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悪役令嬢の生産ライフ  作者: 星宮歌
第一章 幼少期編
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第四十話 乙女の秘密

ブックマークや感想をありがとうございます。


今回は、『乙女の秘密』と書いて、『メリーの秘密』と読んでいただければ(笑)


それでは、どうぞ!

「つまりは、ユミリアお嬢様が、私を助けてくださった、と?」


「みゅっ」



 あれから、大変だった。とっても、とーっても、大変だった。何せ、私はまだ一歳半の幼女。まさか、そんな幼女がメリーを治す薬を調合できるとは誰も思わないだろう。しかし、それでも一切の誤魔化しをしなかったのは、ひとえに、メリーには私の味方で居てほしいからだ。前世のことまではまだ話していないものの、メリーをセイ達と会わせた後にでも、時間を作って話すつもりではある。



「……」


「めりー?」



 全ての経緯は説明した。そして、それをメリーがどう捉えるか。それが問題だ。


 うつむいて表情の見えないメリー。何を言われるか分からない恐怖と、私は必死で戦う。長い、長い沈黙。その間に、メリーの肩がプルプルと震え出し、余計に心配で、怖くて、泣きそうになったところで……。



「………………ユミリアお嬢様が、天才過ぎるっ」



 ガバッと顔を上げたかと思えば、キラッキラした瞳で、メリーは私を見つめてきた。



「み、みゅ?」


「あぁっ、可愛い! ユミリアお嬢様が可愛いっ」



 そして、悶えるメリーを前に、私は思う。



(あれ? メリーってこんなキャラだっけ?)



 見たことのないその姿に困惑していると、ふいに、メリーはキリッと表情を引き締める。



「では、ユミリアお嬢様。ユミリアお嬢様を助けてくださった方々というのは、そちらに居られる二人と、入り口に居られる方で合っていますでしょうか?」


(…………みゅ!?)


「えっ? バレてる?」


「ユミリアの乳母、すごい」


「へぇ、軽くしてたとはいえ、俺の隠密を見破るたぁ、ただもんじゃねぇな」



 あまりの衝撃に固まっていると、セイ達がゾロゾロと姿を現す。



「なるほど、星妖精に蒼月狼に竜人……そうそうたる顔ぶれですね」



 しかも、ローランの職業は分からないまでも、それ以外は全て言い当ててしまうメリーに、私は戦慄する。



「さて、私が何者か、でしたね。私は、メリー・オラクル。現在はユミリアお嬢様の乳母兼メイド兼護衛ですが、昔は『狂乱のメリー』と呼ばれたS級冒険者をしておりました。この度は、お嬢様にお力添えいただいたこと、心より感謝申し上げます」



 セイ達の姿に一切動揺することなく、綺麗なカーテシーをするメリー。私が思うことは、一つだけだ。



(何やってたの!? メリー!?)



 前世の話をする前に落とされた大きな爆弾に、私はしばらく硬直するのだった。

メリーさん、何者!?(いや、『狂乱のメリー』さんではあるんですけどね?)


案外、セイ達との顔合わせは簡単でしたね。


さてさて、次回は前世の話ができると良いなぁ。


それでは、また!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 乳母はただ者じゃなかった(笑)
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