女性主人公(シリアス)
.DAY DREAM IN HADES 本文
チュートリアル
「うんっ! ランク1!」
プレイしているゲームの名前はDAY DREAM IN HADES 四人が集まって行う対戦ゲームだ
ランク1っていうのはそのゲームの最高ランクそのランクに到達した
このゲームはもう十年も前にフリーソフトとしてネットに流れ多くのファンを持つゲームだ(三年前にVR機能を搭載その二年後のアップデートが最後のアップデートになっている)
私は元々大のホラーゲーム好きでよくやってきたものだがこのゲームDAY DREAM IN HADES は趣味でプレイしているのではなく明確な目的をもって練習しているんだ…
死んだ思い人に会えるゲーム
二年ほど前からネット上で噂になっていた…
私の目的はどうしても助けたい人がいてそのために会わなきゃいけない人がいるそして…話をして聞かなくちゃいけない事があるんだ…だから今私はこのゲームを練習している
このゲームは普通にプレイしてる分には問題なく普通のゲームとしてプレイできる(良ゲー)が、寝ている時、厳密に言うとレム睡眠状態の時にVRゴーグルをつけたままゲームをするとハデスモードという特殊な試合が始まるらしい
ネットでは実際に他界した思い人に会ったという書き込みも多数存在する…だが同時にこのゲームのリスクも深刻なものらしく 植物状態になってるもの達もいればゲーム依存症になったあと気がふれたり自殺した人達もいるっていうとんでもないものだったりする
本当に死んでしまうかもしれないゲーム
そんなふれこみが話題になってからは、このゲームのホームページ、専用サーバーは閉鎖された
それ以来ゲームのアップデートは行われていないがゲームの性質上プレイヤー同士がゲームソフトをインストールしていればPC同士で同期してオンライン対戦ができるというシステムのためソフトさえ持っていれば誰でもハデスモードでの対戦ができるというのが現状でもある(ソフトはP2Pなどで手に入る)
私だって死にたくない…だから今は必死になって練習している ゲームの性質上死んでしまういうのは敗北のペナルティだろうな… 本当は少しでも早くハデスモードをプレイしたい、時間がないんだ… でもちゃんと勝てるようになってからハデスモードをプレイしないと私が死んでしまう事になるかもしれない、そうなったら本末転倒だ…
「焦りは禁物ね…よしっもう一回!」
いつものように三体のパルトナをセットしてロビーでマッチング待機状態にする
このゲームはコンパニオン(プレイヤー)がパルトナを使ってミッションを攻略していくゲームだ、パルトナっていうのはジョジョで言うところのスタンド、ポケットモンスターで言うところのポケモンのようなもので個体ごとに能力が全然違う、まずは手札の中から三枚のパルトナを選びセットする、ゲーム開始時にランダムで三枚の内一枚が選ばれそのパルトナとミッションを攻略していくことになる(パルトナには強いパルトナ弱いパルトナがいる、強いパルトナはコストが高く設定され弱いパルトナはコストが低く設定されている、三枚選びそのパルトナ達のコストの合計が50以下になるように設定しなければいけない)
当然その時強いパルトナが選ばれれば有利だが強いパルトナをデッキにいれるという事は他のパルトナをコストの低いパルトナにしなければいけないのでハイリスクハイリターンではある…
画面が急に暗くなる、マッチングが完了したようだ…
ゲームのロードが始まった
死ぬかもしれないゲームとか言われているけどゲーム自体はプレイ人口は結構いてマッチングもストレスなくできる、まあ正直ハデスモードは云々置いておいてもゲーム性が奥深くやりこめばやりこむほど面白くなるゲームっていうのとVR機能付いてる本格的なゲームの割にはフリーソフトだから始めやすいってのもあると思う(もうアプデされないのが唯一残念)
ザザーン
辺りが明るくなり波の音が聞こえる
「アイランドかあ…」
今回のフィールドはアイランド、海に囲まれた平たんなマップで広さも標準クラス。マップギミックもほとんどないスタンダードなフィールドだ
画面にて今回のパルトナをチェックする
