第二話「舞い踊る戦場」
「通りすがりのお姉さん、かな」
ローブを脱ぎ捨て、そう言い放った目の前の誰かは、間違いなくベシルだった。
それよりもニヒツが驚いたのはベシルが団長の剣に触れていること
だった。ニヒツの驚きと同時に、周囲の騎士団員もざわめきだす。
「おい、嘘だろ。あの女ヒュース団長の剣に触れてやがるぜ。」
「そんなはずは……だってあの剣は」
全員がその姿に驚いた。それもそのはず、ヒュースの振り下ろした剣は
暗黒剣・塵と呼ばれるヒュースの触れた者を防御力を無視して全て黒い塵に変える剣であったからだ。
「貴様、なぜこの剣に触れられる。」
「なんでって、そりゃ形あるものなんだから触れられて当然じゃーん?それとも…なんか仕掛けでもあったりするのかなぁ?」
今までの軽い感じが嘘かのような真剣な表情を作り、ヒュースを睨む。そして、ヒュースの剣の能力を知らないベシルにヒュースは返した。
「ふっ。まあ、いいこれは我々の任務だ。邪魔をしないで貰えるかな。これ以上の邪魔だては公務執行妨害に当たるぞ。」
ヒュースはベシルにどいてもらうように要求した。ベシルはその要求に対して
「わぁ、怖いコワーイ…でもさ、騎士団長様に騎士団員が4人。そこまでして部下を手にかけるとは果たしてどのような任務なのかいささか疑問だね」
ベシルは軽口で返した。その疑問にヒュースは答える。
「これは騎士団、いや、国の問題だ。部外者に説明する道理などない。」
「あらら~残念。」
二人は互いに睨み合いながら、ヒュースは剣を構え、ベシルはそれを受け止めたまま膠着状態が続いた。そのままヒュースは話始めた。
「では、ニヒツ団員をこちらに」
「その前に、まずこの剣退けてくれないかな?」
ヒュースは一瞬しかめ面を見せたがすぐに了承し、剣を納め後ろ向きに跳んで後退した。
「すまない、これでいいかな?」
「ま〜腕は楽になったかな〜」
「では、ニヒツ団員をこちらに」
「やだ♡」
「なぜだ?」
「だってさ!」
ヒュースが疑問の表情を浮かべるなか、べシルの裏から何かに引っ張られたかのような凄い勢いでウール製の公服を着た女性が騎士団の居る場所の中央部に投げ飛ばされた。
他の騎士団は唖然としていた。そう、その女性が身に着けている服装は三騎士団のもう一団、銅鈴の聖音団の団員服と先程のスプリガン達だった。
べシルはこの二つの疑問点について語る
「その反応・・・やっぱこのおねいさんは騎士団長様のお知り合いなんだ〜」
「だったらなんだ」
「いやいや、この騎士団のおねいさんの近くにいたスプリガンとそして騎士団のおねいさんの腕とスプリガンの首にある"錠"・・・そしてこのスプリガンと書かれたたマーク付きの札。首輪と腕輪、モンスターとの契約の証。"契約霊錠"で、札が呼び出すための"召喚札"だろ、つまり、このおねいさんはモンスターを使役するテイマーってことだよね」
べシルはヒュースに問いかけ続け、ヒュースもそれに応えた。
「何が言いたい」
「だ・か・ら・さ、あんたら〜…ニヒツ様を殺す気だろ?」
(この殺気は…と言うか団長が僕を殺す?どう言う。)
べシルは最初の明るい声と顔からいっぺん、目は細く睨み顎を引き上を見上げる様な視点で、声は驚くほど低く相手にピリピリと圧をかけた。だがそれは怒りとは違う冷静でどこか得体の知れない恐怖をはらんだもの、それをニヒツは"殺気"と読んだ。その時だった
「貴様ー!」
(えっ!何)
「よくも……よくも僕の仲間を、僕のジェダイちゃんをー!スプリガン!腕を拡張し、奴に襲いかかれー!」
「うきー!」
隠れていた銅鈴の騎士団員を見てニヒツは驚いた。そんなのお構いなしに傷目のスプリガンにそう指示してベシルを攻撃しようとする。
「やっぱり、スプリガンの中に目立つ奴がいないと思ったら……てか何、さっきまで隠れてたやつがいきなり。しかもその感じ、彼氏とかじゃなさそうじゃん。まさか~チェリーの片思い?」
「黙れー!」
そう言いながら傷目をベシルの方に放ち、とともに急接近してきた。それを見た他の騎士団は「続けー!」と走り出す。
「熱血なのもいいけどさ足元見たら。」
「足元には何も……は!」
隠れていた銅鈴の騎士団員は、足元に赤黒い鎖があることに気付き驚く。
その直後、ベシルは"ニヒ”と不敵な笑みを浮かべ。
「ひょいと」
「うあー!」
そのまま足の鎖を自分の方に引き隠れていた銅鈴の騎士団員はそのままベシルに接近していたスプリガンの方へと寄せられ、スプリガンが今ベシルに跳びかかりそうな瞬間。
「大好きなご主人様だよ♡お猿さん」
「うき?」
