初バトルのheart
※R15は今後の予防線のために付けています、現段階ではそういった要素はないです。
※ややシリアス少なめのバトルものの予定です、シリアス好みの方には肌に合わないかもしれませんのでご注意ください。
あらすじ
金金とうるさい、両親のためにアルバイトを決意した私、面接&履歴書不要の好待遇と好奇心に押され、世界を守るという不思議な仕事を見学に行ってしまう。
どんな仕事か確かめるために、そこで働く意外とノリがよく喋らない奈々花ちゃんの仕事に着いていって見学することになったのだが・・・!?
早々と降りていってしまった先輩、奈々花ちゃんを追って、急いで階段を降りて外の空気と触れ合った瞬間、奈々花ちゃんは早歩きで何処かに歩き始めている、早い、待って、あ、でも、多分言えば待ってくれるよね。
「奈々花ちゃん、待って!」
「・・・!」
置いてけぼりにしかけているのに気付いて慌てて引き返してくれた、良かった、常人だと追いつけず見学不能の職場見学なんていうお米の無いおむすびみたいな、海苔美味しい案件は無かったんや。
奈々花ちゃんが私に歩幅を合わせてくれて、どうにか閑静な住宅街を歩くこと数分、あるところで奈々花ちゃんが足を止めた。
「え?何これ・・・事故現場?」
床には何だろう、ブレーキ痕?は凄いし、塀には何かが突っ込んだような、というか、絶対トラックか何かが突っ込んだでしょ、これ。
でも・・・その事故を起こしたであろうトラックは無いし、血痕とかも無い、もしかして。
「おじさん、これって何?この事故現場の後処理とかするが仕事なの?」
事故現場を撤収する仕事?塀とか直したり、床のブレーキ痕けしたり、それならゴミの無いところにゴミは捨てられにくい理論で治安維持とかにも役に立ちそうだから、間接的だけど世界を守れるよね。
『事故現場に見えるよね、うんうん、でも、そういう仕事ではないだよね。』
「え?違うの・・・じゃあどn・・・?」
突然降って湧いた違和感、今まで感じたことも無いような、何か違う物がそこにいるという感覚。
「な、何、これ奈々花ちゃんは慣れてるの?」
「・・・アセアセ」
何で違和感と格闘している私にちょっと驚いてるの、先輩アルバイター奈々花!なんて、思っている間に違和感無茶苦茶大きく・・・ハチャメチャが押し寄せてくるっていうの!?
「な、奈々花ちゃん!!背後!はい!GO!」
「?」
奈々花ちゃんの後ろに、なんだアレ、人の形は保っているけど・・・異形の怪物!?異形の怪物なんて生きている限り使わない言葉だと思ってたけど、ここで使うんだね!?
「あれ!?まさか、あれを倒すとか漫画みたいなこと言うんじゃないですよね!?ね!?」
『いやー理解が早くて助かるよ、その通り、僕らはその怪物を倒す、正確に言うと若干違うんだけど、そんな感じの仕事だよ。』
理解が追いつきたくない、つまりあの、ゾンビじみた奴と戦えと、いや、え?明らかに無理でしょ、こっち入学式帰りのセットと、インカム先輩しかないんだけど!?やっぱり世界守るには道具が足りないよね!?
「・・・!」
奈々花ちゃんが一歩前に出て、何処から出したか、自分の上半身ほどある剣を手に持っている、さっき見た奴?でも、日本刀って感じの形では無い、こういうのだと、何故か日本刀ってイメージが。
あれ?目の色も何か違うような、あ、これ、本当にそういう奴か、厨二な皆が一度は夢見る奴だ、でも、抵抗する力が無い状態の人にとってこういうエンカウントは、恐怖でしか無い!!
『安心してよ、その位なら奈々花はすぐ終わらせるから。』
「ほ、本当に!?」
すぐに終わらせるって、まさか、あの怪物を倒すってことだよね、あの刀で切るってこと!?チシブキスプラッター!!