「パルトナは戦車っと…まあ悪くないか」
パルトナにはタロットカードのアルカナを元にした種類と能力がある
戦車のアルカナの見た目は駆動二輪車、そしてその能力騎乗した後の高速移動である(他のコンパニオンも搭乗可能)
基本的にはパルトナは能力を使ってる時以外はコンパニオンの中に入っており自分にも他のコンパニオン達にも見えない(ジョジョのスタンドみたい)
パルトナはカスタマイズできるのだがそれなりにゲームをプレイしている人間であればパルトナを見ただけでどのアルカナかすぐバレてしまう
「さてとっ あっあそこに聖樹あるなあ、とりあえず祈りにいくかぁ」
パルトナにはレベルという概念があって最初はレベル1から始まる
フィールド上には七本の聖樹が設置されていてその聖樹に触り祈りを捧げる事によって聖樹が活性化していき、祈りがゲージがマックスになると開花してその時聖樹に触れているパルトナのレベルがあがる(1人で一本の聖樹に祈りを込めるのは一分くらいかかる)
あくまで開花した時に触れていたコンパニオンのレベルが上がるので自分1人で八割がた聖樹に祈りを捧げたのに他のコンパニオン聖樹から追いやられて横取りされるなんてのも日常的に起こる
レベルは最大5まで上がる、レベルは1上がるたびにパルトナの性能が上がるのだがレベル4からレベル5になるときだけ性能は飛躍的に向上してその見た目も変わる(クラスチェンジ) コンパニオンとしてはいかに素早く自分のパルトナをレベル5にするかが重要であり自分以外のコンパニオン達のパルトナのレベルアップを妨害するのも大切になってくる
フィーーン
聖樹に触れ祈りを捧げる、この時間コンパニオンは無防備だがパルトナは動く事ができる…
ドクンッ
急に心音が鳴り出す!
近くにコンパニオン(パルトナ)が来ている合図だ(心音範囲というものが設定されていて心音範囲内にはいると心音が鳴り出す)
タカタカとこちらに向かって女性アバターのコンパニオンが走り寄ってきた、一緒に聖樹に祈りを捧げるつもりなのだろう(聖樹は複数人で祈りを捧げたほうが早く開花する)
「わたしのパルトナは恋愛(基本みなラバーと呼ぶので以下ラバー)です!一緒に祈りませんか?」
このゲームはオープンチャット機能がついている(文字チャットやスタンプでも可能)
ただいつでもチャットできるわけではなくコンパニオン同士が近づいている時だけ会話が可能になる
「そっか じゃあ一緒に祈ろうか早くレベル3にしておきたいよね」
このゲームの目的はミッションの達成である
だがそのミッションの内容はゲーム開始時にはコンパニオン達には伝えられていない
ミッションは時に{他のコンパニオンを二回殺害する} {女性コンパニオンを殺害する}
などのPKミッション(プレイヤーキラーミッション)であったり
{ツチノコを発見せよ}や{特大アナコンダを狩猟せよ}などの他のコンパニオンと協力したほうが効率のよいミッションであったり多種多様にある
ミッションの内容もわかってないのにいきなり他のコンパニオンを殺害した場合もし協力系のミッションだったら達成不能の詰み状態になる時もあるし、逆にPKミッションの時迂闊に他のコンパニオンに近づいた場合簡単に殺されてしまったりもする(この場合相手は先にミッション内容を手に入れてた)
基本的にミッションの内容がわかるのはパルトナのレベルが3になってからであるのでまずは聖樹でレベルを上げるのが得策になる
「ラバーお願い!」
相手の女性コンパニオンが恋愛のパルトナをだして能力を発動させた、半径1メートルほどの緑色のオーラが発生した
ラバーのパルトナの能力は強化系でオーラ内に他のコンパニオンがいる場合全ての行動が高速化される(レベルが上がるたびにオーラの範囲は広がっていく)
協力ミッション、特に時間制限等が設けられているミッションになると非常に大助かりだがPKミッションとなるとレベル5になるまで攻撃手段をもたないラバーはミッション達成が難しくなってしまう(恋愛は低コストアルカナで弱い部類に入る)
フィーーン
お互いに喋らず祈りを捧げる、ラバーの能力のおかげでみるみる聖樹が成長し始める
ビカンッ!
