日常からの
初めましておたリーマンと言います。
眠れない時間が勿体なくて頭の中で妄想した物語を文字にしてみましたm(_ _)m
拙い文ですが楽しんで頂けたらと思います。
日本で育った八百万信幸28才 は田舎育ち都会暮らしの一般的な商社サラリーマンである。
彼にはその他大多数のように生活をする為に働き、将来の夢もなく、恋人は疎か、家族も既に他界してしまっており基本的にはボッチマンであった。
別に友達がいない訳ではないが、皆地元で就職しているので中々会えず、たまにゲーム内チャットで会話する程度となってしまっている。
それが悪い事かと聞かれると彼はそんなに悪いとも思っておらず、なんだかんだでこの生活を気に入っていた。
仕事は中小企業の割には福利厚生もしっかりとしており、完全週休二日制、繁忙期は残業もあるが比較的楽な仕事とも言えるだろう。(彼がそう感じているだけ)
平日は上司をおだて、顧客に謝り、出先でグルメを探す。そんな今は少し余裕があるボッチ生活を送っいる。
今日は久しぶりに家族ぐるみの付き合いがある地元の友達とボイチャをしながらゲームに勤しんでいる。
疲れてきたので、休憩しながら喋っていると、唐突に
「ノブは彼女できた?」とか言い出す・・・
「出来ると思うか?」
何を突然言うんだ、お前は俺の母ちゃんかよ、もう居ないけど・・・
悲しくなってきたぞ。良い母ちゃんだったけど、親孝行出来てたかなぁ・・・とか、考えながら適当に返事をする。
「そっか・・・」
(あ~気まづくなるからこの話降らなかったのにな)
「んっ、結婚とか考えてないん?そっちで1人辛くないん?コッチに戻っとんかい?なんならウチに住んでもいいんよ?」
この空気を払拭する為なのか、まくしたてるように言う。
どうやら俺がボッチで都会に揉まれながら死にそうだと勘違いをしているらしい。
確かに入社したての頃は愚痴ばっか言っていたが今はこの環境にも慣れてきたし、何より俺には救いが居る!
そう、多野良ゆかりちゃんである!!
年齢16才(設定)の声優で、学生の頃にハマったアニメのメインヒロインを担当していた。
声優オタクは怖い(思い込み)から近寄らないようにしていたが、何となく親近感の湧く声だと感じたので調べてみたら、同い年で驚いたものだ。それ以降は特にハマるでもなくアニメからも徐々に離れていった
社会人になり、親の不幸と、仕事での失敗続き、挙句の果てには部署異動となり2年目から新規活動グループへ配属。フルコンボをくらって死にそうだったとある理由で引き継いだ既存顧客。その弊社担当である草薙部長に俺は救われたとも言える。
引き継ぎをしてから何度か通って会話が弾むようになったころ、彼からゆかりちゃんのライブに誘われたのであった。
俺は担当顧客のもうしでだし無下には出来ないと思い仕方なく着いていくことにしたのが正解だった。
初めて行ったライブでの、頭の可笑しいぐらいの熱気。気が狂ったかのような歓声。一種の信仰宗教とも呼べるほどの一体感。それらを感じて、見てふと思ってしまう。
いい大人がこんなにも熱くなっているのになんで俺はこんなに冷めているのだろか?
そうかゆかりちゃんを信じれば俺も熱くなれるのか!心理に到達したのである。それからというものゆかりちゃん沼にハマってしまった。
後日なぜ誘ってくれたのか聞いたのだか、俺の顔が会う度に死にそうになっていくから気晴らしをさせたかったらしい。ついでに一目見た時から陰キャの匂いがして、コイツは同志だと感じたとか。(失礼な部長である)
それからというものこの同志とも言える戦友と何度かライブに通ったが彼は一身上の都合で退職してしまったらしい。
そこからは1人でライブに通い、休日はライブ映像を観ながらの1人酒を、キメる。至福の時間だ。
「ゆかりちゃんの何処が最高かと言われると、全てと答えたくなるが・・・それでは愛が足りないとか言われてしまうので説明させて頂くと、何よりもその声が素敵である。演じるキャラにより、変化する演技力然り、地声の時の少し大人な声もまたゾクゾクしてしまう。
何を隠そう目覚まし時計はファンクラブ限定生産の世界に50個しかない【ゆかりちゃんに罵られながらも甘やかされて起こしてもらう目覚まし時計】を所持している事が自慢でもある。ゆかりちゃんで一日が始まる生活は最高である。
次に容姿だが・・・」
と途中から、声に出して矢継ぎ早に説明をしていた。
「うわぁ~ ガチだねぇ」と呟かれた。
続きを話そうと口を開けた瞬間イキナリ頭の中に声が聴こえてきた。
何処かで聴いたことのあるような、最近、いやほんの・・・等とおもっていたら目の前が暗くなり、意識を失っていた。