えっええっ? なんでみんなそんなにノリノリなの……」


 良く分からないけど、みんながやる気になってくれたのなら良いのかな?

 そうだよね、ヨシ!




 そして30分後。


「ね゛ぇ゛え゛え゛え゛え゛え゛! どうしてこんなのしか出ないの!?」


コメント:草

コメント:草

コメント:草

【¥930 草】

【¥930】

【¥930】


「有料の草生やしている場合じゃないが!?」


 30分前の僕自身に一言申したくなるほどの会話デッキになってしまった。

 好きな下着の色、お互いの好きなところ、もし結婚したら、オフで会ったら何がしたいか、愛してるよゲーム、以上の5つが候補に選ばれた。


「色々とおかしいし、最後のは会話デッキですらないよぉおおおお!」


 好きな下着の色やお互いの好きなところとかはまだ分かるよ。まだ一般的かなって思うけど―――


「もし結婚したらと愛してるゲームは、かかあきがやってこそでしょ!」


 かかあきとは、かかえ先輩とあきり先輩のカップリングの呼び名で、幼馴染である2人を語るにはこの呼び名は欠かせない。


「そこに僕が入るなんておこがましいでしょ(迫真」


コメント:かかあき民で草

コメント:迫真のセリフ

コメント:かかえちゃんと言えばあきりちゃん、これは真理

コメント:あまりの圧で笑う

コメント:でも決まったことだから

コメント:諦めて

コメント:女は諦めが肝心


「ねっ猫だし……だから諦めない。だからこれ変えても良いよね」


【¥10,000 ついに猫と認めた記念。でもダメ】

コメント:だめです

コメント:ダメ

コメント:だーーーめ

コメント:駄目

コメント:ダメ♡

【¥50,000 ダメ】


「ミ゛ャ゛ア゛!? 赤スパと上限赤スパチャ投げるほどダメなの……」


 さすがに、こんな大金投げられたら嫌だって言えないよ……。


「ハァ……じゃ、じゃあこの会話デッキで行きたいと思います……おつミャア」


 オゥッフ、こんなはずじゃなかったのに。

 僕は不安と共に配信を終えた。


「ふぅぅぅぅ、一旦気分転換しよう」


 どうしてこうなったのか、という思いがあるけれど仕方がない。気持ちを切り替える為に何かしよう、という思いからTw〇tterを開いてみたら、かかえ先輩のツイートが目に入った。



九坂かかえ@シロネちゃんとコラボ♪ @kakae_kokozaka 20分前

 重大発表があります!

 ついにシロネちゃんとコラボすることに決まりました♪

 この勢いでオフコラボを行いたいと思いますッッッ!

 @299  ↺987  ♡2072


「ミャアアアア!?」


 しないよ!? オフコラボはしないよ!!!


ピョコンッ!


 タイミング良くなるディスコードのチャット通知。

 恐る恐る開いてみると、相手はかかえ先輩から。


かかえ:オフコラボしようね!


 なんでこうなったのか訳が分からないよ。

 驚きすぎて、1周回って落ち着いた。よし、ここは論理的にオフコラボがダメだと相手に伝えるんだ。


シロネ:かかえ先輩、なんでオフコラボなのでしょうか?


 まずは挨拶のジャブ。


かかえ:普通にコラボでも良いけれど、最終的には夏コミで会う可能性あるでしょ?


 フムフム、一理ある。


シロネ:確かにそうですね

かかえ:だから先に会っておけば慣れて、夏コミは平気だよね

シロネ:アッハイ


 はい、逃げれないことが確定しました。対戦ありがとうございます。

 そして僕は考えるのをやめて、ベッドへダイブした。

ついにフラグ回収!

どうなるかかえとのコラボ。

乞うご期待!!!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 乙ミャアです!ほんとーにおもしろい。まさかこんなに自分好みドストライクな作品を描いてくださる人がいるとわ……。シロネも他の皆さんもとても尊いです。死んでしまいます。  勘違いだったらアレな…
[良い点] い…良いいめーじだ! [気になる点] 挟まることは許されない。 挟まれるのだ! 許しは与えない。 深淵を覗く者は。。。(シロネさんは同期ほかに使われている恐れ) [一言] なまこラボ。…
[気になる点] 全話楽しく読ませて頂いてます!! その中で気になった単語?が最新話らへんにもでてきた、 「使った」というものです…。 使った騒動、などよく分かりませんでした。 主人公の配信のパン…
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