表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢の生産ライフ  作者: 星宮歌
第一章 幼少期編
6/412

第五話 素材達

ブックマークや感想をありがとうございます。


ストレージを開いた結果は……?


それでは、どうぞ!

(な、ない……)



 ストレージは、開いた。しかし、そこにあるはずのものは、存在しなかった。



(わ、私の苦労が、あれだけ必死に集めた素材達がぁぁぁあっ!!)



 自然と、もろい涙腺は決壊する。



「あーっ! うぅーあっ!」



 扉の外で悲鳴が聞こえるが、私はそれどころではない。



(どうしようっ、これじゃあ、メリーを助けられないっ)



 私が作成しようとしていた万能薬は、実はかなり貴重な素材が必要な薬だ。いや、その場所にさえ行ければ、採ることはできるのだが、その場所が問題なのだ。



(神霊樹の森……)



 そこは、神聖な樹である、神霊樹が植わっている場所。言い方を変えるなら、世界樹とも言えるその樹は、ありがちな設定ながら、一本だけしか存在しない。そして、そこへ辿り着くまでには強力なモンスター達と戦わなければいけないわけで……。



(赤ちゃんがどうこうできるわけがないっ)



 そもそも、今は移動することもできないのた。素材さえあれば、錬金術師キットを使って錬金術を使えるはずだったのだが……。



(……あ、あれ? そういえば、錬金術師キットとか、そもそも存在する?)



 果てしなく、嫌な予感がする。



(さ、作成キット一覧!)



 そうして、それを開いてみると……。



(よ、良かったぁっ、こっちは、ちゃんとあるっ!)



 それすらもなければ、設計やら建築やら細工やらの力で一から作成しなければならないところだった。それだけは、不幸中の幸いというやつだろう。



(どうしよう、調薬の方で、何か症状を緩和させるような薬を作る? あれは、味付けを自由に変えられたりする機能はあったけど、錬金術よりも材料が色々と必要なんだよなぁ……)



 もちろん、調薬の方が色々な薬を作れるし、ランクの低い素材でもそこそこのものを作ることはできる。調薬の方であれば、神霊樹の森にも行く必要はない。しかし、一にも二にも、素材がいる。素材がなければ、どうすることもできない。



(くっ、とにかく、動けるようになるまでは待たないとダメかっ)



 現在、生後、多分三日か四日目。そんな生まれてほやほやな私に、メリーを救うなんて大それたことができるはずもない。



(第一目標、はいはい! そして、掴まり立ち、自立歩行、あと、走るのもっ!)



 全ては、動けるようになってからだ。それまでは、せいぜいこの小さな頭を回転させて、素材調達の方法を考えるしかないだろう。



(目指せっ、自立!)



 とうてい赤ちゃんが考えることではない目標を立てた私は、泣いたせいでこちらに呼ばれたメリーにあやされながら、眠りにつくのだった。

ストレージ、空っぽでしたねぇ。


ユミリアちゃん、大ショックながらも、今後の目標をしっかり立てましたよっ。


次回は、ちょっと成長したユミリアちゃんになります。


それでは、また!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