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28話 閑話6 花咲メメの場合

大変お待たせいたしました。

皆さまのおかげでここまで書き続けていられております。

今後も、感想、評価、ブクマ、読了、レビューなどで応援していただけると嬉しいです!

誤字脱字報告も大変助かっております。

ありがとうございます。

『ミ゛ャ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!』


 軽快な音楽と共に女の子の悲鳴が流れ、最後は一際大きな悲鳴が動画に流れて終了する。


「ハァ~~~シロネちゃんの悲鳴はぁ……良いですねぇ」


 日課のシロネ悲鳴MADを再生し終える。

 寝起きの頭にはコレが一番ですね。


「好きなゲームやってぇ、楽しい日々を過ごせるなんて、昔に比べて夢のようですねぇ」


 楽し気にゲームの話をするクラスメイト達を横目に指をくわえていた日々が懐かしく思えますね。


「今日は確かぁ、このゲームをやるって告知してましたね」


 思い出を掘り起こしながら、私は今日の配信準備を整えます。




 私はどこにでも居る、貧しくもなく裕福過ぎる訳でもない一般家庭に生まれました。

 でも親がゲームやマンガを毛嫌いしており、大学に入るまでゲームをやったりマンガを読んだりすることは(ろく)に出来なかったのです。


 マンガやゲームが無い、それが普通だと思い育つものですが、学校に行くようになればクラスメイトという情報源が増えていきゲームやマンガの存在を知ることになる私。

 興味を持った私は、当時流行っていたゲームを親に買って欲しいと強請(ねだ)ってみたのですが、ダメと言われ私は落ち込みました。

 だから楽しそうにゲームをする友人たちに、親に隠れてやらせて貰ってました。まさに別世界を旅させてくれるゲームをするのは至福の時でした。


 大学生になり、親元を離れてアルバイトで溜めて買ったゲーム機は中古の3世代程型落ちした物。

 最新の物、sw〇tchとかは高くて買えてませんが、新たに始めたVTuber(お仕事)のお金が入ってくれば買えるかもしれませんね。

 でも、昔のゲームも良作が多くて楽しいです。今ではパソコンでも遊べる物もありますし、ゲームに困らない素敵な時代です。


 親は私がVTuberを始めたことは知りません。

 仕事が忙しい人たちなので、私の様子を確認するのも電話ぐらいなので気軽ですね。




 時を遡り、私が大学に入学してすぐの頃。

 1人暮らしを始めてすぐ始めたことは、アルバイトをすることでした。

 仕送りもあったのですが、最低限の金額なので何かを買うには少し足りない。もちろん、買うのはゲームです。

 運の良いことに、下宿先の近くにある喫茶店でスタッフを募集していたので、面接をしたところ快く働かせていただけることになりました。

 

「今日からぁ、よろしくおねがいします」

「鳴瀬ちゃん、これからよろしくね♪分からないことがあったら聞いてね。念願の可愛い店員さんが出来て嬉しいわぁん!」


 ガタイの良いお兄さんがオネェ言葉で語り掛けてきます。

 この方が、喫茶店を個人経営している店長さん。

 見た目はナイスガイなんですけど、何でしょうね、このキャラの濃さは。それでも、バイト経験のない私を快く受け入れてくれた人なので良い人なのでしょう。


 喫茶店自体がとても忙しい訳でもなく、お昼時などにそこそこ人が入る程度。

 今までは姪っ子さんが来ていたようで、代わりの私が来てくれて喜んでいるとか。

 こんな感じで、私は大学生活(ゲーム生活)をエンジョイする為に動き始めた。


 初めて給料を貰えた日、初めて手にした賃金を手に私はワクワクしながらゲームショップへ向かいました。

 でも、そこで現実の厳しさに直面。


 最 新 機 と 最 新 ソ フ ト は 高 い !


