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第四話:追憶
『ねぇ、■■■。これっていけないことなのかな?』
何時の事だっただろうか。
未熟な俺が当然のことを問う。
『どっちなんだろうね、分からないや。でも正人はどう思うの?いけないことだと思う?』
時を止まってしまった君が困ったように微笑む。
君は答えを知っていたのだろう、絶対に。
『好きな人はみんなこうするんでしょ?じゃあ僕も■■■としたい。』
無知だった俺は何時もとは違う笑みに 違和感を覚えながらも、それを気にしていなかった。
この時だったんだ。
全てを間違えて、永遠の呪印を心に焼き付けたのは。
『そう。 、 。』
そう言って彼女は微笑んだ。
この時彼女は何を思って微笑んだのだろうか。
もう俺にはその問いを彼女に聞く資格を有していない。