聖樹が一段と輝き大きな音とともに花達が一斉に開花して二人のレベルが上がった
「次の聖樹も一緒に祈りませんか?…」
ラバーのパルトナをもつ女性(以下略でラバー)から誘いを受ける
「いいよ チャリオット!」
自分の戦車のパルトナをだした
「後ろに乗って! 次の聖樹まで行きましょう」
自分のパルトナを相手コンパニオンに見せるのはハイリスクな行動だ、もしPKミッションであった場合自分の手札は隠せておいたほうが当然有利になる、だが逆に協力ミッションであった場合は信用されず最後にハブられてしまう可能性もあるから判断は難しい
ここは単純に次の聖樹に向かう際私のチャリオットで一緒に行ったほうが時間短縮できるのでシンプルにパルトナを見せることにした
ギュイーン
レベル2ながら戦車のアルカナの高速移動はコンパニオンの移動速度と比べ各段にはやい(さらにラバーのバフがかかってるからさらにはやい)、すぐに二つ目の聖樹をみつけたどり着いた
二人はチャリオットから降りて聖樹に触れる…
一本目と同じ展開で二人で聖樹に祈りを捧げだした
かなり早いペースでレベルアップができている…
ビカンッ!
ビカンッ!
離れた所から聖樹が開花した音が聞こえてきた
他のコンパニオン達もレベル2になったようだ… だが
ビカンッ パアッ
こちらは二本目の聖樹を開花させた、これで二人ともレベル3になった
… が
ここからがゲームの分かれ道になる
レベル3になりミッション内容が画面に映し出される
{最後の一人になるまで生き残れ}
ダッ
ラバーがダッシュで駆け出した、恋愛と戦車が戦っても話にならないからだ
…正直逃げるのは悪手だと思う機動力ではこちらが圧倒的に有利なのだからすぐ捕まえれるのだから…だがこちらに降参してきて同盟を結ぼうにも生かすも殺すもこちらの気分次第になるのだからどちらが正解とも言えないか…
ここはすぐにラバーを殺すべきだが…
できない…
さっきまで一緒に協力してた仲間を手のひら返してすぐに殺すなんてゲームでも無理だ…
「こんな甘い事やってたら駄目なんだけどな…」
お互いに反対方向に分かれた
他のコンパニオンを警戒しながら次の聖樹を探そう…
ドクンッ
心音が鳴り出した! これは少し不味いかもしれない
キャァアアアアアアア ドオオオン
遠くから悲鳴が聞こえた!
ラバーがやられた…しかもワンパン攻撃か…(通常は一度攻撃を受けたら負傷状態になりもう一度攻撃受けて落ちるので二回攻撃が必要なのだがアルカナによっては一度の攻撃で落とせるワンパン攻撃がある)
私とラバー以外の二人のコンパニオンのレベルはまだ2のはずだから恐らくはこのミッションがPKだって事はまだ知らないはず…私たちがレベル3になった瞬間ラバーが離れたからそのせいで悟られたのかもしれない…
「とにかくみにいかなくちゃ… チャリオット!」
戦車に乗り悲鳴が聞こえた場所へと向かう
「見えた!」
ラバーを倒したコンパニオンは遠距離攻撃を警戒してかパルトナを出したままにしていた
「あれは皇帝のアルカナか…ワンパン攻撃の正体はは皇帝のランスだったかあ…」
皇帝のアルカナは攻撃系のアルカナで戦闘に関して絶対的な強さをほこる
敏捷性が高く、基本攻撃のソードによる切りつけ攻撃に加え一撃必殺のランス突進攻撃(溜めが必要なのと突進が始まったらほとんど舵がきかないという弱点もある)をもつ中堅アルカナだ
遠くから相手コンパニオンを見つめる…メガネをかけた中年男性のアバターだ
そしてお互いに目が合う(戦車のアルカナは移動時にエンジン音が鳴り響くのですぐばれる)
が 無視してラバーがやられた場所へと向かって行く
戦車では皇帝に一対一では勝てないがこれだけ距離が離れていたら機動力がある戦車を皇帝は捕まえる事ができない
「ソウルの回収に行ったわね…」
コンパニオンは殺されても一度だけ復活する事ができる(復活する場所はある程度は指定できる)復活の際はペナルティとしてコンパニオンが老化状態での復活になり(負傷状態と同じでもう一度攻撃を食らえば終わりかつ回復アイテムや普通の回復能力では直せない)さらにパルトナのレベルが1つ下がってしまう(レベルダウン)
あとコンパニオンが殺された際 ソウル というアイテムをドロップする
他のコンパニオンがソウルを拾いそのソウルを聖樹に捧げればそのソウルの中身分聖樹が一気に成長する(ソウルの容量はパルトナのレベルに比例する)
自分で自分のソウルを拾った場合そのソウルを聖樹に捧げれば老化状態が解除され健康状態へ戻りパルトナのレベルも元に戻る
「私もレベルを上げないと」
ギュイーン
その場を離れ遠くにある聖樹を目指し戦車で駆け抜けていく
しばらく移動した後