「・・・フンフン」
こっちにアピールしてから息巻いてる、前回に引き続き凄い小動物感、もしかして見られてるから気合い入れてるのかな。
奈々花ちゃんと怪物は私から結構離れた位置にいるから、暴れても大丈夫そうだけど・・・口からビームとか吐かない?あのデッカいの。
攻めてこない奈々花ちゃんにしびれを切らした怪物が、一歩踏み込むのと同時に、正直眼で追いきれないステップで怪物の右サイドに移動すると、剣の峰で怪物の足を払う。
「・・・っ!!」
バランスを崩した怪物に、そのまま峰の方でで数回切りつける、怪物は痛そうに叫んでいるので効いてそうだけど刃は使わないのかな。
『いや、実はあの剣、刃の方からの衝撃に結構弱くって、あんまりあっちをすぐ使うと折れちゃうんだよね、受け太刀とか出来ないし。』
「え?致命的じゃないんですか!?」
『今のところどうにかなってるから、うん、決めるときにちゃんと使えば、問題ないさ。』
それ、剣としてどうなんだろう、でも確か、普通の刀も一回切ったら刃こぼれ凄いって、なんかで見たような、でもそこリスペクトしなくても!下手したら命に関わるよね、刀身で防げない、刃でバンバン相手を切れないっていうその案件。
「・・・!」
怪物も腕を振り回し奈々花ちゃんを遠ざけようとしている、ただではやられてなるものかという強い意志を感じる。
が、奈々花ちゃんは見切れているのかギリギリで避け続けている、素晴らしい身のこなしだ、見ろよあれが、私のバイトリーダーだ。
「・・・ゼェゼェ」
ってあれ!?何か奈々花ちゃん荒い呼吸、疲れてきている?あれ、ということは押されてない?ヤバくない!?あの刀一撃でも貰ったら・・・。
「ハァハァ・・・」
って嘘!?怪物も大分お疲れ!?ああいうのって無尽蔵のスタミナじゃ無いの?
「・・・!」
その隙を逃さず、疲れている奈々花ちゃんがどうやら頑張って飛び上がり頭狙いで刀を正面に構える。
「うわ!?」
呼吸が乱れていた怪物が咄嗟に頭を防ぐように腕を出してビックリ、かなり慌てて出しているところを見ると、素人目でもわかる、これ頭弱点だ。
奈々花ちゃんは刀を振り下ろさず後ろに戻し、防ぐために構えた腕を足場にちょこんと跳び上がり、後頭部を刃で切り裂きパキンと音が鳴り響く中見事に私の前に着地した。
「・・・ブイ!」
奈々花ちゃんがピースをする後ろで、切られた怪物の色が薄くなってる、でも姿は消えてはいない?倒せたの・・・これ?
『ご苦労さん、じゃあ、帰って来ていいよ。』
「え?あの怪物は放置で良いの?」
確かに色が薄くなった怪物はこっちへの敵意は感じないし、放っててもこっちに来そうには無さそう。
『うん、問題無いよ、その辺も説明するから帰って来て。』
言われてみたらあれが、何なのか、なんで倒さないといけないのか、倒さないと何で世界の危機なのか・・・全てが謎のままだ。
「・・・ブイ・・・」
「あ、ごめん、格好良かったよ!奈々花ちゃん!」
倒した後ピースのままフリーズしてくれていたのか、これは私が1000%悪い、だって絶対結構見栄を張って無理して、無力化した後も格好つけてたのに無視して、おじさんと話してたら、寂しくなるよね。
「凄すぎて感無量になっちゃったよ、流石私たちのエース!」
「・・・」
軽く褒めたらちょっと我慢してそうだけどニヤニヤしそうになっている、おだてに弱そう、強めに言ってみよう。
「可愛い!天才!最強!」
「・・・フフ」
もう完全ににやついて笑ってる、場所が場所ならデデーン、アウトって言われるレベルだ、タイのキック。
「じゃ、おじさんからの指示だし、一度さっきの所に帰ろうか。」
「・・・コクコク」
思ったよりすぐに倒して拍子抜け気味ではあるが、さっきの戦闘で奈々花ちゃんが一撃でも食らっていたら、刀が折れてたら、私だって無事じゃ無かったかもしれない、実は結構紙一重だった?
でも、奈々花ちゃんもこれが初めてでは無いと思うし、大丈夫だったのかな。
しかし・・・これを職にして?続ける?見学後も未だ見えない不透明な部分に不安を感じながら、帰路に就くのだった。
次回予告
職場見学を終えた私、その後に控えるは怒濤の説明地獄だった。戦いはサックリだったのに!しかも聞いても聞いても疑問増えるんですけど?
次回・・・説明フェイズ、頑張る!
※登場する地名、団体、名前はフィクションです、現実に存在する地名、団体、名前とは無関係です。
※上の注意書き書いてみたかったんです、楽しい。