「ハハッ……そうですよねぇ……」


 大学1年生のうちに単位を稼いでおこうと思っていたので平日は授業で埋まり、その合間で稼いだお金ですと全てを使い切ってしまいます。

 むしろやってみたいゲームソフトだけでもお金が足りない……。

 やってみたいと思っていたゲームの数々が出来ないです。

 現実とは、何て残酷なんのでしょう。


 でも、古いゲームでも楽しいゲーム(名作)は沢山あります。なので、気を取り直して昔のゲームを買いながらお金を貯めることにしました。


 ゲームに関して調べていると、なにやらYouTubeのプレイ動画検索に出てきました。

 それは可愛らしい女の子のキャラクターが、ボコボコにやられながらも楽しくゲームをプレイしている動画。彼女の名前は黒神(くろかみ)フェン。Vワールド2期生として活動し始めた彼女。

 私はこの時初めてVTuberを知りました。


 可愛らしい狼耳を付けた黒髪の少女が挑発的な発言をしては、すぐにやられる。

 なるほど、これがクソザコムーブというヤツなんですね。

 彼女が悲鳴をあげる度にコメントが盛り上がり、私もついクスクスと笑ってしまいました。

 いつしか他のVTuberの動画を観ており、VTuberというモノに興味を向けて行きました。


「VTuberってぇ、お金も稼げるんですね。でもぉ、そうなるのは大変そうです」


 好きな事を仕事にして楽しく活動できたら、それは素敵なことです。

 VTuberをやるならキャラクターを作らないといけないし、個人勢と呼ばれる企業というバックボーンが居ない人たちは知名度も低く収益化まで時間が掛かったりするみたいですね。逆にスーパーチャットと呼ばれるお布施機能による取り分などが減らない利点などありますが、無名の私が出たところでどれほどの人が観てくれるか。

 私はファ〇コンのコントローラーを操作しながら頭を悩ませました。


 どこかの企業のVTuberとしてデビューできれば良いんですけど。

 もちろん、出来たからといって楽な道ではないとは思っています。でも、企業の知名度によるブーストはバカにならない。

 なので競争率も高いんでしょうねぇ。


 お金を稼ぎたいという思いはありますが、それはゲームを買うため。

 一番の理由は、リスナーに観られながら、時には応援してもらい、時には一緒に戦い、時にはバトルをする。そんな風に私もゲームをしてみたいです。


 そして願いが叶ったかのように、あのVワールドが3期生を募集!

 当然のように、私は応募しました。


 でも、受かるかどうかは自信はありませんでした。自分なりの精一杯を詰め込んだ1次審査用の動画が、無事通過した時は嬉しかったです。

 最終面接では、暇な時間があれば何時間でもゲームをしていると答えたら、少し乾いた笑いが返ってきましたけど何でですかね?

 何もない日は、一日中ゲームをやっているのは普通ですよね?

 一応受かったようなので良かったのですが、ちょっと腑に落ちません。


 それから、私の勤めている喫茶店PAUSE CAFEの店長さんにやりたい事があってお店にくる頻度を減らしても良いか相談したところ、しょうがないわねと言って承諾してくれました。

 さらに週に数回でも良いという好条件。どうやら姪っ子さんがお小遣いを欲しいようで、そのためお店で手伝いをしたいので丁度良かったとか。タイミングがほんと良いですね。


 そうして今の私は、憂いなくVTuberとしての配信をしながらゲームが出来るという訳です。


「今日は、このゴリゴリゴリラワールドですねぇ」

 

 これはニンテ〇ドー6〇のゲームで、主人公のムキムキゴリラさんになって冒険するゲームです。主人公たちが住んでいる森を荒らす悪いワニたちを倒したりなんだとする横スクロールアクション。


 女の子のクラスメイトだとこういう男の子が好きそうなゲームは持っていないので、遊ぶ機会があまりなかったので今からワクワクです。


『《花咲メメ/Vワールド3期生》ウホウホウッホホー、ゴリラの村に突撃!《ゴリゴリゴリラワールド》』

 4,902人が視聴中


「メばえ組のみなさん、こんメメぇ~」


 私の表情にリンクして画面の中の花咲メメ(もう1人の私)が動きます。


コメント:こんメメ!

コメント:こんメメ!

コメント:こんめめ!

コメント:こんメメ

コメント:こんめめ!

コメント:ゴリラ世界きちゃー!

コメント:待ってました!


「ついにこの名作をやる時が来ましたぁ!ゴリゴリゴリラワールド、通称ゴリラ世界」


コメント:めっちゃうれしそうw

コメント:テンションたっかwww

コメント:名作だからね


「そうなんですよぉ!これ面白いって聞いていてやりたかったんですけどぉ、やるなら放送でやりたいと思っていたので中々できませんでした」


コメント:ここまでテンプレ

コメント:親の声より聴いたセリフ

コメント:↑もっと親の声を聴いてもろて


「確かに新しいゲームやる時は似たセリフを言っていますねぇ。まぁ、それだけやりたい名作が多いってことですよね」


コメント:たしかに

コメント:出来ていなかったからね、しかたないね

コメント:今日はクリアするまで耐久?


