第四百八話 混戦の果て
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とりあえず、ピンチから入ろう、そうしようっ。
てなわけで、どうぞ!
「う、うわぁ……これ、ピンチ?」
「……んっ……」
現在、ぼく達は、いきなり邪神となった神々への対処で追い詰められていた。ぼく達が拾ったのは、ほとんど戦闘に向かない神ばかり。しかし、それでも、力を合わせてこられたらこんなにも厄介なのだとは思いもしなかった。
芸術の神によって、様々な錯覚を覚えるステージへと強制的に連れ去られ、愛の神達のラブソングによって、頭の中が溶けそうになる。変態の神は、なぜかネシスを執拗に追い回し、(脳内)花畑の神は……あぁ、いや、これは、特に何もなかった。とにかく、チマチマとした嫌がらせじみた神々の力によって、ぼく達は、まともな戦闘が行えないまでになっていた。
早く打開しなければ、とは思うものの、誰が敵なのかも判然としない。とにかく、ネシスとは離れないでいようと思っていれば、いつの間にか、ネシスは偽の神によって偽物と入れ替えられるという有様。
「っ、レインボードラゴン達!?」
どこから来るか分からない隠密性に長けた攻撃。視覚は様々な錯覚アートによって頼りにならず、聴覚も、ラブソングのせいでまともに働かない。犯人は分かっているのに、その姿を見つけ出せない状態で見つけたのは、上空を飛行するレインボードラゴン達。そして……。
「なっ!?」
レインボードラゴン達に向けて、いつの間にかぼく達を囲んでいた邪神の軍勢が、一斉攻撃を仕掛ける様子が見える。
(不味いっ、レインボードラゴン達は、一体でも欠けたら弱くなるっ)
七体が揃っていなければ力が発揮できないレインボードラゴン達。これだけの攻撃を受ければ、何体かは脱落してもおかしくはない。特に、つい先程まで重傷を負っていた六男あたりは危険だ。しかし、焦ったところで、レインボードラゴン達への攻撃を止めることはできない。そう、考えた直後、凄まじい爆音とともに、レインボードラゴン達へ攻撃が着弾する。
「っ! 皆っ!!」
レインボードラゴン達が居るということは、近くにリリアナ様も居るはずで、あれほどの攻撃を受けて無事であるとは思えなかった。それでも、ぼくは、声をあげずにはいられなくて、未だに続く攻撃の嵐の中へ飛び込もうとして……。
「待て、コウ」
とても、懐かしくて、しかし、遠い昔に失ったはずのその声に、思わず足を止める。
「え……ぁ…………」
懐かしい一つに束ねた黒髪。赤く、鋭い光を帯びた瞳。女神であるはずなのに、いつもいつも、好んで執事服を身に纏う彼女は……なぜか、黒衣を纏って、そこに立っていた。
「アメリア……?」
それは、コルトとしての記憶の中にある、大切な仲間の姿だった。
アメリアの姐さんが登場しましたよ〜
どこから登場したかは……多分、きっと、明日の更新で?
それでは、また!