ドクンッ
心音が鳴り出した
この心音は今引き離したばかり皇帝ではないわね…となると最後のコンパニオンか復活したラバーかになるのだけど…
心音の元へと近づいてみる(相手が近くなると心音が大きくなっていくのでアバウトだが場所がわかる)
お婆ちゃんアバターが聖樹に祈りを捧げていた、復活したラバーのアバターだ
向こうにもこちらの心音は聞こえているはずなのだが逃げる素振りもなく祈りを捧げている(まあ逃げても無駄なだけなんだけど)
チャット圏内まで近づいき老婆へと話しかける
「ねえ、私と手を組まない?」
このゲームは四人による対戦ゲームなのだがその報酬形式は麻雀と似ていいて1位になったものが特別多くの報酬を得る事ができ逆に最下位になったものは特別酷いペナルティを受けることになる(2位、3位はボーナスもペナルティもない)
ここでラバーを殺せばラバーの最下位は、ほぼ確定するが私の戦車のアルカナでは皇帝に勝てない以上私がトップをとるのは難しい…あと今回のミッションはPKミッションでさらには皆殺しタイプなのでトップボーナスはかなりのものになる(ミッションによってトップボーナスの倍率は変わる)心情的にラバーは最下位だけは避けたいだろうし…(ペナルティがあるから)
「いいよ、喜んで…」
二つ返事同盟が成立した
ドクンッ ドクンッ 心音がうるさい、 ポチッ ラバーからの心音の通知設定をオフにした、そうしなければラバー以外のコンパニオンが近づいても心音がわからなくなってしまう
ビカンッ
遠くから音がして聖樹のシルエットが輝いている
ビカンっ
別方向からまた音がして聖樹のシルエットが輝いた
皇帝と最後のコンパニオンがレベルアップしたんだ
これで私、戦車のレベルは3、ラバーは2、皇帝が3、もう一人も3かあ
「これでみんなミッション内容を把握した事になるね…さあ早くうちらもレベルアップしよう!」
ラバーに催促され一緒に祈りをささげてるとラバーが話しかけてきた
「ロックチェスト(アイテムが入ってる箱)が配置されてたね、最後の一人はマジシャンかな(普通のチェストは皆が開けれるがロックチェストは特定のパルトナしか開けれない)」
「多分ね…動きが遅い事考えてもマジシャンが場づくりをしてる可能性が高いね…」
マジシャンはアイテム系のパルトナでアイテム生成に特化したアルカナだ
錬金合成という能力をもっていてチェストから回収できるアイテム同士を合成して新しく強力なアイテムを作り出す事ができる(合成可能リストはレベルの上昇と比例して増えていく) アイテムの特徴としてはコンパニオンであれば誰でも使えるという事
アルカナの能力はパルトナにしか使えないがアイテムは手に持ってボタンを押せばだれにでもその効果をだすことができる
デメリットとしては使えば無くなるものや使用回数に制限がある事(マジシャンのレベルにより変化する)それと自分がアイテムを落としてしまった時、それを誰かに拾われてしまうと逆にそのアイテムで自分が攻撃されてしまう事もあるって所かな
あとマジシャンの弱点としてはまずチェスト開き(開くのには少し時間がかかる)材料になるアイテムを集めなければいけない事とと救済措置のために設置されるロックチェスト(マジシャンは多くの材料アイテムを必要とするから)の存在で自分のアルカナが特定される事が挙げられる
みるみる聖樹に祈りが捧げらゲージが増えていく、流石にラバーとの共同作業は早い
「おそらく皇帝はマジシャンの所に向かっているわ、私たちはここでレベルを上げてからすぐに皇帝を倒しに行きましょう」
ラバーがうなずく
現状戦車、ラバー、マジシャン単体では皇帝を突破できない、ましてや皇帝がもしレベルアップして4になってしまったらもう手が付けれなくなってしまう…
だけど私のチャリオットがレベル4、ラバーがレベル3になればラバーの能力でさらに加速できるから皇帝を倒しやすくなる
ビカンッ
聖樹が開花した!これでチャリオットのレベルが4になった
「行こう!」
ラバーを後ろに乗せてマジシャン達のいる場所へ向かう、ラバーのバフがかかってるから通常よりも早い速度がでる
うわぁぁぁぁ
皇帝のコンパニオンではない男の叫び声が聞こえた、最後の一人のコンパニオンが
皇帝に攻撃されたんだ…でもワンパン攻撃は食らっていない、なんとか凌いでいるのだろう
ギュイーン
「見えた!やっぱりマジシャンだ」
負傷した若い男のアバターのコンパニオンが皇帝のパルトナから逃げている
「マジシャン、即時生成だ!」
若い男のアバターが自分のパルトナににアイテムを投げつける
ぬうん
受け取ったマジシャンの両手が輝き瓶らしきものが作りだされる
それを
ガシャン!
