一話目。
「うわぁぁぁ~」
「ちょっと~深埜?」
「あ、ごめん。何でもないよ」
「ふふ~それならいいけど。」
///変な夢だったな///
「はい、ココア。本当に大丈夫。」
「あぁ~、ありがとう」
///やっぱり変なゆめだよな//
「ねぇねぇ。気になるよ。ちょっとだけ教えて~」
…ゴクリ…
君の入れてくれるココアはおいしい。
「隠し味は秘密♪」っていつもいうけど
きび砂糖が完全に時切れてないからね。
「わかったよ。あくまでも夢だからね。変な誤解はしないでくれよ?」
「うん。わかった。」
///大丈夫かな~///
<件名:唐突ですが>
起業することにしました
それで皆さんを引き抜くことを考えています。
給料は未定ですが、皆さん重役ですよ。
………
「ごめんなさい。」
「ん?どうしたの?」
「大成功とはいえないかもしれないけど、深埜はもう起業もしてるし、
それなりに成功してると思うけど~給料未定で誘うの?」
「まぁ夢だしな。」
「どう考えても誰も引き抜けないし。失敗するでしょ。この誘い方は。」
「そうだね。結局失敗するけど…。」
「じゃ、いいや。さっさと面白いところだけ話してよ。」
「君は相変わらずだな~。確かにだらだら話してもしかたないね。
確かに企業はうまくいかないけど、一緒になった女性と深い仲になるんだよ。」
「おお~駆け落ち・逃避行・夜逃げ♪」
「君は極端だね。じゃ、大切なところだけを話すよ」
………
<夢1:ジサツ>
「だめって」
僕を後ろから抱きしめてる…おびえてる君の声で僕は意識を取り戻した。
「だめ だめだよ だめ だ よ」
「あなた、さっき言ったばっかりじゃない」
「子供が生まれるって。マダ籍もいれてないけど、頑張らないといけないって。」
「そんなことしちゃだめだよ。なんで死のうとしたの?」
「そんなことしちゃだめだよ。彼女と子供どうするの?」
………
「…え?なんで死ぬの?これから駆け落ち・逃避行・夜逃げじゃないの?」
「えっと。そもそもこの男が俺とは言ってなんだけどな。」
「頼むから最後まで聞いてくれよ」
………
「不安なんだよ。これから仕事を軌道にのせないといけないけど。
子供を育てて。仕事も成功させて。それ以外にもやることがたくさんありすぎるんだよ。」
「やりたいことがありすぎて逆に辛いんだよ。楽になりたいんだよ。」
<自殺する夢>
「ねぇ。本当に『そんなこと』で死のうとしてるの?
それ都合よすぎるよ。
それにね…『あれもやりました』『これもやりました』でもうまくいかない。
辛いから『シ』にたいなんてツゴウがよすぎだよ。
本当に言葉に重みを感じられないね。
だから私の一番大切なものをあげる。だから早く思い出してね。
あと。
自らの命を他人に奪い取ってもらっていいのは…
『辛いからじゃなくて。もっと生きる事を楽しみたい』ときだけよ。」
「それじゃね。堀地さん。」
「うわぁ~そんな押されたらホームから落ちる‥‥」
俺が振る振り向くと、彼女は反対側のホームに飛び出して
次の瞬間に貨物列車にぶつかり、打ち上げ花火のように
粉々に肉塊やらありとあらゆるものが飛び散った
………
「ちょっと気持ちよくなんだけど。」
「うん。まぁそうだね。」
………