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ブラザークエスト  作者: 守山みかん
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乗り越してしまったレアムが引き返してくると思って、列車の到着を待ってみたが、一本目の電車の降客は無し、二本目の電車からは、地元住民と思しきおばあちゃんが一人降りただけだった。

もう一本待ってみるかと時刻表をみたら、次は30分後。

ためらったが、待つことにした。

ようやく電車が到着したが、結局、レアムの姿は無かった。

もう一本待つかな……

次は15分後。

どうする?

どんどん時間が過ぎていき、待ち続けても無駄な気がしてきた。

なんてことを思っていたら、電車がやってきた。

結局、誰も降りてこない。

ボクの足は桟橋の方に向かっていた。

何となく踏ん切りがついた気がする。

元々、ボクについてくると言い出したのはレアムの方だ。

ボクだけが電車を降りてしまったことを怒っているのなら、それはしょうがない。

ボクも悪かったかもしれないけど、だからといって、そのまま勝手にどこかへ行っちゃうこともないと思う。

一応、1時間以上待ったんだからね。

ボクのことが許せないから、戻ってこないんだ。

いいよ。

いいよ。

つまりは、友だちでも何でもなかったと言うことで。

……

……

……

やっぱりボクが悪かったかな……

……

……

今度、会えたら……

もっとお互いのことを知り合って……

ちゃんとした友だちになろう……

……

また会いたいな……

……

桟橋を半ば程まで歩いた所で、橋上の隅の方に光り輝くモノを見つけた。

銀色の石が連なったブレスレット……

レアムが教えてくれたとおりだった。

ちゃんと教えてくれた場所に落ちてたよ……

……

さあ、これが本当にヘマタイトなのかどうか、宝石屋さんに確かめに行きたいけど、このまま磨呂(マロ)(ファイブ)地下牢(ダンジョン)に向おう。

その途中に、レアムの家があるし……もしかしたら帰ってるかも……

有り得ないかな。

この桟橋を通らなきゃいけないから、ボクを追い越して行っちゃてるなんてね。

うん、有り得ないね。

レアムの家の前にたどり着いた。

最初にここに来た時は、中に誰かいる気配がありありだったけど、今は……

ドアノブを握り、回してみる。

カギは……掛かっていなかった。

ゆっくりと手前に開いて、中を覗いてみる。

灯りは付いていなく、薄暗い。

やっぱりいないかな。

部屋の中に入ってみる。

誰もいないのが確定。

そりゃそうだよね。

ボクを追い越して、先に帰ってたなんて、どうやったって無理だよ。

そんなこと、当然にわかるじゃない。

でも……ボク……がっかりしてるね。

有り得ないと思いながら、期待してたんだ……

バカだよね……

レアムの家は、よく見れば、夜露津さんのセンスらしい家具や雑貨がいっぱいあった。

最初に来た時には、これらから夜露津さんとの関連性を引き出せなかったね。

でも、レアムの身元がわかるようなモノは、何も見当たらなかった。

家族とか、兄弟とか、きっといるんだろうけどね。

チェストの引き出しとか、こっそり開けてみようと思ったけど、女の子の着替え物とか出てきたら、きっと慌てると思うんで、やめた。

結局、ただ家の中を眺めただけで、外に出た。

磨呂ん五の地下牢を目指そう。

《デス・マロン》を手に入れて、夜露津さんのところへ持っていくんだ。

あと、リキリキのところにも行かなきゃ。

忙しいね。

あちこち行き来していたら、またレアムと出会えるような気がする。

とにかく、やらなきゃいけない事をやっつけてしまおう。


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