スプリガンが後ろを少し振り返ろうと後ろを向いた直後に、隠れていた銅鈴の騎士団員は"ドン"と凄まじい音を立ててスプリガンの顔面に隠れていた銅鈴の騎士団員の頭が勢いよく突撃した。ベシルは激突し、自分を通り過ぎる瞬間に鎖を解除し、
「チェリーは自室でポルノを片目に遊んでな」
両者はそのまま森の木の方へと大きな音立てて激突した。
(スッ凄い・・・)
ニヒツが驚いているのも束の間
「おらー!」
目の前のことには目も暮れず接近してくる黄金の金花団の団員達。
「自然魔法パイライトスパークフラワー(踊り回る黄鉄の花)」
黄金の金花団の黄色のYシャツにピチッとしたデニムパンツの上に黄色のローブをした団員の一人がローブを脱ぎ捨て、その茶色いウェーブがかった長髪の男が黄鉄の輪の様なものが火花を撒き散らす魔法をべシルに放ってきた。
「危ない!」
「大丈夫だぜ、ニヒツ様」
そう言ってべシルは投げられた魔法を腰の石の長剣を右に降って薙ぎ払いそのまま目の前の男を殴ろうとした。
「ひっ、計画通りだ」
その時左右から長髪の仲間である、ガリガリと刈り上げがべシルを囲むように現れた。
「やれ〜テェメーら」
「おう!」
「炎・自然魔法ファイアーアップル(炎の果実は緑青に燃える)」
「自然魔法サンオブグリーンザアロー(恐怖は皆んなで分つもの)」
一人は炎の果実を出現させそれを食すことでガリガリな肉体を強化し一瞬でムキムキに、もう一人は緑の矢を放った。
(二人に囲まれている。これは流石にべシルさんでも)
「なるほど、考えたじゃん。でもあんたはどうするだい?」
「こうするさ」
べシルの剣が、長髪の手前で止まった。
「お〜う、やるね〜」
突然現れたシャボン玉の様なものによって
そんな奇怪な状況のなか、左右の騎士団員がべシルに攻撃を仕掛ける。左からはムキムキの拳が、右からは燃え盛る緑の炎の矢がべシルがべシルに当たる直前。
「おーら」
「狙い通り」
(やっぱりべシルさんがいくら強くても、複数の騎士団相手には…)
「そうかい!」
(なに?!)
(早い)
べシルはこめかみに当たるほどの距離の攻撃を前に出していた足の鎖の先端にある刃物の様な部分を地面に突き刺し、それに引っ張られる勢いで後ろに倒れそのまま
「はいよ!」
「しまっ……!うわ!」
(え!)
持っていた石の長剣で一発
「いって!」
(グサ)
「あ〜らら」
「うぁーー!」
先程の緑の矢が当たり前いきなり発狂し出したムキムキ
「しまった、自分の矢は」
「自分の矢がなんだよ」
べシルが長剣を刈り上げに凄まじ勢いで投げつけたが
「そんなもん聞くかよ」
避けられた
「お兄」
「しまっぁ」
「さん!」
「くぁ」
"その時のべシルさんはまるで舞い踊る様に"
避けられたが、長剣の持ち手には鎖が付いており、避けた事で勢いを殺さず鎖はべシルを引っ張り、そのまま刈り上げは鎖を外しその場で静止したべシルが空中に浮いたまま、左回転で蹴り上げられ、それと同時に蹴った足の方の鎖を刈り上げの足に巻き付けそのまま
「せぇの、よい・・・しょ。」
"美しく"
蹴ったあとの空中から降りたばかりのべシルは足の鎖を利用し長髪の方に向かって突した。
「うぁーこっち来んなー!」
「任せてください、自然魔法ロックオブソープ(絶対閉鎖のシャボン玉)」
虎色のシャボン玉が長髪を囲み守ろうとするが
(パリン)
「えっ・・・」
シャボン玉は何故か"パリン"と言う音と同時に破壊され。
「がぁっ」
"軽やかに"
長髪は頭から刈り上げに激突され泡を吹きながら気絶した。
「そんな〜どうして」
「やっぱあんただったんだね」
「あっ…」
最後に残った、前髪が長い男は腰を抜かし崩れる様に尻餅をつき、動けない。
「ふ〜ん能力も良さげだし、さっきは無詠唱でやってたし、センスはあるみたいだけど!」
「あ…あぁ〜」
べシルは剣を天高く振りかぶって、
「チェク」
「くぅ〜」
「メイト」
振り下ろした。
(ぶぅ!)
「あっ…あ…」
凄まじ空振り音と共に剣は当たる寸前で止まり、前髪は気絶した。
「ふ〜」
"戦場を舞い踊った"
べシルはその星の様な目を指で軽く引っ張り、舌を出して、
「べぇ〜」
キャラ紹介
ベシル(主人公)
誕生日:???
年齢:殺しちゃうぞ
身長:175くらいかな〜
出身地:どこだと思う?
魔力量:ん〜
特徴:(派手な髪、デカイ剣、デカイ首輪
なんかいつもエロい、舌出すのが癖)
テヘヘ〜
性格:大雑把、破天荒、ハイテンション
好き:イチゴ!ブルーハワウィ〜
いじりがいのある子?かな
イメチェン買い物とあとあと…
嫌い:特になし
趣味:君と一緒にいること…かな
目標:人と向き合うこと…な〜んて