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無題  作者: ククミス
1/3

出会いのDay

※R15は今後の予防線のために付けています、現段階ではそういった要素はないです。

※ややシリアス少なめのバトルものの予定です、シリアス好みの方には肌に合わないかもしれませんのでご注意ください。


‐高校生それは、義務とされていた教育が終了し、学業を続けてもいいし、働くことも可能となる。

 

 そしてそんな私“夏風 采野”も、金に五月蠅い両親のせいもあり今、高校の入学式が終わった帰り道、街の求人掲示板でアルバイトを探す羽目になっている。


「う~ん、出来れば・・・給料も悪くなくて・・・福利厚生も大事だし・・・確か売り文句のアットホームは駄目なんだよなぁ・・・。」


 スーパー、コンビニ、歯科助手、喫茶店、お刺身に菊を乗せる・・・?ピンポイントワーク。

 数多くの張り紙にまみれた掲示板を前に頭を捻っていると、少し離れた位置に一枚、ポツンと、巣から落ちた雛鳥のように張ってある求人票の存在に気付いた。

 

 何故離れたところに?と、気になったので、目を通してみるとそこに書かれた条件は周りの物とはかけ離れた驚くべきものだった。


「『この求人票を剥がして持ってくれば即採用、給料、条件、日数は全て応相談』」

 

 怪しい、怪しさMAX・・・仕事内容とか書いてないし、人が集まらないような危険な仕事・・・?でも・・・・。



 高校生、それは、多感で好奇心がとてつもなく旺盛でもあり、面白そうならやってみたくなっちゃうのだ!しかも、採用確定、恐怖の面接&面倒の塊履歴書不要・・・デカい、これはデカいよ!

 とりあえず、行くだけ行ってみよう、ヤバそうなら逃げればきっと大丈夫。


「これ破って良いんだよね・・・?」


 幸い人通りは無く、破っても誰にも見られなさそうだが、公共の場に貼ってある求人票をいきなり剥がすのは抵抗がある。

 だが、もう止まれない、意を決して剥がし手に取って見ると裏面には職場への地図が書いてある、今は宝の地図気分だ。


 地図の示している場所はそう遠くなく、まだ午前中だし、今からでも十分行けそうだ。


 


 数分歩きたどり着いた先は閑静な住宅街だった、住宅街とは言ったが、周りの建物に人が住んでいる気配はない、これがゴーストタウン、以外と身近にあるんだ、それともドーナツ化っていう奴で夜はすっごく賑わったり・・・?

 

 少し見回すと、地図を読む限りここだろうという建物を見つけるが、看板やその他分かるものは何も出ておらず正直不安だし、そういえば求人票には会社名や系列店の名前も入っていなかった、まさかホントにヤバい求人だった!?

 

 ・・・とはいえここまで来たんだし「人違いでした、てへっ」って言う準備だけして入ってみよう、JKの特権。


「えっと・・・二階か。」


 階段しかない、ノットバリアフリー・・・ヤバい仕事なのか、エレベーターを付けるほど儲かっていないのか。


「着いた、着いたけど。」


 こういう時の扉って、何トンもあるように感じる、ノックすら怖い、開けらたら、サングラスの大群のまみれて、白くてサラサラしたものとか、弾丸を放つ黒いあれの売買とかしてて、見られたからにはと川に流されたり・・・。

 その時だった、独りでにドアが動き、声は出なかったが、思わず反射で小粋な後ろステップを踏んでしまった。。

 

「・・・あれ?あ、それはあっはっは、来てくれたんだね。」


 何かおじさんが扉を開けてこっちを見てる、あ、駄目だ、サングラスに川でサラサラ流されて、現実からバイバイだ!


 「うーん?とりあえず入るかい?立ち話も何でしょ。」


 密室勧誘!やっぱり何かを見ちゃったから囲んでボコボコにされ!?・・・とパニック気味な考えをどうにか押さえて冷静に室内を見渡してみたら、今私に声を掛けてくれたおじさん以外には、奥でサンドイッチ食べてる同年代っぽい女の子だけだった、ひとまず裏社会の仕事では無さそう・・・?いや、女の子・・・いかがわしい方だったか!?


「あれ、立ち話派だった?いるよね、健康重視で座らない人、だったらここで話すけど?」

「あ、いえ、座ります!とりあえず、お話を聞きに来たんですが。」


 退路は確認しつつ、おじさんに案内されソファに腰掛ける、入ってきたドアに鍵は掛かってないし、私はドア側にいるし、安全!おじさんがヤバい話をし始めた時の逃避のシミュレーションは出来たし、いざ就職の戦いへ。