皇帝のパルトナに向かって投げつけた
モワァァ
割れた瓶から煙が巻き上がる
「ちっ めくらましか だが!」
皇帝のコンパニオンが舌打ちをするが
煙で視界が遮られるが…
「そこだ!」
皇帝はすぐにマジシャンのコンパニオンの場所を特定する
皇帝のアルカナの能力に自分の周りのキャラクターが赤いシルエットで表示されるというものがあるので隠れても意味がない(レベルによって有効範囲は変わる)
近接戦闘に特化した戦車のアルカナに発見され近づかれただけで戦闘手段をもたないアルカナは絶望的な状況になってしまう
「貰った!」
皇帝がマジシャンのコンパニオンに切りかかる
バチンッッッ
急に鞭で叩きつけたような音が辺りに鳴り響く!
「くそっ 虎ばさみか! だがこんなものすぐ解除してやる!」
マジシャンがあらかじめ設置していた罠に皇帝のコンパニオンがかかった!
皇帝に投げた瓶はこの罠から注意をそらすもので自分の位置がバレてる事を逆に利用して虎ばさみまで誘導したんだ、皇帝のアルカナは近接戦は強いがその代わりにパルトナをコントロールできる範囲は狭い、マジシャンにとどめを刺そうと近づいた皇帝のコンパニオンが罠にかかってしまった(パルトナは基本無敵で実体をもたない幽霊のようなものでパルトナでパルトナを攻撃しても意味がなく攻撃はコンパニオン自身にする必要がある)
マジシャンのコンパニオンが走って逃げていく、罠にかかってる間にコンパニオンを攻撃すればいいのだが罠にかかっていてもパルトナは健在で近づいたら逆にパルトナに返り討ちになってしまう
「今よ!」
交戦中の皇帝には私たちの心音がわからない(すでにマジシャンの心音が鳴り響いているから) 罠にかかって動けない 狙うなら今しかない!
ドカーーーン
チャリオットの体当たりで皇帝のコンパニオンを吹き飛ばす!
ドォオオオン
虎ばさみによるダメージと体当たり攻撃で皇帝のコンパニオンを倒した!
「よしっ やったわ!」
まだ皇帝は復活してくるが1乙させれたのは大きい
一度チャリオットをを解除した
基本的にパルトナの心音範囲はコンパニオンの心音範囲よりかなり広く設定されている
パルトナを解除しないとこれから追うマジシャンのコンパニオンに自分達の場所がバレてしまう
「ラバー、あなたは皇帝のソウルを回収してきて!、私は消える前にマジシャンの足跡を確認するから!」
「…わかりました」
このゲームコンパニオンが走った場合地面に足跡という赤い靴裏のマークがしばらく表示される(歩いてる場合は足跡がつかないし時間経過で足跡は消える)
ターゲットのコンパニオンが心音範囲外に逃げてしまってもこの足跡を追えばおのずとコンパニオンの元へと近づく事ができる
「 あっちに行ったか…あそこには廃墟があるからそこに逃げ込む気ね…」
足跡を確認してマジシャンの逃走経路を分析した
ドスッ
「えっ?」
急に胸から突起物が飛び出した!
いやっ これは 矢じり か
背中から狙撃されたのか…
タタタタタ
後ろを振り向くとラバーが走って逃げて行っている
そしてその手にはボウガンを持っていた
そんな… マジシャンが生成したボウガンが落ちていたのかぁ(ボウガンは生成でのみ手に入るアイテムでチェストからは出てこない)
ラバーの心音設定は切っておいたから背後をとられている事に気が付かなかった…
だけど私のパルトナは戦車だ、ラバー相手なんてすぐに追いつく!
