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11.5 幕間 義姉と義妹

視点の変更あり

▽ルチシャ→リリアンナ




「なぁに、そんな顔をして。初めてのデートだったんでしょう?」


部屋に来たかと思えば不満そうな顔でクッションを抱えたリリアンナに、ルチシャは書物机から声を掛けた。

ちょうどヘイゼルへの手紙を読み終え、返事をしたためようとしていたところだ。

逢瀬の頻度はおそらく普通の恋人よりも多いのだろうが、こうして手紙まで貰えるのは、まるで文通をしているようで心が浮き立つ。


先日の緋竜祭は、リリオデス領にあるお屋敷では色々とヒヤリとする事もあったものの、リリアンナは王都にてグロンペール侯爵子息であるヴィクトルと初めて一対一で会い、短くない時間を共に過ごした筈だ。

まだデビュー前のため堂々と連れ立って出掛けるわけにはいかなかったものの、侯爵家の馬車に乗って緋色に飾られた王都を見て回ったと聞いている。


返信用の便箋を選ぶルチシャに少しばかり恨めしそうな目を向けたリリアンナは、わざとらしくぷくりと頬を膨らませて見せた。


「ただの顔合わせよ。デートだったのはお義姉さまでしょ」


「そうねぇ…色々あって二人きりでお話をしたところ、とんでもない機密情報を知ってしまったわ。国家安寧のためにも絶対に口を噤んでおかなきゃいけないの」


「何でそんな危ない橋を渡ってるのよ」


「好んで危険な綱渡りをしたいわけじゃないんだけど、巻き込まれた結果、知る羽目になるのよね…」


呆れたような視線を向けてきたリリアンナに肩を竦めてみせれば「竜王さまの恋人になるって大変なのね」とため息をつかれてしまった。

きっとリリアンナは、私だって高位貴族のご子息に目を付けられて大変なのに…と言いたいのだろうが、ヘイゼルが規格外すぎてインパクトで負けてしまうのだろう。


ルチシャは秘色に薄氷色で森の模様が描かれた冬らしい便箋を選び、机に置く。

ながら作業で手紙を書くのは控え、代わりにヘイゼルと出会う前…デビュー後のパーティで見かけたことのある侯爵家三男の姿を脳裏に思い描く。

黄色味が強い金髪に、翠がかった青色の瞳。

この国の貴族社会では比較的よく見る色彩だが、面長の顔立ちは侯爵家の現当主にそっくりで、舞台役者のような華はないものの、表情や立ち居振る舞いから生真面目さや誠実さが伺える風貌をしている。

とはいえ真面目なばかりではなく、学者気質というか、単純に竜マニアというか…少々独特な癖もありつつ、情熱を内側に秘めているような人物なのだ。


「悪い人ではなかったでしょう?」


「真っ直ぐストレートに、竜にしか興味関心のない御仁だったわ。私を相手に選んだもの、いずれ生まれてくる子どもに、母親のお姉さんは竜の伴侶なんだぞって自慢したいからだって」


「あらまぁ。素直に腹の内を晒してくれるなんて優しいじゃない」


「そうかもしれないけど、初対面でそんな風に言われて腹が立ったから帰り際に『お義姉さまとの最初のお茶席で、竜王さまがお召しになったものは何だと思いますか?』って、問い掛けだけしてきたわ。……で、一体何をお召しになったの?」


「貴女ねぇ…答えを知らないのに問いだけ置いてきては可哀想じゃない」


「だから答えを聞いているんじゃない。……手紙が来たのよ、『問いの答えが知りたいからもう一度会いたい』って。また王都まで行くの面倒だから手紙で答えを伝えようと思って」


「返事を待ちきれなくてこの家まで来てしまうのでなくて?今はヘイゼルが出入りしているから、あまり他の貴族はお迎えできないのよ?」


「そこはちゃんと釘を刺しておいたし、ほら…第一王子の失態が広まりつつあるから、侯爵家としても不用意に竜を刺激するような振る舞いはしないって方針みたい」


秋口にルチシャが緋色の鱗を持つ竜に連れ去られたことは、王宮警備兵を中心に多くの人が目撃しているし、リリオデス伯爵家にも多くの問い合わせが寄せられた。

だが冬の社交界の開式の際に、リリオデス伯爵家の長子は近いうちに、国を守護する緋色の巫女竜よりも更に高位の竜のもとへ差し出されること、万が一にもその竜の不興を買えば一夜にて国が滅びる事、第一王子は謝意を示すために立太子する権利を剥奪され今暫く蟄居することなどを国王陛下自らが説明したことにより、国内の貴族たちは事の重大さを踏まえてリリオデス伯爵家から一定の距離を置き様子見しているのが現状だ。