 「えぇっと、これを見て来たんですが、いかんせん、詳細が全く分からないので、面接不要とのことでしたが・・・仕事の話だけでも聞きに来たんです。」


 色々すっ飛ばして仕事にありつけても、肝心の仕事の詳細が分からなければ、仕事も何も、したいもしたくないも無いし。


「やっぱり怪しいよね、その書き方だと、でも詳細を書くともっと怪しくなっちゃいそうだったからさ、ふわっと書いたんだよ。」

「?」


 なるほど、分からない、このおじさんずっと何故か半笑いだから、空気は重くないんだけど、信用しづらい。


「うーんそうだなぁ、掻い摘まんで言うと、まぁ、世界を守る為に戦うみたいな?」

「は?」


 そんなファンタジーな発言が出るとは思わず、またもや動揺しそうだ、あれ、そんな求人だったの、これ、じっと求人票を見てしまう、ん?ということは・・・


「じゃあ、奥で優雅にランチしている子も世界を守るアルバイター?」

「!?」


 急に話を振られ驚いたのか、食べかけのサンドイッチを持ったままこっちを凝視している、何か無になったモルモットみたいで見てられる、後ろに銀河が見える。


「うん、まぁそんなところだね、ウチのエースだよ。」

「エース?っていうことは他にもいるんですか?」

「・・・今は一人しかいないんだけどね。」


 チームも同僚も何も無いのにエースとは・・・!?しかし、唖然とする私を気に掛けずおじさんは言葉を続ける。


「でもまぁ、エースの件はともかくいきなり世界を守る仕事と言っても、いまいちピンと来ないでしょ、習うより慣れろとは言うし、実際に見て貰うのが一番早いよね。」

「え?あ、そうですね。」


 確かに未だに謎のヴェールに包まれ続けている、仕事内容を実際に見せてもらえれば、一番分かりやすいけど、そうなると、今から世界を守りにいくのかぁ、人生掛けて世界守っている人に謝りたいぐらい気軽に言うね、このおじさん。

 

 そして、そのおじさんがスマートフォンみたいな、いや、普通にスマートフォン?スマートなフォン端末に目をやると素早く立ち上がり、サンドイッチを食べ終わった子の所に行きに指示を出している・・・食べ終わった?しまった、また食べ始めるところを見逃した、見たかった。

 

 ん?あれ、何か今刀持ってなかった?まさか世界を守るって、いやまっさか、まさか、今持ってないし気のせい、そう気のせい!


「よし、じゃあ職場見学ってことで、この子、"奈々花”に着いていってくれ、この子は色々あって殆ど喋らないけど、感情豊かだし、腕も確かだから信頼してくれ。」

「・・・コクリ」


「え、あぁ、よ、よろしく。」


 近づいてきた、奈々花と呼ばれた子と握手して、ひとまず仕事として出掛けるのに付き添って見学することに、そういえば、こっちの素性全く聞こうとしないが良いんだろうか。

 とはいえ、あっちの素性もよく分かんないし、おあいこでいいや、不味い情報量が多すぎて色々雑になってる。


「さて、じゃあ奈々花、その子と一緒に行っておいで。」

「・・・コクコク」


 本当に何も言わないな、この子、一人で異常に喋って聞き手が疲れる様なのよりは良いんだけどね。


 ともあれ、職場見学として二人で外出することになってしまったので準備を・・・?あの子もうドアの前にいる!?はや!

 不味い、三分で支度しないと怒られちまう!と、思ったけど、リュック背負ったままだったし、靴脱いでない欧米スタイルだったし特に準備すること無かった、よね?手持ち大砲とか渡されないよね?


 期待しながらおじさんをちらちら見ながらちょっと待ったけど、何も渡されなさそう?護身道具とか無いのか、世界を守るの舐めるんじゃ無い。


「あ、これだけ渡しておくよ。」


 そう言って手渡されたのはインカムって言うんだっけ?インターコミュニケーション?これで何が守れるんだ!?防具!防具を・・・!それともこれを相手に巻き付けて転倒させて、いや普通にコード切れそう、黒そうめん。


「それがあれば僕と会話できるから、見学中に質問とかあれば聞いてね。」

「え?はい。」


 あ、そうか、見学出来るレベルだし、安全なのかな?危険が無くとも世界は守れるんだ、きっと。


 しかし、そう思い直した所で装着したこと無いインターカム先輩をスッと付けれるわけも無く、大分もたついてしまった、ちゃんと付けないとすぐ取れるね、これ。


「・・・」


 しかし二人とも温かい目で見ていてくれた、良いしょくb・・・いや、付け方教えてよ、何で微笑ましいね、みたいな空気感醸し出してるの、いや急かされるよりは素晴らしいんだけど!ど!


「よ、よし、行こう!」


 ようやく付けられたので、腕を振り上げ高らかに宣言する。ここからはもうボディーランゲージマシマシで勢いで行こう!そうしないとペースを奪取されてなし崩し的に逃げ道が消えて、強制労働させられてしまう・・・かもしれない!


「・・・!」


 が、奈々花ちゃんはそんな私の邪悪な考えを裏切るように腕を振り上げて、乗ってくれた、ノリいいな、この子、そのままハイタッチしようとしたら笑顔でしてくれたし、この子となら働いていけそうだ、いかん、さっそくなし崩れる、罠だ。

 

 このままでは、気付いたら同僚だね♪よろしく!されてしまう、そこに私の意思は無い!会社が家だよあぁ真っ黒だ!


 聞き伝えのブラック企業あるあると脳内で格闘していると、高速で階段を駆け下りる奈々花ちゃん、え、待って!あ、でも仕事か・・・急ぐよね、そうだよね。

 こうして、この日から題名の無い私の人生に鮮やかな毎日が刻まれるのだった。



 次回予告

 ついに始まるドキワクの仕事見学!しかしそこで待っていたのは、もちろん普通の仕事なんかじゃ無く、大分ファンタジーよりであった!だから防具欲しかったんだって!

 

 次回 アルバイト・・・それってなんだっけ・・・!お楽しみに!

※登場する地名、団体、名前はフィクションです、現実に存在する地名、団体、名前とは無関係です。

※上の注意書き書いてみたかったんです、その舞台があることに感謝。

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