コカトリスは美味しくないです
説明の前段階。
ここは端折っても良かったかも
あれからどれぐらいの時間が経っただろうか。
数日経った気がするし、一瞬の事だった気がするがよくわからない。
急に目の前が真っ白になったと思ったら俺は高い所にいた。
何故?どうして?てか、高い高い高い!!
怖いんだが、5mぐらいの高さがありそうな木製の矢倉の様な場所にいる。
俺を囲うように周りには綺麗な花やトゲのついた草が飾られている。目の前には大きな葉っぱにお肉がドーンと置かれており、水が1杯入っているお猪口も置いてある・・・
恐る恐る下を覗いてみると頭を地面に擦り付けて土下座をしている人間?が数十人いるようだ。
何コレ?夢かな?最近は疲れも感じないぐらい調子が良かったと思っていのに、今日は早く寝よう・・・そんな事を考えていると、ケモ耳を、つけた白髪の老婆が背後に居る。
「よく出来たコスプレですね。これはドッキリでしょうか?よく観る異世界召喚モノの小説が元ですかね?こんなオタリーマン捕まえても視聴率は取れないと思いますけど大丈夫ですか?」
「こすぷーれとはなんでしょうか?我々の村では聞きなれぬ言葉ではございますが、それは召喚紋か何かの事でしょうか・・・よく分かりませんがお褒めいただき光栄でございます」
・・・この老婆は何を言っているのだ?召喚紋ってなんだよ。このちょこっとだけカッコイイ紋様の事かな?
「それよりも異界の神官殿、この様な粗末なおもてなししか出来ず申し訳ございませんが、どうぞお召し上がりくださいませ」
何故俺はこんなよくわからない異世界召喚ドッキリに巻き込まれているのだ?
取り敢えず食べろって言われているし、テレビだったら進行を止めたら怒られそうだし食べるか。
「鶏肉っぽいけど、硬いな~、どこ産のお肉ですか?」やっぱり異世界召喚ドッキリだから、わざと不味い肉を出してるのかな?どうせなら美味しいほうが良いのにな・・・
「コチラは魔女の森で狩りましたコカトリスでございます。ここらで取れる最高の肉となっておりますがお口にあいませんでしたか?」
心配そうに老婆がいう。
魔女の森、コカトリス・・・設定がしっかりしてるなーとか考えていたら。若い男がコカトリスの頭を持ってきた。
これって本物じゃないよね?本当にドッキリなのかな・・・
「お食事もすんで、落ち着かれたと思うのでそろそろご説明させていただきます。」
うん、全然落ち着かないけど説明して下さい。俺はそんな事を心の中で呟くのであった。