そんな中でリリアンナに声を掛けることが出来たのは、ひとえに侯爵子息であるヴィクトルがかねてから無類の竜好きだと公言しているからだろう。

なにせ、緋色の巫女竜との交信の儀式に携わりたいという理由だけで典礼部に在籍しているような御仁だ。

息子の行動を諌めないどころか内々に父と話し合いの場を設けたということは、グロンペール侯爵家としてもリリアンナを通してリリオデス伯爵家と繋がりを持つことに異論はないのだろう。


もしもリリアンナが運命的な出逢いを求めるような娘であったなら、社交界デビューの前にお相手が決まってしまったことは悲劇としかいいようがないけれど、恋愛にさほど興味がなく積極的に出逢いに邁進したい気質でもない以上、むしろ早く決まって良かったと言うべきなのかもしれない。


(あまりにも瑕疵のある人物というわけでもないし…)


ルチシャよりも二つほど年上の高位貴族の子息。侯爵家の次男が国外に出たことで、三男のヴィクトルが、いずれ侯爵が持っている爵位のひとつを賜るのでは…という噂は前々から流れていた。

王宮に出入りする典礼部務めであるため、同じく王宮務めの女官や侍女からよく声を掛けられているようだが、女性関係で問題があるという話は聞いたことがない。

ルチシャが出席した夜会でも無難なパートナーを伴い、あくまで侯爵家の代表として社交と顔繋ぎをおこなっていたという印象しかなかった。

まあ、ヴィクトルの口から紡がれる言葉の内容の七割が竜に関することであるため、いくら良縁を望むご令嬢でも長く共に居ると辟易としてしまうのかもしれないが…。


義妹の婚約者候補な男性について考えを巡らせるルチシャを他所に、リリアンナはあっさりと話題を切り替えた。


「それはそうと、森はどうだったの?暮らせそう?」


「ええ、問題なく。ありがたいことに、先住の魔女さんが色々と配慮してくださるみたい。ヘイゼルの森は実りが多いから動物型の精霊も多く住んでいるらしくて、とても美しい鹿の精霊を見かけたわ。それに辺り一面鬱蒼と茂る森という感じじゃなくて、背の高い木々の生えている場所もあれば草地のように開けた場所もあって…色んな景観が楽しめるし、思ったよりも過ごし易そう」


「ふぅん。……お屋敷はどんな感じなの?やっぱり竜って、宝物を溜め込んでいるのかしら」


あら。とルチシャは、クッションに顎先を埋めたリリアンナを密かに見つめた。

てっきりルチシャの事を心配して話題を切り替えたのだと思ったが、この様子では別の思惑もあるようだ。


(今までは竜の生活や性質に興味を向けることなんてなかったのに…)


本人は無自覚かもしれないが、ルチシャとの会話の中から竜に関する情報を得ようとしているのだろう。

その目的は言わずもがな、ヴィクトルと交流する際の話題にするために違いない。

となれば、大事な義妹のためにひと肌脱ぐのは吝かではない。



「人間の目にはそうと映らなくても、歴史深く価値あるものはたくさん置いてあるのでしょうね。

お屋敷は、そうねぇ……驚きがたくさんあったけれど、エントランスの天井は三メートル以上もあったわね。それにお風呂が広大で、結婚したあとは侍女の代わりに動物型の精霊が入浴を手伝ってくれるそうなの」


別に秘匿することでもないし、教えたところでヘイゼルも大して気にしないでしょう…と先日森で見知ったことを口にする。

侍女代わりの精霊という言葉に思わずクッションから顔を上げて身を乗り出したリリアンナに、にんまりと口角をあげれば、少しだけ嫌そうな顔をされてしまった。


「もっと聞きたい?」


「……聞いておくわ。武器は多い方が戦いやすいし」


「そうね。竜狂いな侯爵子息さまには、小出しにしてたっぷり翻弄するのが正しい使い方でしょうね」


先日の、問い掛けだけ残して帰った件も、こちらやヘイゼルに迷惑が掛からないのであれば良い手札の切り方だったといえる。

様々な駆け引きをするなかで、相手の本当の気質を伺う機会も得られるだろう。

たとえば、自分の意のままにならない時に相手がどのような行動をとるのか。贈り物で懐柔しようとしてくるのか、あるいは脅しや命令で無理やり言うことを聞かせようとするのか。

恋愛ではなく政略的な関係である以上、結婚する前に、隠された本質をどれだけ引き出せるかも重要になってくる。

そう説明すれば、リリアンナは「お義姉さまは恋愛経験が浅いのにどうしてそういう事への知見は深いのかしら」などと失礼千万なことを言うものだから、ヘイゼルが最初のお茶席で食べたお菓子の情報についてはカードゲームで勝てたら教えてあげることにした。