「一応アーカイブの方が追い易い用にぃ、切りの良い所で終わらせて複数回にしようと思っていますよ」


コメント:あっ

コメント:あっ

コメント:アッ(察し

コメント:切りの良い所()

コメント:数時間コース確定

コメント:いや、まだそうと決まったわけでは

コメント:約束された長時間配信


「何やらコメントが騒めいてますがぁ、ちゃーーーんとね、区切り良く終わらせますよ。流石にクリアまでだとメばえ組のみなさんが疲れてしまいそうなので」


【メばえ組ガキ大将¥1,000 今日の耐久代】

【¥200】

【¥500】


「あっ、スパチャありがとうございます。それじゃあ早速プレイしていきたいと思います。どんなゲームなんだろう、楽しみですねぇ♪」


 やはり世代が古いのでスタート画面のグラフィックなどは現代の物に劣りますけど、これは味があって良いですよね。当時はこれでもすごく綺麗だったので、時代の進歩に驚くばかりです。


コメント:どんなゲームでも楽しそうにやってくれるから観ていて気持ちい

コメント:台パンしないしな

コメント:罵声でないし

コメント:煽り芸しないし

コメント:お前ら、フェンちゃんの悪口はそこまでだ

コメント:↑それが1番の悪口なんだよなぁ

黒神フェン✓:あんたら覚えてなさいよ!

コメント:本人いたw


「あっ!フェンちゃん先輩ぃ、いらっしゃいませぇ♪」


黒神フェン✓:あんたがやられる所を見に来てあげたわよ

コメント:フェンちゃんツンデレ

コメント:フェンメメいいぞぉ~


 実は、裏でフェンちゃん先輩とはチャットや通話をしています。

 入った当初、私がVTuberを知る切っ掛けだという事を伝えたら、へっへぇ~そっしょうなのぉ~みっみみ見る眼あるじゃない、とカミカミになりながら喜んでいて、それ以降仲良くさせて貰っているのです。


「そうだぁ、フェンちゃん先輩。今度ゲームコラボしませんか?私たちぃ、そろそろ同期以外とのコラボが解禁されるのでやりましょう!」


コメント:おっ!フェンメメコラボ!?

コメント:ゲーム好き同士で合いそう

黒神フェン✓:あああんたがそういうなら受けてあげるわよ

コメント:めっちゃ動揺してて草

コメント:草

コメント:2期生のクソザコキング


「やりましたぁ♪じゃあ、この配信が終わったら連絡しますねぇ」


黒神フェン✓:まってるわよ!

コメント:あっ

コメント:あっ

コメント:あっ

コメント:あっ(察し

コメント:フェンちゃん寝落ちしそう


 今が20時過ぎ。

 大丈夫、今回は24時前には終わらせるつもりですから、フェンちゃん先輩はきっと起きているはずです。


「それじゃあゲームスタートぉ」


 こうして苦戦しながらも楽しくゲームを進める私は、日をまたいだ深夜1時にあわててフェンちゃん先輩へ連絡をしましたが、見事に寝落ちしていました。


花咲メメ@Vワールド3期生 @hanasaki_meme 5分前

 フェンちゃん先輩寝ちゃってますね・・・ごめんなさい

 でも、ゲームが面白かったので私は悪くないですよね・・・?


@32  ↺221  ♡352


世闇イズモ@Vワールド3期生 @izumo_yoyami 1分前

Replying to@hanasaki_meme

 メメちゃんぇ・・・


@16  ↺109  ♡258


 ゲームって、罪深い存在ですね!

あと1、2話ぐらい閑話投稿したら2章に突入しようと思っております。

早くたろうを燃やさなきゃ(ぇ


感想、一言など頂けるだけでも大変嬉しいです。

良かったら下の欄になる所から送っていただけると幸いです!

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― 新着の感想 ―
[一言] 更新よろしくお願いします
[良い点] 綺麗にまとまってるから読みやすい! キャラクターの言葉など、感情表現の言動が上手くて楽しめる! それぞれのキャラクターに魅力がある、何より可愛い!!! [一言] 初感想で文章に気になる点も…
[一言] 出来れば次の更新はいつくらいになるか作品の最後などに載せていただきたいです ご検討よろしくお願いします
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