「許さないっ チャリオット!」
戦車にまたがろうとしたとき
ズンッ
また鈍い音が聞こえた
辺りを見回してみた
すこし離れた所にマジシャンのコンパニオンがいた…手にボウガンを持って…
一度走って逃げてわざと足跡を残したあと歩きながら戻ってきたんだ…
パルトナをだしていない状態のコンパニオンなら心音範囲外からでも狙撃できる(テクニックは必要) うまくやられてしまった…
ドオオォォォン
殺されてしまった…
ウエイトタイムの後(殺された後はすぐには復活できず少し待たされてからになる)大まかな場所を選んで復活(他キャラクターの心音範囲内では復活できない)
レベルダウンと老化のペナルティをうける …
ビカン
殺される前にいた場所あたりの聖樹が輝いた…
…だが私のソウルを使ったにしろ開花が早すぎる…
「手を組んだわね…」
恐らくだがラバーとマジシャンが手を組んだ…そうでなければあのスピードで開花はできないだろう、まあでも正しい考え方か…先ほどの状態のままでは私戦車がガン有利の状況になっていただろうし…(レベル4戦車がレベル2皇帝を倒せば戦車がほぼ勝ち確定)
それにマジシャンと組めば強力な武器を錬成してもらえるかもしれない、ラバーのパルトナには攻撃手段はないがアイテムを持っているコンパニオンであれば他コンパニオンを殺す事もできる
マジシャンとしてもラバーと手を組んで早くレベルをあげバフのかかってる状態でアイテムを錬成したほうがメリットがあるのかもしれない
これで今の戦力は 戦車レベル3(老化) 皇帝レベル2(老化) ラバーレベル4(老化) マジシャンレベル4(負傷) になる…
まずいな…ラバーとマジシャンがレベル5にたいしてリーチをかけてる(レベル5になればクラスチェンジして手に負えなくなってしまう)、しかもラバーの能力を使えばすぐに聖樹を開花する事ができてしまう…時間がない 彼らのレベルが5になって蹂躙される前に倒さないと
ビカンッ
違う方向で聖樹が開花した、皇帝がレベルアップしたんだ…
{一方そのころ マジシャンとラバー}
「よしっ早く次の聖樹に向かおう、レベル5になってしまえばもう俺たちの勝ちだ」
「勝ち…ね、そりゃまああなたは勝つでしょうね…私を殺してね
お互いにレベル5になったとしてもラバーではマジシャン相手では不利よね」
「なにがいいたいんだ?時間がないんだ単刀直入に言ってくれないか?」
「そうね…保険が必要ね、アイテムを錬成して私に渡してちょうだい、武器があれば簡単には攻撃できないでしょ?」
「ちっ 冗談を言うなよ その武器で俺が殺されちまうだろ」
「そこはあなたが何を錬成するかによるでしょ?嫌だったら一人で聖樹に祈りを捧げればいいわ、でもじきに皇帝や戦車がこちらに向かってくるわ 錬成したアイテムもあらかた使ってしまったのでしょ? 一人で聖樹に祈って手ぶらの状態で彼らを迎え撃つか、ラバーの能力で加速した状態で今のうちにアイテムを生産して一緒に聖樹を開花させた後に迎え撃つか…どっちが建設的なのか…わかるでしょ?」
「わかったよ…時間がないんだラバーをだしてくれ」
{戦車視点に戻る}
ギュイーン キキーーッ
「戻ってチャリオット!」
目の前に 皇帝のコンパニオンが立っている…パルトナはだしていない
「協力しない?」
示談を持ちかける
「望むところだ、流石にレベル5二人相手は無理なんでな」
このランクのコンパニオン達になるとお互いになるをするべきなのか会話しなくても理解している
「後ろに乗って、 行くよ!」
ギュイーン
ラバー、マジシャンがいるであろう聖樹に向かう
「いたっ!」
二人を見つけた!聖樹はあと少しで開花しそうだが心音を察知して二人はバラバラに聖樹から離れ逃げていった(ちなみに二人が揉めずにすぐに聖樹に触っていれば安全にレベル5になっていた)
「俺はラバーを追う! お前はマジシャンを見張っててくれ!」
皇帝は戦車から飛び降りラバーの逃げて行った方向へと向かって行く
一方私はマジシャンを追った、またマジシャンが狙撃してくるかもしれないから見張っていないといけない
「くっ」
ラバーは逃げるがどんどん距離がつまっていく(同じ速さならこういうのは追ってる側有利) もう少しで皇帝のパルトナの射程に入る
「くらえっ!」
ラバーのコンパニオンが皇帝のコンパニオンめがけて瓶らしきものを投げつけた
が
バリン
それを無慈悲に皇帝のパルトナが撃ち落とす
モヤァ
辺りに煙が立ち込める
「また煙幕か こんなもの!」
皇帝のコンパニオンは煙にかまわず突っ込んでいく
「そこかあ!」
ズシャァァァァ キャァアアアアアアア
皇帝のパルトナの一撃がラバーのパルトナに刺さった
ドォォォン
ラバーが消えていく…殺されるのはこれで二回目だからここでラバーはゲームオーバーだ
「こっちよ来て 皇帝!」
ラバーの2乙を確認した後戦車が皇帝を呼びつけた
皇帝がこちらに掛け声に気づきこちらへと向かってくる
「さてと ここまでだなマジシャン」
皇帝が到着した
これで二対一 マジシャンには勝ち目がないが
「お疲れ様、ごめんね!」
突然戦車はラバーとマジシャンが育てていたほぼ開花しかけた聖樹へと向かって行った!