リリアンナが相手の場合、ルチシャの勝率は八割近い。ちょっとしたイカサマをすれば十割だ。


たっぷりと翻弄され完全敗北を期したリリアンナが「義姉さまの根性悪…!」と呻く様を見て溜飲を下げることにしましょう…と、ルチシャは義妹の前に席を移動すると手早くカードを切った。









リリアンナは馬車を降り、目前に聳える立派な建物を見上げた。

同じ王都にあるタウンハウスでも、グロンペール侯爵家の所有する屋敷はリリオデス伯爵家のものより倍近く大きい。

外門から内門までの距離は王宮の小庭園くらいあるだろう。

今は茶色く色褪せた芝が広がるばかりだが、春の芽吹きの季節を過ぎれば青々と美しい景色が広がるに違いない。


車寄せの近くで出迎えてくれた人物に深々と頭を下げる。

二つ三つ言葉を交わしたあと、執事の案内を受けて通されたのは大きなガラス窓に囲まれたサンルームだった。

整えられた茶席のテーブル脇で待機していた人物は、リリアンナの姿を認めると爽やかに微笑んだ。


「やあ。会えて嬉しいよ」


「お招きありがとうございます……まさか『息子が不眠症になっているから会いに来てほしい』と侯爵夫人直筆のお手紙が届くとは思いませんでした」


「きみが答えを焦らすからだ」


「お手紙でお伝えしたと思うのですが…」


「手紙ではいけない。実際にきみの口から聞かなければ。ちなみに手紙で伝えた通り、状況の再現をしても構わないよ」


言葉の応酬通り、リリアンナは義姉(あね)からどうにか教えてもらった情報を手紙にしたため、ヴィクトル宛に返信している。

だがその手紙に対する返事には「文面ではなく直接知りたい」という内容が記されており、さすがに緋竜祭の日にお会いしたばかりですので……と遠回しにお断りしていたところ、グロンペール侯爵夫人から『息子に会いに来て欲しい』という手紙が届いたためリリアンナは飛び上がらんばかりに驚いた。

どうしたものかと義姉に見せて相談したところ、「思っている以上におかしな御方なのねぇ」という感想と共に必勝の秘策を授けられ、こうして王都の侯爵邸へ送り出された次第だ。


出迎えてくれたのは手紙をくれた侯爵夫人だったが、彼女は息子であるヴィクトルには恋患いならぬ竜患いという症状があるのだと説明したあと「悪いけれどあの子の気が済むまで話に付き合ってあげて頂戴…」と若干疲れた様子でリリアンナをサンルームへと導き、そのまま自室へと下がって行った。



目をキラキラさせながら竜王とのお茶席を再現をしたいとアピールしているヴィクトルに、リリアンナは本当にこの方はルチシャ義姉さまよりも年上なのかしら…と内心首を傾げながらも、その要求に応えることにする。

幸い、手紙にも『状況を再現して見せて欲しい』と書かれていたため、それに相応しい手土産も持参している。手土産は入り口で執事に預けており、毒味が済み次第ここへ運ばれてくることだろう。



「貴方が竜王さまの役をなさるの?それともお義姉さまの役?」


「………僕が竜王さまの役だなんて烏滸がましいにも程があると思わないか?」


「では私が竜王さまの役をやりましょう。お義姉さまの役は……」


「ま、待ってくれ!やっぱり竜王さまの役は譲れない!だが、それでは細部が捉えにくい…!」


樊能するヴィクトルを見守る侯爵家の使用人の面々は、慣れた様子だ。

従者と思しき若い青年はリリアンナの表情を窺いつつハラハラしているようだが、その隣に立つ年配の男性は表情ひとつ動かさずに状況を見守っている。

ヴィクトルが選ぶ役目次第で席次が決まるため、リリアンナも立ったまま待っていたが、何度目かわからない悩ましげな「うぅん…」が聞こえ思わず口を挟む。


「……竜王さまの役をされたあと、傍観者として二度目の寸劇をご覧になっては?」


「素晴らしい提案だ!それでいこう!」


いそいそと二人がけのソファに腰掛けたヴィクトルは、ではきみが姉君の役をするといい、と自分の隣をポンポンと叩いた。

リリアンナとしては総合監修として傍観者の立ち位置で構わなかったのだが、流石にリリアンナを押し退けてヴィクトルの隣に座るような使用人はいないようだ。


離席していた執事が毒味などの終えたお土産を持って戻ってくる。

ワゴンに乗せられたタルトを見たヴィクトルは再び表情を明るくした。


「これは実際に竜王さまがお召しになったタルトだろうか?」


「作り手や使っている果実が違いますので完全な再現には至りませんでしたが、お召しになったのはこの形のタルトです。タルト生地は同じレシピで作っていますし、表面のデザインもこちらだったと聞いています」


