表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

2つの流星

作者: 虎咲 しるべ
掲載日:2026/04/29

一人の男がローブを見に纏い歩いている。

フードの隙間からは時折真っ白の美しい髪が見える。

その横を少年が歩いている。

黒い髪の中に流れ星のような白いメッシュ。

「ハク!流星群、楽しみだね!」


数時間前。


木々をかき分けて村に一人の男が入ってくる。

ローブを纏った男は一軒の店に入る。

「…干し肉を下さい。」

「あいよ、お前さん、見ない顔だね。旅人かい?」

「はい」

男…ハクが袋を受け取りドアを開けるとふわりと風が吹く。

「!お前さん…その髪色…悪魔か」店主が銃を手に取り言う。

「……」ハクはチラリと見たあと黙って店を出る。

ハクが店を出ると

「お兄さん!お兄さんの髪、すっごい綺麗だね!」

「…誰」

「僕、ヒカルって言うんだ!僕もね、真っ白の髪あるよ!」

ヒカルが自身の白いメッシュを自慢そうに見せる。

「…!」ハクはそれを見た途端驚く。

そのメッシュが示すのは10歳になれば死ぬと言うこと。

「何歳」

「僕?今日9歳になったんだ!すごいでしょ!」

つまり1年後。この少年は死ぬ。

「…そうか」

ハクがこれだけ呪いに詳しいのはハク自身も呪いにかかっているからだ。

不老不死。ハクの白髪も呪いの影響だ。

「お兄さんはさ、旅人なの?」

「そうだ」

「僕も連れてってよ!僕ね!流星群見たいの!ちょうど1年後!」

「…一年後…」

「うん!僕の10歳の誕生日!」

「10歳の誕生日…」

「だめ?僕、この村じゃこの髪のせいで仲間外れにされちゃうからさ」 

「……ハクだ」

「え?」

「名前。」

「ハク!」

「ついてくるなら勝手にしろ」

「わーい!カバン用意してくるね!」


そして森の場面に戻る。


「これからどこにいくの?」

「街」

「街!僕村から出たことないからさ!すっごく楽しみだな!」

「…ん」

「これは?」

「着ろ」

ハクが自分のより一回り小さいローブをヒカルに渡す

「やったー!ハクとおそろい!」


「…もうすぐ着く」

「ほんと!」

森を抜けるとさっきの村の何倍も大きい街が姿を現す

「す…すごいや…煉瓦造りだ!こっちはなんだろ!」

「勝手に動くな」

「ねえねえハク!アレは何?」

「魚」

「さかな!」

「アレは?」

「インコ」

「いんこ!」

「あれは!」

「薔薇」

「ばら!」

「すっごー!」

「…そうだな」


「ハク!これ食べたい!えっと…おにく!」

「…これで買え」

ハクがコインを数枚ヒカルに握らせる

「やった!」

「すいませーん!お肉ください!」

「坊主、お使いかい?」

「おつかい?僕が欲しいので買いに来ました!」

「そうかい」

「はいよ」

ヒカルが受け取ろうとてをのばした時、フードがズレる

「な…坊主…その髪…」

「いくぞ」

素早くハクがヒカルを引っ張り裏路地へ入る

「ど、どうしたの?」

「その髪は…」

「?」

「…みんなが羨む。お前だけの秘密だ」

「そうなんだ!わかった!」


「…宿をとってくる。そこの広場にいろ。フードは外すな」

「うん!」

ハクは宿屋を探し、街を歩く

「…1泊2人。」

「一泊二人ですね、少々お待ちください」

「…お待たせしました!402号室です」

「…」

鍵を取り、広場へと戻る


「…ヒカル?」

広場へと戻るとヒカルの姿がない

「…」あたりを探す

小道に入って時

「や…やめてくださいっ…」

「ヒカル」

「は、ハク!」

「おい、こいつの兄弟か?随分と不用心なもんだなぁ!」