「ちっ あの女!」
皇帝は舌打ちするが今は追えない…なぜなら向こう側にマジシャンがいるからだ
今彼女を追えば背中から狙撃されるだろう…
皇帝とマジシャンがにらみ合う… すこしの間皇帝は考えたあと…マジシャンめがけて走り出した
ビカンッ
あとすこしの聖樹を戦車が開花させた! これでレベル4に戻り戦車はすぐにチャリオットで遠くに行ってしまった
レベル4とはいえ戦車ではレベル3の皇帝には勝てない、だから機動力を生かして遠くの聖樹に祈りを捧げに行ったんだ
「俺がマジシャンを倒した後お前がレベル5になるのが先か俺がお前に追いつくのが先か…面白いじゃねえかよ」
「オラァア!」
皇帝がマジシャンに切りかかるが…その時皇帝のコンパニオンの膝が崩れた
「やっと効いていきたか…」
「… 何をした…」
「まだ気が付いてないのか?ラバーのやつにやられただろお前」
「なっ あいつが投げてきたの、は前に食らった煙幕だろ…」
「ハハッ そこまでハマってくれたんだったら嬉しいよ、あいつが投げた瓶の中身は煙幕用の液体じゃなくて神経性の麻酔薬だよ、一度目みたいにただの煙幕だと思ってナメてたっぷり吸ったんだろ、まああいつに催促されて作ってやったんだがもしもの事を考えて遅行性の麻酔薬にしておいてよかったぜ」
「ぐっ ギギ」
「じゃあな」
ドン
皇帝にボウガンの矢が突き刺さる
うわぁぁぁぁ ドォォォン
皇帝が2乙 ゲームオーバーだ
「今の声は皇帝?まさか…マジシャンが勝つなんて…でも聖樹を開花させないと…」
途中回収したラバーのソウルを使ったからかなり早く成長してはいるがやはり一人ではなかなか開花しない
「あと4分の1…」
ドクンッ
バッッ
心音に反応してとっさに聖樹から飛び跳ねる!
辺りを見回すがマジシャンは確認できない… 隠れているのか…
「周囲は確認しながら聖樹に祈ってたけど…狙撃されなくてよかったか…」
チャリオットに乗り周囲を探索する
パッとみた感じマジシャンのコンパニオンは見当たらないが心音は聞こえるから近くにいるはずだ
「いたっ! 岩陰に隠れてる…」
そのままチャリオットでマジシャンのコンパニオン目掛けて突っ込む!
バーン
突然マジシャンのコンパニオンが地面に向けて黒いボールを投げつけた
辺り一面が黒く染まる
ギュルルルルン
チャリオットのタイヤが空回りして少しづつ沈んでいく!
「うわっ スワンプボール!」
スワンプボールはマジシャンがレベル4で生成できるトラップアイテムだボールを地面に叩きつけたら一瞬で沼が広がり引きずり込む(丸ごと飲み込むではなく三分の一くらいで沈むのは止まる) 問答無用で動きを止めるので強いアイテムなのだが使用者も沼に引きずり込まれるという欠点がある(なお効果時間は30秒)
カチャッ
マジシャンのコンパニオンがボウガンを構える
「くらえっ!」
ボウガンの矢が放たれた!
「戻ってチャリオット!」
戦車のパルトナが消える!
バシャン!