「おお…!」


晩夏の果物を真冬に揃えることは出来なかったし、このタルトを作ったのは領地のリリオデス伯爵邸にいるピアンシェでなく王都のタウンハウスにいる料理人だが、レシピ自体に大きな差はない。

紅茶も、リリオデス伯爵邸で高位の客人を接待するために備えてある銘柄だ。

竜王が飲食したものと殆ど同じだと聞いて目を輝かせたヴィクトルの前に一切れのタルトが給仕される。


ヴィクトルにはまだ教えていないことだが、リリアンナは義姉から「竜は殆ど食事をしない」と聞かされ、心底驚いたものだ。

挨拶をした際に拝見しだけだが、伯爵よりも背が高く逞しい体躯をお持ちのため、さぞ沢山お肉を食べるのだろうと思っていた。

けれども竜を含む樹木精霊の多くは日の光と空気があれば事足りるそうで、茶席でも小ぶりのタルトを一切れ食べれば十分…という具合らしい。


リリアンナがお土産として持参したタルトを「竜王さまのひとくちはどのくらいの大きさだろうか…!」などと言いながら頬張ったヴィクトルは、口の中で丁寧に味わってから咀嚼した。そのあたりの行儀の良さは、いくらはしゃいでいるとしても、さすが侯爵子息というべきだろう。


「うん、美味しい。マルメロは僕も好きだ。きみはどうだろう」


「私も好きです。洋梨よりもマルメロのほうが好みなくらいです」


「洋梨は品種によって様々だからな…僕の気に入っている品種を今度贈るから、食べてみて欲しい。虚偽の感想は必要ないから、気に入ったときだけ美味しかったと言ってくれ」


「ご厚意に感謝致します」


頭を下げれば、もう少し気楽にして構わないと苦笑される。

タルトの味をお気に召したのかおかわりをしようとしたものの、竜王さまは一切れしか召していないと聞いて渋々おかわりを取り下げたようだ。

再現が終わったあとにまた頂こうと言われたため再び軽く礼をしておく。侯爵子息がおかわりを所望したと聞けば、タルトを作った料理人もさぞかし喜ぶことだろう。


「うーん…隠し味に蜂蜜を使っているのだろうか。絶妙な甘さだな」


「今回は特別に隠し味として、竜王さまがお土産でくれた蜂蜜を使っています」


「竜王さまの!!??」



これこそが今回、リリアンナが義姉から授けられた秘策だ。

もちろん竜王さまの許可を取ったうえでだが、今回のタルトには竜王さまの森で採れた蜂蜜がほんの少しだけ加えられている。

「普通の人間は食べ過ぎない方がいいよ」という忠告のもとで分けてもらった代物だが、なるほど確かに極少量であっても、いつもより生地がしっとりとして味わい深くなっている。


竜王さまからの蜂蜜と聞いたヴィクトルは驚愕に目を見開き、びゃん!と背筋を伸ばしたようだったが、次の瞬間、どさりとソファから倒れ落ちた。


「え!?ちょ、!?」


テーブルで頭や身体を打ってはいないようだし、落ちたのが絨毯敷きの床の上とはいえ、急に倒れたためリリアンナは心臓が止まりそうなほどに驚いた。


困惑するリリアンナを他所に、ささっと素早く動いたのは表情筋の堅い年配の男性と、タルトの載ったワゴンの近くにいた執事で。まだ年若い男性の従者は、おろおろと戸惑っているようだ。


老齢の執事から「申し訳ありません、坊ちゃんには刺激が強すぎたみたいです」と深々と謝られ、リリアンナはどうにか心を落ち着かせながら大丈夫だと小さく首を振る。


「タルトを喉に詰まらせてないと良いのですが……」


しっかり食べ終えていたため問題ないとは思うが、持参したお土産で事故が起きてしまったせいで申し訳なさが募る。

結局ヴィクトルはそのまま自室で休養することとなり、リリアンナは留まるのもご迷惑になるからと帰路につくことにした。

事情を聞いて慌てて見送りに出てきた侯爵夫人は「喉に詰まらせたとしても、むしろあの子は本望でしょう…」と心底疲れた様子で額に手を充てていた。




後日、グロンペール侯爵夫人からは『お土産で頂いたタルトは意識が戻るなり息子が全て食べてしまった』と、あの後の顛末も記されたお詫びの手紙が届き、ヴィクトルからは『素晴らしいお土産をありがとう。大事に食べさせてもらった』という感謝の手紙と共にいくつかの洋梨が届けられた。


