第一話「裏切り」
時は、ニヒツがまだ帝都の王城で王帝から依頼を受けた少し後までさかのぼる。
「失礼します」
ニヒツが頭を下げ玉座の間の黒の宝石で出来た大きな扉と黄金で出来た取っ手を
掴み扉を閉める。
すると扉の横の壁に腰かけている黒服の男がニヒツに声をかける。
「王帝直々の依頼おめでとう」
「ありがとうございます。ヒュース団長」
そう、ニヒツに声をかけた男は、十一聖宝三騎士団が一団、黒塵の暗黒団団長ヒュース・コールだった。180はあるであろう長身と少し紫色の混じった黒髪に、紫色目。口まで覆うほど長い黒の軍服に身を包み、常に冷静で無表情。戦場でもその振る舞いと触れた者の防御を無視して全てを黒い塵に変える魔法”暗黒剣・塵”を使うことから冷酷無慈悲と恐れられながらも、その優秀さから。帝都最強の騎士に与えられる称号"黒騎士"の名を受け継ぎ二代目黒騎士となった男が、部下であるニヒツの名誉をいち早く賞賛したのだ。
それにニヒツは敬意を払いながら例をいった。
「団長ここでずっと待ってたんですか?付添人の待合室はあちらにあったはずですけど」
「ふっ、すまないな、どうにも座りっぱなしなのも落ち着かなくてな。それに」
「それに?」
ヒュースはニヒツの右方に"ポン"と手を置き話を続けた。
「部下の名誉の日。座ってなど入れぬだろ。」
「ヒュース団長……」
ニヒツは団長に認められたこと褒められたことがうれしいと同時に、ヒュース団長の顔が少し微笑んで
見えたことに感動していた。
「任務必ず果たせ、そして……無事に帰ってこい」
「はい‼」
そして、時は現在に戻る。
「あっあの」
「ごめんね騎士様、ビックリしたでしょ。森の方でなんかすごい音したから来たんだけど大丈夫?」
ボロボロの丈の長いフード付きののローブをした。長身の女性がニヒツに手を差し伸べ話かけてきた。
「はい、大丈夫です。お嬢さんはいったいここで何を」
「あ~お姉さんはねーちょと野暮用で帝国に行く用事があってね。だけど途中でこの森に迷いこんじゃってこのざまさ。」
ニヒツの質問に女性は答えた。
「遭難者ってことですね、わかりました。ここは一応立ち入り禁止の場所なので、ちょうど僕も帝都からの依頼で来いていましたし。帝国騎士団に連絡しておきますから、ここで待っていてください。」
するとニヒツは横に連れていた黒い球体にしゃべり出した。
「ME、帝国騎士団の連絡本部に、神樹の森第五層での任務中に遭難者発見。保護のため要請をお願いすると」
「了解シマシタ、マイガバナー。帝国騎士団連絡本部ヘ、神樹捜索中ニ遭難者発見、支給応援ヲ要請スル。」
「よし、これで応援部隊が来るはずです。ここでしばしお待ちください。」
そう言うとニヒツは立ち去ろうとするが、その腕をつかみ女性は引き留める。ニヒツは振り返り少し疑問の
表情を浮かべていた。
「どうされました?」
「ごめんね騎士様ぁさっきのモンスター見てたらお姉さん怖くてぇ森の出口まで連れて行ってくれないかなぁ。」
女性はニヒツにせがんできた。ニヒツはとっさにさっきのことを思い出し。一般の人を危険にさらすわけには
いけないと思い。
「あっそですね、うかつでした。一般の方にもしもののことがあってはいけない。任務といっても今すぐと言うものでもないですし。森の外でもモンスターはいますから応援が来るまで一緒にいますね。」
それを聞いた女性はニヒツに対し。
「助かるなぁさすが騎士様ねお優しい。」
と返した。
その後二人は森の外まで続いて歩いた。その道中ニヒツは女性に少し質問をした。
「あの〜すみません。お名前をお聞きしてもよろしいですか。」
「おっと、そうだったね。お姉さんの名前はベシル。ベシル・サーティーンよろしくね。」