コンパニオンはチャリオットが消えたことで落下してすんでのところでボウガンの矢をかわすがまた沼にハマってしまう(このゲームコンパニオンはジャンプできないので裏技みたいな形で矢をかわした)
「マジシャン!」
パルトナがコンパニオンからアイテムを受け取り錬成を始めた
「今のレベル4なら十秒でボウガンを錬成できる、これで詰みだな」
お互いに動けない状態ならば遠距離攻撃手段を持ってる物が勝つ、マジシャンは最後のボウガンの矢を使ってしまったが彼のパルトナなら容易に新しい武器は作れる…たとえ沼に足をとられていようとも
カチャ
「いいえ あなたの負けよ」
バシュン
ドスッ
マジシャンのコンパニオンの胸にボウガンの矢が突き刺さる
「なっ」
「忘れてたでしょ、ラバーが拾ったボウガンの事、まああの子あなたには隠してたみたいだけどね」
「そんな…」
ドオオォォォン
負傷状態のうえから攻撃をくらってマジシャン死亡
そして
スウッ
スワンプボールの効果も終了した
マジシャンのソウルを回収して手をつけていた聖樹に戻り捧げる
ビカンッ
聖樹が開花しついにレベル5に達した
ピカー
戦車のパルトナが光に包まれ…
四輪の装甲車へ変身した!
これがクラスチェンジでレベル5に達した時に起こる
多くの場合パルトナの形状が変化して性能が飛躍的に向上する
(因みに戦車の場合装甲車になり狙撃などが効かなくなるうえに備え付けの機関銃で遠距離攻撃もできるようになる)
ドオオォォォン
突然マジシャンが降参した ゲームセットである
(このゲームは最下位になると大きなペナルティをうける事になる、順位の判定はドリームポイントの量によって決まるのだが仲間を助けたら加点、殺されたら減点のように色々な項目によって点数が決まる 中でも殺されたときの減点は非常に大きいのでマジシャンはリザインしてこれ以上の減点を回避した、ちなみにラバーはかなり共同作業者を能力でヘルプしてた事と一度戦車を殺しているので一番早く退場したがソコソコポイントは稼いでいた、だからこのマジシャンのリザインは戦略的なものでもう一度戦車に殺されていたら最下位になっていた)
「ああああ 危なかったあぁぁっ」
上を見上げ勝利の余韻に浸る、太陽が眩しく輝いているが後味が悪い…
このゲームは毎回毎回こんな殺伐しているわけじゃない、特にこんな皆殺しのミッションなんてそんな出てこない
今回は皇帝が一番強いアルカナになったが例えば希少種を発見するミッションであったり捕獲ミッションであればかなり役立たずの部類のアルカナになってしまう、パルトナの選択も運、ミッションの種類も運 なのでバトルテクニックやキャラ選びよりもミッションの対応力や柔軟な発想が必要になってくる
画面が暗くなりリザルト画面が映し出される
「トップボーナスは…5倍! やったあ!」
他のプレイヤー達は皆ミッションを達成できなかったので取得ポイントが半減、さらに最下位のプレイヤーは取得ポイントが0になりランクも1段階落とされる(上位ランクは一つのランクを上げるのにランクポイントが5こ必要)
ミッションをクリアするとランクポイントが1貰える、そしてトップをとればミッションのボーナス倍率に応じて貰えるランクポイントも増える(つまり今回はランクポイント5ポイント貰える)
プレイヤーはリザルト画面でドリームポイントが貰えさらにミッションをクリアするとランクポイントも貰える、ドリームポイントはそのポイントと特典を交換する事ができる
溜めてもいいし換金して次のゲームに使うのもいい
「 ふうっ… 際どいゲームだったなあ…でも面白かった!
…でも一気に疲れたなあ…今日はこのへんでやめとくか…」
PKミッションは本当に疲れる…だが今回ランク1の状態での皆殺しミッションを生き残ったのは大きな手ごたえになった、ランク1は最高ランク、戦う相手もまた同格かそれ以上になり猛者だらけだ
練習期間は今日までって決めていた…最後に納得できる試合ができて本当によかった…
「いよいよ次は本番だよ…もう少し待っててねお母さん…」
準備はできた…自分なりに命をかける覚悟もできたと思う…
ふうっ とにかくもう眠い 今は寝て回復させて 明日考えよう…
ベットに倒れ込む
「明日…会えるといいな…お父さんに…」
DAY DREAM IN HADES チュートリアル END
自分で考えたゲームなので説明ばかりですみませんm(_ _)m
次は同じゲーム内での出来事、男主人公を書きます、性的表現があるR18版で男性同士の絡みがありますので女性向け?になる予定です、もしよろければ見て下さい、失礼します