そんないわくつきの洋梨を厨房で切り分けてもらい、リリアンナはルチシャの部屋を訪れた。

最近は恋人である竜王さまとお茶をしていることが多いし、社交から離れているとはいえ、ルチシャは何かと忙しい身の上だ。

片付けの進む部屋を見回して、あと半年もせずに出て行ってしまうのね…と寂寞の思いに駆られる。



「ヴィクトル様だけど……お義姉さまから分けていただいた蜂蜜を使ったタルトを食べたら、白目を剥いて倒れてしまったわ」


「倒れた?どうして?」


「竜王さまからの蜂蜜を食べたことに興奮し過ぎたんですって」


「……変な御仁ねぇ」


パーティでお話しした時にはもう少し普通に思えたけれど、やっぱり人ってわからないものね…と呟いたルチシャ義姉さまは、おもむろに、鍵のかかる小さな箱をソファテーブルへ置いた。

また竜王さまから贈り物でも貰ったのかしら…と、義姉の腕と両耳を飾る稀少な琥珀色の宝石を眺めていると、唐突にその小箱の隣にトランプの束が置かれた。

交戦的な瞳と不敵な笑みが向けられ、先日の惨敗を喫した記憶がありありと思い出される。


「ヘイゼルに、義妹の婚約者候補が竜好きの侯爵子息なのだと伝えたら、とある竜から剥ぎ取った鱗ならあげるよと言われたのだけれど、どうする?」


「……貰えるのなら、貰っておこうかしら。それがあれば、とんでもない強敵なご令嬢が現れても勝てそうな気がするもの」


「今の状況なら、鱗がなくても大丈夫な気がするけど…」


確かに、今この国で一番竜に関する知識が深いのはルチシャだろう。そしてルチシャから直接情報を仕入れることができるリリアンナは、ヴィクトルにとってはこの上なく貴重な情報源となる。


トランプの束を手にしようとする義姉さまを制し、リリアンナがシャッフルしてカードを配る。

イカサマ防止の措置として取った対策だが、今回は完全に裏目に出たようだ。貧相すぎる手札に思わずため息が出そうになる。ここはもう、何かしらの話題を振って注意を逸らすしかない。


「……そういえば新生活の準備って進んでるの?竜王さまが全部揃えてくれる感じ?」


「多少の精査が必要になるものの、持って行きたいものは森へ持参していいと言われているから、衣装とかはいくつか持っていくつもりだったんだけど……この前、見るからに貴重そうな布で作られた普段着を数枚貰ってしまったわ」


「お金持ちに嫁ぐって大変ね」


「何言ってるの…貴女もきっとそうなるわよ。ヴィクトル様は子爵位を継いでから結婚なさるのよね?」


「爵位の継承宣告と同時に婚約のお披露目をなさるそうよ。このまま何事もなければ、次の冬の議会で独立の承認を貰って、春頃に爵位継承をお示しになる予定ですって。だから、私のデビューを今年に戻すべきかお義父さまは悩んでおられるみたい」


貧相な手札を全て捨てて入れ替える。

義姉の視線や表情を追っても彼女の手札が読み解ける筈もなく、一回戦目は前回同様に惨敗を期した。

気を取り直して再びシャッフルしたカードを配る。

今度はいけそうだわと思ったのに、まさかの初手からコールをかけられ駆け引きの暇もなく負けた。

「貴女の目が光ったから、揃えやすい手が来たのねと思って早めに開いてみたわ」と言われてがっくりしてしまう。


それからも、義姉さまは本当に鱗を手渡す気はあるのかしらと疑いたくなるほどコテンパンにやられ続ける。

ぐぬぬ…と悔しさを噛んでいると、心底愉快だと目を細めていた義姉さまがちょっと困ったように微笑んだ。


「貴女が家を出てしまったら……里帰りをする楽しみが減るわね」


「………私が結婚するってなったら、結婚式、来れそう?」


「どうかしらね……竜王は不参加でも構わないのかしら」


「むしろ参加されたら困るわ…倒れて新郎不在の式になっちゃうもの」


隠し味の蜂蜜で卒倒するのだから、本人登場なんて事態になれば心臓発作で死んでしまうかもしれない。

結婚式当日に未亡人になるなんて御免だわと冗談めかして肩を竦めれば、ルチシャ義姉さまは口元を隠して可笑しそうに笑う。

幼い頃から見ていた、母や使用人たちの笑い方とは違う、高位貴族らしい控えめな笑い方。それでも、ここ数年で一番柔らかい表情に見えた。


(きっと…竜王さまのおかげなのね…)