「僕の名前はニヒツ・トリビライザ。気安くニヒツとおよびください。」
二人は名前を言い合った。するとベシルがニヒツをじっと見つめてきた。
「どうされました?」
「いや、ニヒツ様って凄いなぁ〜と思って。あんな大勢のモンスターに囲まれても、一歩も引かず戦えるなんてほんとニヒツ様みたな人が国を守ってくれるなら安心だなぁ~」
「いえ、僕なんてまだまだですよ。騎士にだってなりたて何ですし、それにあの時は……」
ふとニヒツはさっきの飛んできた長剣のことを思い出した。
(このに綺麗で戦いとは無縁のような女性があんなに大きな剣を…それにこの人からは数ミリの魔力も見えないし〜…)
それを疑問に思いベシルに質問しようとしたがベシルの続けた質問に祭儀られる。
「ところで。ニヒツ様は、こういう森に詳しいですね。お姉さんなんて迷っちゃて迷っちゃって。」
「いえ、ここに来たのは初めてです。でも魔法騎士団要請学校で森での訓練はやってきましたので、それに来た道を戻るだけですし。」
「へぇ~そうなんだぁ~」
(え‼)
ニヒツはどこかから威容な殺気を感じ。辺りを見回す。
(きのせいか)
「どうされました。ニヒツ様?」
「いえ!何でも。」
するとニヒツ達の前に光がさしてきた。
「そろそろ森を出ますよ」
ニヒツが言ってから少しして森を抜け野原の生い茂る平原へ出た。
ニヒツが当たりを見回すと、奥の方に大きな浮遊する車のようなものと、浮遊するバイクのようなものを乗ってやって来た騎士団の姿が。
「あれは、騎士団のホース(空飛ぶ車)にヒュース団長のライディングホース(空飛ぶバイク)だ。」
(さっきの要請を受けて来てくれたのかな。それにしても早いな、まだ連絡から数十分しかたってないのに)
疑問はのこりつつもベシルを帝国に届けるために騎士団の入る方へと走って行く。
「お~い、ここですよ~。」
少して到着したニヒツは団長の前に止めり敬礼をして、話始める。
「さっきの応援要請で来てくださったんですか。でもずいぶんお早いですね。神樹とはいえなぜ団長が?その方々は黄金の金花団の皆さんですよね。なぜ団長と?」
ニヒツはヒュースに疑問を投げかけた。続けてヒュースはいつもの無表情な顔で返した。
「すまないニヒツ」
ヒュースはニヒツにいきなり誤り、そのご背中に背負った大きな剣でニヒツの横に入るMEを切り裂き、ニヒツの
目の前にその剣を向けた。
「えっ……」
ニヒツはその突然の状況に理解できず、そのまま腰を抜かし倒れる。そのままヒュースは剣を天高く上げ振り下ろそうと
構える。
「どう……して……」
「恨むなよニヒツ」
その言葉の後剣は振り下ろされ同時にニヒツは回避不能の剣の前で目をつぶる。その時だった。
(ドン‼)
その大きな音の後ニヒツ目を開ける。するとニヒツには剣は当たっておらずその前にいたのは
「大丈夫かい~ニヒツ様」
「あな……たは……」
目の前で団長の防御無視、回避不能の剣を素手で受け止めていたピンクの長髪とボロボロのローブの女性。
「なんだ、貴様は」
「あたし?あたしはね~」
その女性は名乗りだす。
「通りすがりの…お姉さん、かな」
キャラ紹介
ニヒツ・トリビライザ(主人公)
誕生日:英王歴200年 1月4日
年齢:15歳
身長:155cm
出身地:帝国領土モーンターク区キント村
魔力量:212(平均 500)
特徴:ゴツい眼帯、白髪赤眼、雪の様に白い肌
剛毛天パ
特技:容姿端麗、スポーツ万能、成績優秀
魔法の才能が無い
性格:誠実、真面目、正義感が強い、優しい
鈍感、天然
好き:笑顔、夢、異文化
嫌い:人の傷つく姿、命を大切にしないこと
夢を否定するひと
趣味:1日百善三日で三百善、修練、戦術研究
目標:全ての人の笑顔と命を守り
救える大英雄になること