「ついでにこいつも売り飛ばしちまうか」

「…ヒカル、来い」

ヒカルがハクの後ろに隠れる

「目瞑ってろ」

「うん」

「おーおー!ヒーロー気取りか?やってみなよ!お前みたいなへなちょこじゃ…」

バシッ

ハクの蹴りが男の顔面に直撃する

「がっ…」

ドサッ

「いくぞ」

「え、うん」

ハクはヒカルの手を引いて足早にその場を立ち去った


「あの…ごめんなさい…知らない人について行っちゃって…」

宿のベットに座り、うつむく

「…気をつけろ。」

「はい…」

「……俺も悪い。置いていってすまん」

「え…?」

「……」

「…うん」

「…飯食べにいくぞ」

「次は離れるな」


「いらっしゃいませー!」

「二人」

「2名様ですね!こちらへどうぞ!」

「わー!レストランなんて初めてだよハク!」

「そうか」

「ご注文が決まりましたらお呼びください!」

店員は水とメニューを置き、別の客のところへ行った

「…好きなの選べ」

「す…好きなの…?」

「うーん……じゃあこれ!」

ハクが店員を呼ぼうとするが

「………」

「ハク?呼ばないの?」

「…呼ぶ」

「………」

「呼ばないの?」

「…今呼ぶ」

「……」

「…コミュ障?」

「違う」

「…僕が呼ぶよ」

「注文お願いします!」

「…あ」「…すまん」

「ハクはコミュ障なんだね」

「違う」


「僕はこれで、ハクは?」

「……これ」

「お願いします!」

「はーい」

店員が下がる

「ハクって面白いんだね!」

「どこがだ」


しばらくして料理が運ばれてくる

ヒカルの皿には大きな焼かれたエビ

ハクの皿にはオムラス

「ハク!それなに?」

「オムライス」

「おむらいす?」

「一口やる」

「ほんと!わーい!」

パクッと一口口に入れる

「おー!美味しい!初めて食べた!」

「そうか」

「笑った?」

「笑ってない」

「ハクもえび一口いる?」

「お前が全部食べろ」

「いいの⁈」

「…」

「やったー!」

「明日8時にこの街を出る」

「わかった!」

「だからさっさと寝ろ」

「うん!」

エビを頬張りながら頷く


「灯り消すぞ」

「うん!いいよ!」

「僕、明日も楽しみだな!」

「そうか」

「明日はどこに行くのー?」

「違う街」

「おー!どんな街だろ!動物いっぱいいるのかな!剣とかいっぱいあるのかな!」

「さあな」

「んふふ!楽しみ!おやすみなさいハク!」

「…おやすみ」


翌日。

二人は街を出て、新たな場所へと向かう

「ハクはさ!ずーっと旅人やってるの?」

「…違う」

「そうなの⁈じゃあ、前は何やってたの⁈」

「…警察」

「警察⁈かっこいい!」

「犯人追いかけたりしたの⁈」

「…そうだ」

「えー!もっと教えてよ!」

「…そろそろ休憩だ」

「はーい!」

「ねえねえハク!この木の実食べれるー?」

「食べれる」

「やったー!こっちは?」

「腹壊す」

「えー!あぶない!」


「夜は冷える。これをかぶって寝ろ」

「わ〜!モッフモフだ!」

「ハクはいいの?入らなくて」

「いい」

「ダメだよ!風邪ひいちゃう!」

「寒さには強い」

「だめ!入って!」

「…わかった」

「2人の方があったかいでしょ?」

「そうだな」

「おやすみなさい!」

「あぁ、おやすみ」


「起きろ飯食べたら行くぞ」

「ふあ〜…おはよぉ…朝ごはん何〜?」

「パンだ」

「やった!…って硬い!」

「そうか?」

「なんでハクは食べれるの⁈」


次についた街には門兵がいた

「身分証を見せろ」

「…」

ハクが出したカードをじーっと見たあと

「通れ」

 