義姉が居なくなるのは心底寂しいが、幸せであるのならそれ以上の事はない。


その後も負け続け、リリアンナが鱗を手に入れたのは二十回目の勝負でのことだった。明らかに手加減されていたものの、勝ちは勝ちだとありがたく小箱を受け取る。



「ご子息は何というか……変な人だけれど、悪い人でなくて良かったわね」


「まあ確かに…陰口を叩かれるよりは、真っ向から竜目当てですって言われたほうがマシね。それに、姉さまが里帰りするときに私がここに会いに来ても、絶対に文句は言わないでしょうし」


「あら…この家に戻って来る度胸があるの?」


ストレートに指摘され、うっと言葉に詰まる。

確かに、伯爵にとって自分は養子でしかないし、次期当主になる弟とも、不仲ではないが特別仲良しというわけでもない。何より実母である伯爵夫人とは長らく冷戦状態だ。

「ルチシャ義姉さまとお会いするために一時的にそちらへ帰省します」という手紙を出そうにも、一体誰に宛てればよいものか。


(伯爵夫人宛に出すのが一般的だけど…どの面下げて母さまに手紙を書くというの…)


でも、ルチシャ義姉さまにはお会いしたい。

悶々と葛藤するリリアンナに、ルチシャは「リリィ」と昔の愛称で呼びかけた。

思わずハッと顔を上げる。

こちらの葛藤などお見通しと言わんばかりの瞳に見据えられて、リリアンナはバツが悪くなり、わずかに視線を彷徨わせた。


「結婚が決まる前に一度しっかりリリム夫人と話しなさいね」


「……でも、」


「今後も貴族として生きる以上、必要なことだとはわかっているでしょう?貴女や夫人には他に頼れる親戚も居ないのだから尚更に」


「わかってるけど……」


駄々を捏ねる幼子を見るような義姉から目を逸らす。

わかってはいるが、もう七年も喧嘩し続けている母親と何をどう話せば良いのかわからないし…正直なところ、いくら時が経とうと母の過去の行いを許すことはできないのだ。


向かいの席からおもむろに立ち上がった義姉さまは、棚の箱型オルゴールから鍵のようなものを取ると、文机の引き出しから厳重に仕舞われた何かを取り出した。

持ち上げられたのは小型のナイフで、護身用で持ち歩くにしては装飾が多くて重そうだ。

義姉さまの好みのデザインとは思えず、誰か別の人の持ち物だったのかしらと首を傾げる。


「……それは?」


「私が母から譲り受けた最後の品物よ。自分の居場所を守りたいならこれでローゼルの心臓を刺し貫けと言われてね」


「え……」


突然明かされた事実に頭が真っ白になる。



(ルチシャさまは、ローゼルを殺すつもりだった…?)



言葉を失ったままナイフと義姉とを見つめていると、彼女は苦笑しながら肩を竦めた。

その仕草だけで、そういうつもりは一切なかったのだと理解する。

ただ……ナイフを渡した人物が彼女の母親であるという事実が、ひどく重い。



「ローゼルが生まれた時、貴女が夫人に対してとんでもなく怒ってくれたから、私は冷静に事態を受け止められたわ。……けれどもね、私は私で、それなりに手段を隠し持っていたし、私の振る舞いや舵取り次第で、貴女やリリム夫人を社交界から追放することも出来たの。

父と血の繋がっている次期後継者のローゼルさえ残れば、あとはどうにでも補填できる存在だもの」


「ルチシャさま……」


補填、という言葉がいやに現実的で、母の懐妊や弟の誕生に関して、終始冷静に対応していたように見えた彼女がそんな考えを持っていたとは微塵も知らず、強い衝撃を受ける。


(あの頃一体どれだけの人が、ルチシャさまの考えを察していただろう…)


ふと、雇い主である伯爵と不倫をしたうえにルチシャさまの居場所まで奪った母のことが許せなくてムシャクシャした心を持て余していたあの頃。トゲだらけの言葉で母を罵る私に、たった一度だけ強く告げられた母からの言葉を思い出す。



『この先何があろうと、決してルチシャさんを恨んではいけませんよ』



当時は頭に血がのぼっていて、ルチシャさまに恨まれこそすれ、恨むなんてことはあり得ないわ!と突っぱねただけだった。

私はルチシャさまが大好きだったから、母のせいで大好きな人に恨まれるかもしれなということが心底悲しくて堪らなかったのだ。


でも、母はきっと察していたのだろう。


たった数年とはいえ当主として教育を受けたルチシャさまが知略に長けていることも、歴史ある伯爵家の長子として生まれた彼女が生来持つ強い発言力のことも。

そして何より、伯爵家に必要なのは後継となる『男児』であり、爵位の低い後妻やその連れ子は場合によっては排除の対象となり得ることも。


子どもは洗礼式の場で初めて両親の公示がなされる。

ローゼルの身に持つ色彩はルバート寄りで、リリアンナほどリリムと顕著に似ているわけではない。

前伯爵夫人の他界の時期は絶妙で、『産後の肥立ちが悪かった』としてローゼルを前伯爵夫人との子として公示することも可能だったのだ。

むしろ、ローゼルの将来を思えばそちらの方が良かったのかもしれない。



次期当主として生まれたローゼルを擁護しながら、前伯爵夫人に所縁のある貴族達の前でルチシャが悲劇のヒロインを演じるだけで、リリムとリリアンナは簡単に伯爵家から締め出されていたことだろう。


