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悪役令嬢の生産ライフ  作者: 星宮歌
第一章 幼少期編
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第八話 採取、採取

ブックマークや感想をありがとうございます。


さぁ、ユミリアちゃんが見つけたものとは?


それでは、どうぞ!

(この、反応は……)



 反応があった場所は、地中。私のサーチのギリギリ範囲内にあったそれは……ある意味、魅力的なものだった。



「まいじょーちん? (埋蔵金?)」



 そう、その反応は、金だ。つまりは、財産となりうるもの。



「……」



 私は考える。



「…………」



 必死に、必死に考える。



「………………よちっ(………………よしっ)」



 そして、選んだ行動は。



「しゃいしゅなにょー(採取なのー)」



 金も、素材だ。こんな地下深くに埋まっている上、その真上に来ても地面が柔らかいなんてこともない。むしろ、かなり硬いように思える。これは、何年も、何十年も放置されていたに違いない。つまりこれは、忘れられた埋蔵金だということだ。ならば、私が有効活用して怒られることもないだろう。


 意識を伸ばして、魔力を伸ばして、その金を覆うと、私はそれを直接ストレージに入れることに成功する。採取は、必ずしも手が届く範囲で行えるわけではない。その場合。この方法を使えば簡単に採取することができるのだ。



 ぐきゅるるるる。



 ……お腹は空くけど。



「みゅー……」



 ペタンと耳を横にして、私はお腹を押さえる。実を言うと、私の食事量はあまり多いとは言えない。メイド達は、メリーの目が見えないのを良いことに、私の食事を減らしているのだ。メリーに負担をかけるわけにはいかないため、何も言わないままではいるものの、お腹は空く。しかも、こんな力を使えばなおさら。



「たべもにょ(食べ物)」



 どこかに食べ物がないだろうかと、私はサーチの結果を見て回る。



「ちのみっ! (木の実っ!)」



 そして見つけたのは、赤く熟した木の実達。しかも、高い場所に実っているわけではないため、今の私の身長でも届く。



「ちいちご? (木苺?)」



 こんなところに、木苺が実っていたのか、と思いながらも、私は虫がついていないことを確認してパクパクと食べていく。たまに、中で虫が蠢いているのは、ぽいっと捨てておく。しばらく甘い木苺を食べ続けた私は、今度は眠くなるのを我慢して、さらにサーチで辺りを調べて……。



「あっちゃにょっ! (あったのっ!)」



 ようやく、空の魔石を見つける。しかし、それは……。



「みゅ?」



 その場所を目指して歩けば、そこに見えたのは、街灯らしきもの。どうやら、門から一直線に伸びる道、その脇に整列した灯りの一つが、魔力が尽きて、空の魔石になっていたらしい。



(いや、もうちょっと普通に転がってるイメージなんだけどなぁ……)



 そう思いながらも、これ幸いとばかりに採取しておく。もちろん、あんなに高いところに手が届くわけもないので、先程埋蔵金を採取したのと同じ方法で、ストレージへと直接収納する。



(目標達成! と言いたいけど……もっと空の魔石はほしかったなぁ……)



 しかし、時間はそろそろ差し迫ってきている。これ以上長く、ここに留まるわけにもいかない。



(次、こそは!)



 今は、とにかく部屋に戻ることが優先だ。私は、少し迷子になりかけながらも、どうにか夕食前に部屋に辿り着き……そのまま、眠り込んでしまうのだった。

案外すごいものを見つけてしまったユミリアちゃん。


それはそれとして、メリーを救う道のりは、まだ遠そうですねぇ。


それでは、また!

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