第九話:本能
R15の表現入ります
R15ってどのくらいか分からないけど・・・
莉乃は俺を押し倒していた。
不意を突かれた俺の身体は抗うこともできずに見っとも無く床にぶつかった。
心地よい重みが身体に圧し掛かる。
胸のあたりには小さな頭が乗っている。
莉乃の胸や脚の柔らかな感触。
俺が声をかける前に莉乃がこちらを向く。
濡れた瞳が色気を誘う。
「ねぇ、正人。あんまり鈍いと私枯れちゃうよぉ。私、正人の事が好きなの。正人は私の事、嫌い?」
久しぶりの女の香り。
それも噎せ返るほどの濃厚な香り。
目の前には熟れた甘そうな果実が一つ。
それを認識すると俺の身体は俺と莉乃のポジションを引っ繰り返させる。
自然と声が出た。
「なぁ、莉乃。男を誘惑したらどうなるのか知ってるのか。絶対に只じゃ済まないんだぜ。」
口元を釣り上げて笑うと首筋に犬歯を宛がうと莉乃の素直な息遣いが聞こえる。
甘い。
久しぶりの女の味は例えようのないくらいに甘かった。
スカートから伸びる太股に手を当てると割れモノを扱う様に柔らかく触る。
莉乃の太股はシルクのように肌触りがよく熱く甘い。
余った左手を横っ腹から上着とセーターの間に滑り込ませる。
そしてブラジャーのホックの部分を軽くなぞり、思いっきり引っ掻く。
莉乃は早い嬌声を上げ、身を逸らす。顔を鎖骨の上に移動させる。
そしてもう一度太股を撫でると力強く鎖骨を噛んだ。
莉乃が悲鳴とも嬌声ともつかない声を上げると、俺の中に眠る男が急激にいきり立っていく。
それを莉乃の臍辺りに擦りつけてから莉乃の表情を見る。
壊したい――
そう自然に思った。
俺の一挙一動に忙しく感じる莉乃を愛らしいと思う。
莉乃の唇が潤み、真っ赤な舌が俺の心を急かす、欲しいと訴えながら。
スカートの中に手を入れ、ショーツのクロッチ部分を指でなぞる。
僅かに指の腹を押し込むと気持ちよさげに熱とそれを吐き出した。
「いやぁ。」
莉乃が震える声で拒否する。
それがさらに俺の劣情を増幅させる。
「『いやぁ』じゃないだろ。こんなにしておいてそれはないんじゃないのか。」
ショーツの中に手をやると中指が糸を断ち切ってしまった。
指を銜えさせようとすると莉乃と俺の身体が凍り付いた。
呼び鈴がベッドに鳴り響いた。
吐露していた欲望が小さくなる。
俺の動きを不思議に思った莉乃が首をかしげているがそれどころではない。
幸い莉乃の服は軽く乱れた程度ですぐに直せる。
呆然とする莉乃を起こして押入れの中に押し込む。
莉乃のカバンも一緒に入れてから口早に莉乃に一言言う。
「ごめん。あの人にはどうしてもこういうところ見られたくないんだ。悪いけど少しそこにいておいて。」
俺はどんな顔をしていたんだろうか。それを聞くこともなく莉乃を暗闇の中に放り込んだ。
戸棚に置いている香水を手、腹、首にかけて、部屋にも掛けると俺は小走りで玄関に向かう。
莉乃の革靴を傘入れの中に入れてからドアを開く。
外の冷たい空気が身体に吹き付ける。
「ごめんね、正人。アポもなしに来ちゃった。ねぇ、迷惑だったかな、正人。」
微笑みながら問いかける彼女に俺も微笑みながらその答えを返す。
「久しぶりだね、姉さん。アポなんて要らないに決まってるだろ。相変わらず綺麗だね。」
濡れ場って難しいですね…
赤面しながら書いているところを母に見られました(泣)
さてそろそろ終盤ですね
次は何書こっかなぁ~~