ルチシャが動かなかったからこそ、リリムもリリアンナも社交界を追放されることなく、今もただ周囲からの嫌み嫉みを聞き流す程度で済んでいる。



「ローゼルが生まれたあと、お父さまが私を宿舎型のフィニシングスクールへ行かせなかったのは、目の届かないところで私がどのような画策をするか警戒したからでしょう。……ヘイゼルと交際する中で、父のリリム夫人に対する恋情について考えたことがあるわ。きっと父なりに夫人を守ろうとして、私が夫人を害さないようにと手を回していたのね」


その言葉にさえ、衝撃を受ける。

伯爵が母に手を出したのは戯れだと思っていた。

運よく男児を授かり、それで後妻の座に収まったのだと。

けれどルチシャさまの口から告げられるのは、全く正反対の事実で…


(伯爵が母を気に入り、不貞関係に至ることを…ルチシャさまは事前に聞かされていただなんて…)


そんな酷いことがあるだろうか。

彼女の母親は心を壊して離宮に入っていたとはいえ、まだ存命であったのに。

当主の意向だとして、それを受け入れざるを得なかったルチシャさまの心情を思うと胸が張り裂けそうになる。



「それに、竜王さまから求婚があったと聞いた父はこう思ったかもしれない……夫人の立場を脅かす人間をようやくどこかへ追いやれる、と」


「そんな事は、……っ」


ない、とは言い切れない。

それが悔しくて唇を噛んで俯くと、「もう過ぎたことよ」と静かな声が聞こえた。

机上に置かれたナイフの刀身が鈍く光ったように見えて、リリアンナは己の無知と、敬愛すべき義姉のこれまでの葛藤を思い、堪らず両手で顔を覆う。


「ルチシャ義姉さまはどれだけの事を抱えていらっしゃったの………私はそんな義姉さまをお支えもせず、自分勝手に怒ってばかりで…」



噂で『義姉が竜に嫁ぐ』と耳にしたとき、真っ先に抱いた感情は憤りだった。

ルチシャが当主教育の合間に淑女教育も受けながら過ごす日々は多忙を極めており、一緒に淑女教育を受けていたリリアンナはいつもルチシャが身体を壊さないか心配ばかりしていた。それなのに、あれだけの努力を全く活かせぬ場所へ追いやられるというの!?と、噂が真実なら運命を呪ってやるとまで思っていたほど。

だが、実際に屋敷で話を聞いてみれば、驚くほどに晴れ晴れとした顔でお相手の事を話す義姉さまが居た。


恋であるなら口を挟むことはない。

でもやっぱり…勿体ないわ。


そんな風に思っていたけれど、こうして自分の知らなかった裏側を知れば知るほど、義姉が貴族というしがらみから脱却できることが、この上ない幸運であるかのように思えてしまう。

今も、貴族社会に残るリリアンナのことを案じてくれながらも、その声色にはどこか清々しさすらある。



「伯爵家のことは、これからはローゼルが背負うのでしょう。少なくとも私はもうすっかり肩の荷を下ろしちゃったわ」


覆っていた手を外してのろのろと顔を上げれば、一歳しか違わないのに、ひどく大人びた表情をしたルチシャさまがこちらを優しい眼差しで見つめていた。


「私の想像が大間違いでなければ、父は貴女のことを悪いようにはしないでしょう。

でも、私が居なくなることで屋敷や社交界での立ち位置が少しばかり変わるのは間違いないのだから、夫人との話し合いは必要よ」


「………わかってるけど、冷静に話せる気がしないわ」


「いる?」


事もなげに机上のナイフを持ち上げられ、首を横に振る。


「殺したいほど憎んでいるわけじゃないの……でも、どうしても、拒絶したくなる」


「それで良いのでしょう。割り切れない感情というものは確かにあって……でもどこかで、現実を見て進まなければならない。そうでなければ、いつまでも割を食うのは自分だわ」


「……竜王さまのお屋敷で人間の使用人は募集していないのかしら。私もそっちへ行きたいわ」


「それはダメよ…ヘイゼルには私だけを見ていてもらわなくっちゃ」


悪戯っぽく告げられた言葉なのに妙に威圧感を感じて、無言で頷き返す。

使用人としてでもいいから支えたい気持ちはあるが、自分が義姉の新しい生活の不安要素になるような事があってはならない。


(竜王さまは余所見なんてなさらないだろうけど……何があるかわからないものね)



