英雄の伝説
この世界では子供から老人まで知らない者はいない、英雄の話があった。
二百年ほど昔、現代では世界で一番大きな国『ラルバディア』で、政権戦争が起きた。
王となるのを決める戦争は、周りに甚大な被害を出した。
その王候補の中に、一人の少女がいた。
名は『ナスタ』。当時の先代国王の娘だ。
彼女は国を愛し、国民を愛していた。そのために国王を決める戦争を好ましく思っていなかった。
しかし周りはそうはいかず、周りによってナスタは王の最有力候補となった。
他の候補者は皆、ナスタを殺しにかかった。
ナスタは戦うことすらせず、自身の首を候補者に差し出そうとした。
そこに、一人の傭兵が現れる。名は『ジャック』
ジャックはナスタに言った。私は先代の国王に貴女を護るよう頼まれたと。
ナスタは言った。貴方が私を護ろうとすれば、たくさんの人死ぬのでは?と。
ジャックは言う。貴女が王にならねば、たくさんの人々が死んでしまいます。貴女が私に命ずれば死ぬのは候補者だけで済みますと。
言葉通り、ジャックは候補者が率いる軍をたった一人で蹴散らし、候補者のみを殺し、ナスタは女王となった。
その後もジャックはナスタに仕え、ラルバディアは大陸一の大国となった。
人々はその戦績を讃え、ジャックは『英雄』と呼ばれた。
しかしある時、英雄は姿を消した。