「今度は武器とか鎧とかいっぱいだね!」

「わー!みて!この剣!かっこいい!」「僕も大人になったら強くなるかな」

フードを深く被り治す

「…………」「かもな」

「わーい!」

「ねえねえ!僕、小さいのでいいから剣ほしい!」

「……選べ」

店に入るといろんな種類の剣が置いてある

「わー!すごーい!この剣は光ってる!こっちは虹色!こっちは龍のマーク!」

「…」

はしゃぐヒカルを店の端から見つめる

「よし!これにする!」

「わかった」

その剣を受け取り、店主にコインを渡す

「まいどありー」

「やったー!」

「次は宿と夕飯を手に入れる」

「うん!」

「…夕飯は何が食べたい」

「ん〜…ハクは食べたいのないの?」

「……何故?」

「ハクが食べたいのが食べたい!」

「…そうか」

「うん!」


「ならこれだ」

二人がやってきたのは鶏肉専門店

「これを一つ」

「あいよ〜」

出てきたのは鳥。丸々一羽

「え、えぇぇぇ!こ、これ、鶏肉なの⁈」

「今回の宿はコンロがある。そこで焼いて食べる」

「鶏肉の丸焼きだぁ!」


宿へ戻り、ハクはコンロに火をつける

「おぉ〜!僕もお手伝いで焼いたことはあるよ!」

「そうか」

「うん!でも、鳥の丸焼きは初めて!」

「そうか」


しばらくしてハクが口を開く

「…昔警官をやっていたと言っただろ」

「ん?うん」

「俺は同期二人と犯人を追っていた。」

「犯人?」

「他人に呪いをかけて回る悪いやつだ」

「呪い⁈そんなのあるんだ…」

「そいつは強かった。二人は犯人に倒された。」

「…」

「俺は一人でそいつを倒した。が、その時に呪いをかけられた」

「ハクが⁈」

「……不老不死になる呪いだ」

「…じゃ、じゃあ…ハクは何百年も生きてるの…?」

「…そうだ。一人でな」

「そうなんだ……」

「でも、今は僕がいるじゃん!」

「…?」

「ハクは今は一人じゃないよ!僕、ずーっと大人になってもおじいちゃんになってもハクのそばにいる!」

「…っ…」

「そうか…ありがとな」

「うん!」

「…鳥が焼けた。たべるぞ」

「わーい!食べよ!一緒に!」

「落ち着け。喉に詰まるぞ」




そうして二人は転々としながら旅を続ける。

「わー!ハク!川だー!」

ヒカルが水へ飛び込む

「気をつけろ」

「ハクも!」

「ひ、ひっぱるな」

「いいから!」

ジャバンッとハクも川へ落ちる

「あははっ!ハクびっしょびしょ!」

「…ふっ」

「あー!わらった!」

「笑ってない」


「芋が焼けたぞ…ヒカル?」

「…どこ行った」

落ち葉の山がゴソゴソと動く

「ばぁ!」

「うおっ…」

「びっくりしたでしょ!」

「……芋は無しだな」

「えー!やだー!食べるー!」


そして冬

「そろそろ流星群の時期だな」

「そうだね!」

「…ヒカル。顔色が悪いぞ」

「え?そう?寒いからじゃないかな」

「……今日は休むか」

「いいの?」

「あぁ、数日休んでも流星群が見える場所にはちゃんと着く」

「そっk…

ドサッ

「ヒカル?…ヒカル!」

「大丈夫か?」

「うん…だいじょうぶ…ちょっとクラってしただけだから」

「…無理するな。寝てろ」

マットをひき、その上に寝かせる


「ヒカル……そろそろ流星群の時期だ…無理もないか…」

眠ったヒカルの横でハクが呟く

「呪いを解く方法さえあればいいのにな……」

「…こんな思いをするなら連れてこなかった方が…」

「ハク……この剣…かっこいい…」

ヒカルが寝返りを打つ

「……最後の夢くらい叶えてやるか…」


翌日

「ヒカル、大丈夫か」

「うん…わっ!」

ヒカルの足がもつれ転んでしまう

「…乗れ」

「え?」

「背負っていってやる」

「大丈夫だよ!歩ける!」

「流星群見る前に怪我されたら困る」

「わかった!」

ヒカルを背負い山道を進む

月が上り日が昇る

日に日にヒカルは弱っていく

そしてヒカルの誕生日前日

「ヒカル?」

「…なに?」

「着いたぞ」

「今夜ここで流星群が見える」

「ほんと…?」

「あぁ、ここから見るのが一番綺麗だ」

「なんでわかるの?」

「数百年も生きてきたからだ」

「そっか…」

「よかった…ハクについてきて…」

「…」

太陽が地平線へ姿を消していく


真っ暗の夜空に一筋の光が走る

「ヒカル…流星群だ」

それを合図に無数の光の筋が夜空に走る

「すごいや…ハクの…髪みたいに綺麗…」

「っ……ヒカルっ…」

「ハク…すっごいたのしかった……ぼくのゆめ…かなえてくれて…ありがとう」

「ぼく…ずっと…ハクのそばにいる…」

「ありがとう」

「ヒカルっ…俺の方こそ…ありがとうな」

ハクの手の中のヒカルの手から力が抜ける。

「っ……ひかる…」

ハクの後ろの茂みがガサガサと揺れる。

「悪魔め!見つけたぞ…白髪の悪魔!」

男3人が銃を構える

「悪魔め」

バンッ

一つの流星が輝く

白く美しかった髪が黒へと変わる

「…」

ハクを銃弾が貫く

「っ…ヒカル…俺も…そっちに…」

どさっ…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