ナイフを引き出しにしまった義姉はこちらへ戻ると、おもむろに私を抱きしめた。

ふわりと薫るのは…森の木漏れ日のようなにおい。



「私はこの家どころか、この国からも居なくなってしまうけれど……此処でも婚家でも、何かあったら必ず伝えて。貴女が私の気持ちを救ってくれたように、私は貴女を抱きしめに行くわ。決してひとりで苦しんで、私の母のようになってはダメよ?」


「……貴族だもの。夫婦間のことであればある程度のことは覚悟してるし、許容できる」


「だとしても……泣き寝入りはだめよ。ちゃんと報復くらいはしないと」


そういう意味でも『私の母のようになってはダメ』だったのね…と前伯爵夫人の末路を思う。

彼女は結局、伯爵に何の言葉も残せないまま心と体を壊して逝去なさった。

娘にはまるで自分の恨みを譲るかのように恐ろしいナイフを手渡していたけれど、そのナイフも使われることなく厳重に仕舞い込まれたまま。


前伯爵夫人の儚さを思う一方で、やられた時には報復しましょうと言える義姉の強さを思い、居場所を守るために伯爵との関係を受け入れたのであろう在りし日の母の選択を思う。

母の口から「仕方がなかった」などという言い訳を聞いたことはない。彼女は自分の犯した罪と愚直なほどに向き合い、背負い続けている。



「……ヴィクトル様との関係がもう少し具体的になってきたら、母とも話そうと思う。伯爵がどのようにお考えなのかも知っておきたいし…」


「そうね。でも、父の言葉はあまり重く受け止めない方がいいわよ。あくまで参考程度にしておきなさい」


「ルチシャ義姉さまがそう言うならそうするわ。……結婚を目前に控えた義姉さまに言う事じゃないけど、本当に…いざ結婚という現実が目の前に迫ってくると、考えることが多くて面倒くさいわ。それに私、男性不信気味だし…」


「ヴィクトル様は誠実そうだけれど、高位貴族になるほど愛人や庶子が居るのは珍しい話ではないものね。いっそのこと、他の女性には反応しないようヘイゼルに呪いを掛けてもらってもいいけれど……それが貴女のプレッシャーになっても困るものねぇ」


うーん…と可愛らしく首を捻っているが、考えていることはおおよそ可愛いとは程遠い。

義姉さまらしいといえばそうなのだが、呪いなどという非現実的(竜王さまが居る手前、完全に非現実的なわけではないけれど)な意見が出るあたり、どう考えても恋人からの影響が強く反映されているような気がする。


「不誠実なことをしたら一生竜とは出会えなくなる呪いをかけるっていうのはどう?それを本人にも公示して牽制しておきましょう」


「義姉さま…最近、思考が竜王さまに似て来たんじゃない?」


「ヘイゼルはもっと過激で極端で面倒くさがりで、興味関心のない事には大雑把よ」


半目で呆れたように告げられ、何かあったのかしらと思う。

義姉さまは竜王さまの不思議な魅力に骨抜きになっていらっしゃるけれど、最近は竜王さまの本性が垣間見えてきたのか、時々真顔で考え込んでいる事もある。

竜王さまにとっては義姉の巧みな策略でさえ児戯に等しいというし、最終的には力業でどうにかされてしまいそうだが、結婚して共に生活するからには二人なりに話し合いながら考え方や暮らし方の差異を埋めているのだろう。

そんな時期にこちらの婚約にまで気を回してもらって申し訳ないわ…と思っていると、ただの老婆心よ…それにヘイゼルが快く協力してくれるかはわからないわと肩を竦められた。


「でも、必要ならいくらでも相談してあげるから言って頂戴」


「ありがとう。はーあ……ルチシャ義姉さまの結婚式に参加できないのが残念だわ」


「……私が家を出る前に色々と落ち着いていたら、屋敷の者だけのお別れ会を開きましょうか。声を掛けたらヘイゼルやローアンも来てくれるかしら」


「……竜王さまと緋色の巫女竜さまが揃っておみえになったら、お義父さまは倒れてしまうんじゃない?」


「もしも倒れて代替わりになったらローゼルに頑張ってもらいましょ」


「もう、とんでもない冗談を言わないでよ。でも、ちょっとでもお祝いできるなら嬉しいから、期待しておくわ」



まさか直前になって重要な役目を仰せつかうとも知らず、リリアンナはお別れ会の前までにどこかで母と話し合う場を設けて義姉さまを安心させて差し上げなくちゃ…と、これまで目を背け続けていた問題と向き合うべく、自分の気持ちを奮い立たせたのだった。






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